自我の領域

「自我の領域ではない領域とは何ですか?」

自我の領域ではない領域です。

という同語反復です。

さて、釣りページに「自我の領域から離れなさい」と書いているからでしょうか、やはりよくわからない事柄なのかもしれません。ということで、「自我の領域」とは何なのか、また逆に「自我の領域ではない領域」「自我とは別の領域」とは何なのか、ということに対しての回答です。

アイツこと自我は、生存本能、生存本能からの恐怖心が発端ですが、自分というものの「実在」、自分と外界を分け隔てる要素、など、一言では表現しにくいような事柄です。他にも自我の側面を表現することはできます。

自我の領域ではない領域

では、「自我の領域ではない領域」は、その逆なのだから、生存本能ではなく、生存本能からの恐怖心でもなく、自分というものの実在でもなく、自分と外界の境目がない、というような領域が、「自我の領域ではない領域」「自我とは別の領域」です。

が、よくわからない説明になっています。

自我とは諸法無我の「無我」の対極にあるようなものであり、本来は実在しないにもかかわらず実在するかのように振る舞う虚像です。

インドにハマった人は自我の領域ではない領域を「真我」つまりアートマンだと言い張り、無念無想の瞑想の中で真我を観たなどと言ったりしますが、その発想自体、その認識自体が「自我が作り出した虚像」です。

すごく単純なロジックですが、「真我を観たのは誰ですか?」とか、「無念無想なら何も感じないはずでは?」で論理の破綻を見破ることができます。

自我の領域ではない別の領域については、それが自我とは独立して「存在」しているわけではありません。

それは無理やり表現すると体感領域ですが、これは自我の虚像を見破るだけで十分です。

では「生存本能ではなく、生存本能からの恐怖心でもなく、自分というものの実在でもなく、自分と外界の境目がない」といった中から、「自分というものの実在でもなく、自分と外界の境目がない」にピックアップして書き進めていきましょう。

自分と外界の境目がない

よく自分と外界の境目がないということをオカルトのように言う人がいて、自然と同化するというようなことをやり始める人がいますが、そういった少し「イッた」感じではありません。

まずこの世界を作っているものは何でしょうか?

この世界と言っても、自分が今認識しているもの以外は、世界ではありません。

自分が今感じていることだけが世界です。

では自分は「ある」のか。

いえ、あるともないともいえません。

なぜならば、今この瞬間に、五感や意識から感じていることを感じているのが心であり、そこに実体はありません。ただ感じていることは感じています。

「心臓が動いているからだ」とか「脳が働いているからだ」という場合でも、それは原因であって、実体ではありません。原因が消えれば結果である「感じている」という現象も消えるというだけの話です。

全く何もない状態ならば何も起こりません。感じることもありません。

ただ、瞬間は常にこの瞬間しかありません。

諸行無常

その瞬間にどのような状態で、どのようなことを感じているか、ということが瞬間的に生滅を繰り返しているだけです。

直前に起こった状態が、次の瞬間の状態の原因になります。そこには常に変化があります。

そういうわけで固定の実体があるわけではありません。

で、そうなると感じていることだけが、世界のすべてということになります。意識から妄想が送り込まれれば、その妄想が世界の要素になります。

そこで、外界のように思っているものは情報です。触ればカタイというのも情報です。たとえば指の先であっても、情報をキャッチしている場所といえばそうなのですが、「感じている所」とは別の現象の場所であり、情報です。その場所が変化したからこそ、変化したという情報が流れ込んでくるだけで、それ以上はありません。

そう考えると物理空間であっても、それをどう感じているか、ということは全て情報になります。

その情報をただ受け取っているだけです。

その情報源のひとつが、五感以外の意識です。

寝返りを打っても、「寝返りを打て」という衝動は自然に発生します。その際それを行っているのは意識という信号と、それに反応した体です。心は受け取るだけなので、その現象の原因ではありません。寝返りを打ったかどうかというのは、五感が信号を送って意識が解釈してまた信号を送ります。

ここで情報源のひとつである意識が、現象を捉える際に実際の情報をねじ曲げています。

各信号を解釈して、ある現象を複合的に作り上げて解釈していきます。

その中に意識のノイズがあると、それが歪みます。

その歪んだ状態が、自我の領域です。

そしてその歪みのない状態が、自我の領域ではない領域です。

おそらく一発でわかる人は、ほとんどいないかもしれませんが、これ以上の説明は野暮でしょう。

Category:特別企画 / 質疑応答

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