周旋屋

斡旋ならまだしも周旋という言葉は、この近年では聞き慣れない感じがしますが、「笑う月」に出てくるように、昭和の頃は周旋や周旋屋という言葉それほど珍しくもない感じだったようです。近年ではあまり耳しない「細君」みたいなものでしょうか。

周旋は売買や雇用の「仲介」というよりも「立ち会い交渉」という意味合いがありますが、「間に立って世話をする」というような感じあり、たいてい不動産や仕事の仲介などを意味したりするようです。ということで、周旋屋といえば専ら不動産屋さんや職業紹介人という感じの意味合いで使われていたようです。

まあ斡旋同様、周旋は仲介のような意味がある言葉なので、とりあえずは「人を紹介して紹介料をもらおうとする人」についてでも触れていきましょう。

歪な形の有償の紹介

普通個人レベルで紹介というと「無償のもの」であり、逆にその裏で紹介人の信用への影響というようなものが絡んできたりする構造になっています。

そんな信用への影響とか仲に亀裂が入ることを避けるために有償で専門の業者さんを利用したりするわけですが、「歪な形の有償の紹介」というものが、社会ではたまに起こったりしています。

紹介を義務化するならば相殺と同じ

一つは、胡散臭いビジネスネットワークのようなもので、紹介を義務化して「まともに運営している中ではお客を捕まえることができない人」たちが、お互いの人脈を浪費する形で紹介し合うような団体があったりします。

しかしながら、それは半ば客を紹介してもらうための義務的な紹介であり「条件にぴったりなので紹介する」とか「すごくいいので紹介する」というような意図を持っていないため、本当に適した出会いがあるかということは疑わしいという感じになります。

いわば「私もあなたにお客を紹介するので、あなたも私にお客を紹介してください」という取引であり、また、他者依存感もあるため、自由競争の中の最適化が生まれにくいという感じがしてしまいます。表面上はお互い無償でも、その実際の構造は相殺であり、なんだか違うと思ってしまいます。

ちゃちな裏金

もうひとつは、ちゃちな裏金とでも言うべきか、家族に内緒の「遊ぶ金」を得るべく「つなぐので紹介料をください」というようなタイプです。

たいていはギャンブルか夜の店系の常連であり、いわばその代金を給与所得などの家庭の一般会計からは捻出できないので、小遣いを稼ぐために「紹介」で人からお金を取るというような感じです。

まあ企業としては、広告宣伝費とか交際費としてある程度の費用は必要なものであるという感があるので、チラシを撒いて結局ダメということになるならば、すぐに決まりそうな話であれば多少のお金は出すよ的な発想になっているところもあります。

ちなみにですが、うちの会社ではその手の話を全て断っています。なぜなら「紹介するのでお金をください」というようなタイプの人の知人など、類は友を呼ぶ的に同レベルのロクでもなさを持っている可能性が高いから、ということと「そんなことをしなくても困っていない」という理由があるからです。

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