気力や体力がない時、「治そう、回復させよう」と考えます。それでうまくいくときもありますが、うまくいかないときもあります。
それはマイナス要因が大きすぎる時です。
このマイナス要因というのは何かということを突き詰めると、意図の障害になっている情報状態です。
また、治しても治しても復活する体のこわばりや痛みがある時、特定の情報による慢性的な緊張や炎症が潜んでいる場合があります。
なので表面的に治療しても、また緊張によって復活します。
何かしらの表現としての情報が残っているわけですね。
で、それを意識上の解釈変更で正そうとしても、なかなかうまくいきません。もちろん考えていって心底の納得があればうまくいきます。
また、対人関係でも同様に「関係を良くしよう、元通りにしよう」と思うときがあります。その時に行動をするとうまくいくときもありますが、うまくいかないときもあります。
これもマイナス要因としての悪しき情報が大きすぎる時です。
ということで、「情報の破壊」によって再生するということについて触れていこうと思います。
悪しき情報をクリアにする
対象は体の痛みでも人との軋轢でも、何かがうまくいかないことでも何でもいいのですが、いろいろとやろうとしてみてもうまくいかない場合、プラス要素を追加するのではなく先に悪しき情報をクリアにする、つまり破壊するということをしてみると事態が好転することがあります。
これはイメージで言えば、コップの中にある濁った水を透明でキレイな水に入れ替えたい場合、先に濁り水を捨てるというような感じです。
濁った水で満たされたコップにきれいな水を注いでいけばいずれ中身はクリアになっていきますが、先に濁った水を捨ててから開始した方が水がキレイになるのが早い、というような感じです。
マイナスの判定
ちなみにマイナスの判定は簡単です。「意図の障害になっていること」とか、「体に痛み・緊張が出ていること」等々です。
ただ、体の具合が悪いことによって何かを避けようとしている等々、原因が奥に隠れている場合もよくあります。
なので、高い視点から全体を見渡す必要があります。
情報の破壊方法
情報の破壊方法はたくさんあります。かなり前にご紹介した「記憶からの影響・記憶の臨場感を下げる方法」もそのひとつです。
また、先日の「肚の据わりと集中力・やる気のルート選択」で触れた「嫌なことがあった時、情報を外に流す」というのも方法の一つです。
ただ、今回はそれらとはまた違う別の方法を3つくらいご紹介しておこうと思います。
基本は「吸い出して壊す」です。
- 情報を込めて物理的破壊
- 紙に書き出して破棄
- 関係があるものを捨てて縁を切る
というような感じです。
それと同じような機能を持ちつつ間違ったやり方であるのが、自傷行為です。
情報を込めて物理的破壊
ではまず「情報を込めて物理的破壊」という方法ついて触れていきます。この後の「紙に書き出して破棄」もこれの一つの類型です。
先に少しだけ高度な技について触れておきます。これが「あまりうまくできないなぁ」と言うときは、物理的破壊を利用してください。
両手を「ごますり」の形で重ねて、右手の温かさを左手で感じます。脱力したほうが良いのでだらんと下げていた方が効果的です。
次に左手の温かさを右手で感じます。
両手を少し離して右手で左手を仰いでみます。
何かを感じたらそれが気(プラーナ)です。
別に感じられなくても構いません。
次に、その気で玉を作ります。
玉があるかのように空間を撫でてください。
それを体の痛いところ、こわばっているところに当てて、情報を吸い出します。何かのイメージ、思い出が蘇ってきたらその記憶を込めます(その奥にある「本題」を見せないように意識が嘘をつくことがあるのでそれはあまり重要視しないでください)。
その気の玉を両手で挟むようにして破壊します。
と、これが基本ですが、気の玉のイメージ、感覚がつかめない場合があります。
その場合に、気の玉の代わりに缶やペットボトル、いらない箱などを利用します。
その物の空間に「悪しき情報」を込めます。
それすらよくわからない場合は、その物を体の痛いところ、凝っているとこに当ててさすります。
そして破壊します。
手で思いっきり潰してもいいですし、足で踏み潰しても構いません(怪我に注意してください)。
紙に書き出して破棄
次に、紙に書き出して破棄に移ります。
体の中でこわばっているところ、痛いところ、明らかに凝っているところを探して、手を当てます。
それで浮かんできた嫌な記憶なり、手を当てなくても浮かんでくる嫌な記憶、現在の状態を紙にどんどん書きなぐります。
そして燃やすなりビリビリに破くなりして破棄します。
関係があるものを捨てて縁を切る
最後に、関係があるものを捨てて縁を切るということについて触れておきます。
何かしらの縁、つまり原因が結果になるため「条件・環境」があるならば、その条件を破壊すれば、結果は変わります。
誰かとの関係が重く感じるのであれば、その人にまつわる「物」を捨てたりするということですね。
自傷行為に走る前に
ということで、自傷行為に走る前に様々な方法があることを知っておいてください。
「自分に害意が向く」「自分を壊したい」
というのはある意味で正しいと思います。
自分を壊すんです。
でも壊し方を間違えないでください。
他者に原因があるように思えても本来は自己責任
本当はこちらの方が重要なのですが、まず他者に原因があるように思えても本来は自己責任です。
そして、他人に苦しめられていると思っていても本当は自責だったりします。
「あんなやつに気を使っている自分」が嫌なんですね。
「嫌いなのに経済的に依存している自分」が嫌いなんです。
「だったら自立して強くなればいいということはわかっているが強くなれない自分」が心底嫌だというようなものがほとんどです。
ただ、強くなるということは自分を変えるということです。
自分を変えるということは今の自分を否定することになります。
それは自分が情報だと考えれば、死を意味します。
なので、「考え方を変えろ」というのが正解でも、自我は必死に抗います。
ここで、「考え方を変えろ」といいつつ、どの考えをどのように変えればいいのか、ということになります。
天上天下唯我独尊
端的には、「天上天下唯我独尊」という感じでしょうか。
「あの人」より自分の心の方が大切です。
「お金」より自分の心の方が大切です。
「社会」より自分の心の方が大切です。
そう思うと抵抗が出てくる場合があります。
本来はそれが「悪しき情報」です。
「他者に原因があるように思えても本来は自己責任」というのはそういう意味です。
罵詈雑言を浴びせてくる人がいたら、「社会的」に見ればその人が悪いです。
しかしながら「天上天下唯我独尊」でいられない「情報要因」があるとすれば自己責任です。
それをもたらしたのは他者です。
しかし、それを受け入れて継続して保有しているのは自分です。
それを破壊してください。
ひとまず何を壊すのか?
たとえば、今自分が貧困にあえいでいるとします。
そんなときは、社会全体の経済不況を壊すのではありません。
貧困の原因となっているブラック労働環境、頭の悪い上司を壊すのではありません。
貧困に馴染んでいる自分を壊します。
「自分のことが情けないなぁ」と思ったら、その「情けない自分」を壊します。
つまり、自尊心や自己評価を高める方向が正解です。
そして「天上天下唯我独尊」にたどり着いてください。
ちなみに、本当に天上天下唯我独尊になると、人からの評価など欲さなくなります。
若年でたくさんのお金を手に入れたと、高級外車と写真を撮っている人を見ても、土産物屋で買った指輪を自慢している修学旅行生を見るような気分になります。
僻みでもなんでもなく「ああ良かったね。ただきっとまだ道の途中なんだろう」というような感じになります。
古い情けない自分を壊す
総合的に勘案すると最も手っ取り早いのは、「古い情けない自分を壊す」ということです。
とことんまで「情けない自分」を込めて破壊するというのが一番です。
先に触れた情報を込めて物理的破壊というものでいえば、大きめのペットボトル等々に情けない自分を込めます。
原型を留めないくらいにまで蹴り潰してください。
紙に書き出して破棄であれば、自分に対する罵詈雑言を自分の言葉で限界まで書き出してください。
共に、まず、イメージ、言語すべてを込めまくります。どのような汚い言葉でも構いません。
「情けない両親に経済的に依存している自分、外の社会にビビっている自分、理不尽な言葉を言い返せない自分、まったくモテない自分、アホにナメられてそれでもそいつに勝てない自分…」
と、可能な限り込めます。
「早く壊れろ、一生戻って来るな!壊れろ!壊れろ!壊れろ!壊れろ!壊れろ!壊れろ!壊れろ!」
と対象物を蹴りまくってください。
気が済むまでどうぞ。
一つでは足りないかもしれないので、空き容器等をたくさん用意してください。
誰かとの縁や、特定の記憶を破壊したい場合は、それに特化する形でやってください。
ちなみに、「誰か」を壊しても構いません。
回り回って結局自分の中にある「因縁」を壊すことになるだけなので、問題はありません(相手が変わることを期待はしないでください)。
夫婦問題であれば、「乗りたくもないファミリーカーを無理に買わせやがって、オレには発泡酒すら飲ませない浪費家のクソサゲマン」などと言う感じでですね、相手に対する罵詈雑言を込めてください(ちなみに僕のことではありません)。
それを物に込めるか、紙に書き出します。
そして徹底的に破壊してください。
そして次に「浪費家のクソサゲマンに支配され、乗りたくもないファミリーカーを無理に買わされて発泡酒すら飲ませてもらえない自分」を壊してください。
できれば
「さあ自信と自尊心がみなぎってきたぞ、自己評価が高まってきたぞ」と実感してください。
さあ立ち上がろう
これらは何かを補って回復させるというより、マイナス要因を取り除くという感じです。
本当のラスボスのような悪しき情報は奥に隠れている場合もあります。それはなかなか出てきません。
しかしながら、すぐに思いつくものもたくさんあるはずです。
どんどん重荷を破壊していきましょう。
もしかしたら本当は、自分の存在というものはもっともっと大きいのに、しゃがんでいるだけかもしれません。
荷物が重くて立っていられなくて、しゃがんでいるだけかもしれません。
ちょっとしたことで、立ち上がってサクサク歩けるようになるかもしれません。
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