ムシトリスミレ(学名:Pinguicula vulgaris)はタヌキモ科ムシトリスミレ属(ピンギキュラ(ピングイクラ)属)の食虫植物で、捕虫方法は粘着式です。葉の表面や花茎から粘液を分泌して小さな虫を捕らえます。なお、虫取菫と表記されることもあるようです。
花がすみれに似ていることからスミレという名称がついていますが別種です。高山の岩などに生えています。日本では北海道から四国にかけて分布しているようです。
日本では高山地帯に分布しており、南北アメリカ大陸、ヨーロッパ、中国やチベット地方と世界中広範囲に分布しています。
①主にヨーロッパ産の冬芽形成する湿潤常温性、②主に北アメリカ産の冬芽形成しない湿潤常温性、③主にメキシコ産のサバナ気候性といった3つのグループがあるようです。
日本での分布
ムシトリスミレは、日本では高山地帯に分布しており、グループとしては「冬芽形成する湿潤常温性」に属するようです。赤城山、日光連山(日本固有種のコウシンソウ:主に庚申山・男体山・女峰山)、谷川岳、八方尾根、埼玉秩父、秋田駒ケ岳、三重県の飯高山、四国の石立山(徳島県那賀町と高知県香美市の境界)、北海道の大雪山・日高山・夕張山などの高山地帯に分布し、また、岐阜県の尾根地方や新潟県の早出峡・杉川渓谷などにも分布しているようです。
ムシトリスミレの葉
ムシトリスミレの葉はこんな感じです。地面から直に葉が生えてロゼット状になっています。この葉に細かい腺毛がついており、粘液の球がついています。この粘液により捕虫します。
ムシトリスミレの花
ムシトリスミレの花です。この花がスミレに似ているということからムシトリスミレの名がついたようです。
80種ほどの種がいるのでそれぞれ花は異なりますが、まあ確かにスミレっぽいという感じがします。
こちらもムシトリスミレですが、葉が細長い種になります。
なお、食虫植物の捕虫方法には、落とし穴式、粘着式、ばね式、吸い込み式、誘導式といった5つの分類があります。
食虫植物(一覧)
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