アフォリズム 541-550
- 541.一種の排泄
- 542.盗作のフィルター
- 543.慣れという諸刃
- 544.セキセイインコたち
- 545.落胆からの物格化
- 546.友人によって知る自分
- 547.作品の質と平和
- 548.生きた時間の否定
- 549.印象と言語
- 550.波の把握
541.一種の排泄
イメージを外に出すということは一種の排泄のような構造があるゆえに、五感と意識のどこかで、先に食すというようなことが必要になる。
542.盗作のフィルター
たくさんの大人が関わって、盗作を盗作のまま世に出せるという構造は、社会の不誠実さの象徴であるか、もしくは、雑さの象徴であるか、経済という観念に狂うということの象徴であるのかのいずれかであろうと考える。
543.慣れという諸刃
慣れというものは、不安を和らげ、効率化をもたらす反面、飽きとつまらなさを生じさせる。
544.セキセイインコたち
セキセイインコたちと暮らしていなかったら、おそらく十代の頃に独立系の化学テロリストにでもなって上級生や体育会系を殲滅していただろうと思うことがある。
545.落胆からの物格化
第二次性徴期以降、ドラえもんの「しずかちゃん」のような素敵さがどんどん失われていくという落胆、同じ生き物ではないという落胆から、一時的にではあるが異性を物格化しようとしたことがある。
546.友人によって知る自分
自分自身のことであるから、自分のことはすべて知っていると思っていても、自分のことゆえにあまり見えていない部分がある。
そうした部分を知るという面においても、友人というものはありがたい存在である。
547.作品の質と平和
くだらない芸や楽曲、作品に出会うたびに、そしてそれが世の中で評価されている雰囲気を感じるたびに「今は平和なのだ」と思うことにしている。
548.生きた時間の否定
未払い賃金というものは、単に報酬を少なくするというようなことだけでなく、その労働者が生きた時間、為した作業などを否定するものである。致し方があるにもかかわらず工夫なきゆえに生じた待ち時間、遅刻などもその要素がある。
549.印象と言語
印象を外に出す時に言語を用いると言うのは便利だが、何でもかんでも言語のみで印象の解を出そうとするとうまくいかないことが多い。
550.波の把握
同じ現象でも、感じる印象、起こる感情は、その時の波の状態によって変化する。そうしたくだらなさ、波があること自体も「苦」である。そうしたものがある中でも、波によって変化することを客観視し、波の変化を観察して、苦を低減させることはできる。
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