カテゴリー別アーカイブ: 第四書

曙光(ニーチェ) 第四書

あらゆる謙遜の限界

不合理なるがゆえに私は信じると語り、その理性を犠牲に供するような謙遜は、おそらくすでに多くの者がなしとげたであろう。しかし私が知るかぎり、それからともかく一歩だけ離れていて、私が不合理なるがゆえに私は信じると語る、あの謙遜をなしとげた者はいない。 曙光 417 あらゆる謙遜の限界ということで、謙ることについてでも触れていきましょう。 慇懃無礼という言葉があるように必要以上の謙りは一種の皮肉となり、時に相手に対して失礼になったりします。 謙遜はマナーのひとつとして考えられていますが、己の深いところでの信念まで曲げてし

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最悪の敵はどこにいるか?

自分の仕事を立派に果たすことができ、そのことを意識している者は、その敵に対して大ていは和解的な気分を抱いている。しかし、別個の立派な仕事をもっていることを信じていながら、それを守ることに巧みでないということが分かると、― 自分の仕事の敵対者に対する怨恨の念にみちた和解できない憎しみが生まれる。― 各人はそれに応じて、自らの最悪の敵がどこで求められるかを見積もるがよい! 曙光 416 人類史上、最も優れた発明は「ゼロ」の発見であるということを言う人がいます。しかしながら一方で、その「ゼロ」は、数学的には偉大な発明であ

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愛の治療法

相変わらず大ていの場合愛にはあの古い荒療治が効く。愛し返すことである。 曙光 415 愛の治療法ということで、冷めた男女の治療法についてでも書いていきましょう。 よく復縁がしたいとか、冷めた男女仲をなんとかしたいという人がいますが、もしそう思うなら、たったひとつのことだけに思いを馳せておくことです。 それは「今からどうありたいか」です。 そこに過去を持ち込んではいけません。 あの時はこうだったとか、この時はこうだったとか、そうした相手に対する認定があるはずです。 そしてその認定や記憶と現状とのギャップに苦しんでいる

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自発的な盲人

ある人物または党派に対する、一種の熱狂的で極端な献身がある。これはわれわれがひそかにそれらに優越感をもつこと、われわれはそれらのために自分に不平を鳴らすことを示す。われわれの眼があまり見えすぎた罰として、われわれはいわば自発的な意志で自分を盲目にするのである。 今年の6月に僕は目が日に焼けて、いわゆる雪目になりました。そうこうしているうちに、なぜかその数ヶ月後、家族も雪目になりました。僕の雪目とは比較にならないほど重症でした。 眼科に運んでいったのですが、なんせ眩しいのが辛いということで、移動中ですら目隠しです。病

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公私の告発者

告発し審問するすべての人をよく観察せよ。― 彼はその際自分の性格を露呈する。しかも、その犯罪を彼が追跡している犠牲者の性格よりも劣った性格を露呈することが珍しくない。告発者は、ある犯罪あるいは犯人の相手方は必ず元来よい性格でなければならぬ、またはよいとみとめられなければならぬ、と少しも悪気なしに考えている。― そこで彼は勝手気ままである。すなわち、彼は意中を明らさまにするのである。 曙光 413 告発者という字を見て、確かひょっこりひょうたん島か何かのゲームで出てきた「告発者の日記」が頭から離れません。 ちなみに告

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利巧だが狭量

彼は自分以外には何ものも尊重する術を知らない。そこで彼が他人を尊重しようと思うなら、彼はいつもまず他人を自分に変えなければならぬ。この点ではしかし彼は利巧である。 曙光 412 ニーチェもうまいこといいますね。「利巧だが狭量」というタイトルがぴったりで、まるで落語のようです。 ここで何となく社長仲間から聞いた「某上場企業の社長の実態」についてでも書いていきましょう。 上場企業の社長の実態 ある時、僕に一本の電話がかかってきました。仲のいい取引先の社長からです。なんでもその人が言うには、その人の知人である不動産会社の

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憎しみをもたずに

君は情熱に別れを告げようとするのか?そうしたまえ。しかし情熱に対して憎しみをもたずに! 曙光 411 序 情熱と別れということで、叶わなかった恋、そして叶わせなかった恋というものについてでも書いていきましょう。 いくら情熱を持とうとも叶わなかった恋というものもあります。しかしやはり、何にも情熱を持てないままに過ごすよりは随分とその瞬間を輝かせるものとして、その成就に関わらず良い経験であると思っています。 一方、いくら情熱を持たれても叶わせなかった恋というものもあります。「何がいけないのか?」と聞かれれば、「いけない

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小心者

ほかならぬ不器用で小心な人たちこそ殺害者になりやすい。彼らは目的にかなった小さな防御なり復讐なりの心得がない。精神と沈着な心構えとの欠乏のため、彼らの憎悪は絶滅以外の打開策を知らぬ。 曙光 410 なんだか曙光のこの項目を見ると北九州一家監禁殺人事件の緒方純子受刑囚を思い出します。それだけでなく、世のDV被害者が浮かびます。変な宗教まがいの団体に洗脳された人たち、パートナーに洗脳されてしまった人たちがどうしても思い浮かびます。 DV被害者のマインド DVに関しては身の回りでも何件か実例がありました。 そうした被害者

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病気

病気の意味は次の通りである。老齢、醜悪、厭世的な判断などの時ならぬ接近。これらのものは相互に関係しあっている。 曙光 409 病気は、その昔「よくない状態」というような意味だったということを聞いたことがあります。今のように科学的に捉えることができなかったということが元となりますが、単純によくない状態という感じです。 そして、一部例外を除いて大半の病気は原因がストレスだという事を聞いたことがあります。といっても、免疫の関係もありますから、感染症というものもなんだかんだでストレスが要因となっているフシは否めません。 で

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寛大がひろく必要なところ

多くの人たちは、公然たる悪人となるか、あるいはひそかな憂苦のにない手となるか、を選ぶにすぎない。 曙光 408 昨日、独りで散歩しました。その時にふと考えたことは、どうしても、「人は人に合わせると実力を発揮できない」というようなことです。 ふと今まで働いてきた数々の仕事を思い出しました。 自分を自由にさせてくれる上司の場合は、人の倍くらいの結果を残し、親切心で何かと教えてくれる上司がいる場合は、逆に「甘え」が生まれ、「やり方の制限」がかかり、人の半分くらいしか本領を発揮できなかったというようなことを思い出しました。

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われわれの性格に反して

われわれの語らなければならない真理がわれわれの性格に反するとき― これはしばしば起こることだが―、われわれは下手な嘘をついているような振舞いをし、不信をまねく。 曙光 407 そして頭はどうしても矛盾を嫌います。 だから、完全に消化しきれるまでは、思考上を飛び越えたところにあるところを誰かに説明し説得しようとした時に自信がなくなってしまうのです。 ところが、変な新興宗教の教祖のような人でも、自分自身が行ききっていて自信をみなぎらせ「定説です」とか「最高ですか!」とか「まだ間に合うんです!」と言っていた場合、その迫力

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不滅にする

敵を殺そうとする者は、ほかならぬこのことによって、自分の心の中で敵を永遠なものにしないかどうか、とくと考えてみるがよい。 曙光 406 先ほどは闘争心について書きましたが、考えてみれば今まで敵というのも相応にたくさんいました。 そして大体の敵の特徴は、「少し年上の体育会系」でした。 普通に過ごしていてもなぜだか「なめている」という判定をされ、時々絡まれたりもしたものです。 といっても、それに屈するわけでもなく、十代の頃は何度か返り討ちにしたこともありました。そういうわけで中学生の時はカバンに鉄板が入っていたわけです

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贅沢

贅沢癖は人間の心の奥底にまで及んでいる。余計なもの、過度のものは、彼の魂が最も好んで泳ぐ水であることを、この癖は示している。 曙光 405 贅沢を感じている時、おそらくそこには「我慢」や「妥協」がありません。 贅沢だと感じるレベルもあると思いますが、そのレベルに応じて我慢や妥協、身体的苦しみが少ないはずです。 「たまには贅沢がしたい」 と思う時は、その裏側に積もり積もった我慢があるはずです。 ただ、贅沢と我慢の関係を見ても、そのまま対義的な関係にあるわけではありません。 なぜなら贅沢だと言いつつも、一般的な贅沢に虚

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正しく評価されることが珍しい人

多くの者は、何かある方向にひどく不正なことをすることなしには、よいこと、偉大なことに熱中することができない。これは彼の持ち前の道徳である。 曙光 404 偉人と言われるような人、偉業を成し遂げた人、そうした人たちは概してマイノリティです。 育った環境が特殊なものであるというような原因は、あまり関係なく、ひとまず変な人だらけです。 勤め人をしようと思っても、人格に問題があると烙印を押されるような人ばかりでしょう。 しかしながら、以前に何処かで何度か触れていますが、マイノリティだからと言って、そのまま「すごい人」である

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誇りのさまざま

女性は、その恋人が自分たちにふさわしくないかもしれないと想像して青ざめる。男性は、自分たちがその恋人にふさわしくないかもしれないと想像して青ざめる。 曙光 403 序 このへんはさすが自称心理学者ニーチェといったところですね。 ただ、いずれにしても、相手に合わせるとどんどん展開は悪くなっていくというパラドクスが待っています。 どうしてか、自己犠牲の方向に行ってしまう人が多くいて、せっかく望んでいた円満の方向からは外れていってしまうということがよく起こります。 そうした方向性を正しい方向に向かわせるため、といっては何

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同様に寛容

「灼熱した炭の上に一分間長く置きすぎたので、すこしばかりまさに焦げようとしている。― これは人間の場合でも栗の場合でもまだ差し支えがない!この少しの苦しさと硬さがあってこそ、本当に心がどんなに甘く硬かいかが味わえる。」― その通りだ!諸君のような享楽家はそう判断する!諸君のような崇高な人喰い人は! 曙光 402 灼熱した炭の上、ということで、「焼いた炭の上を歩け」という狂気じみた自己啓発研修についてでも書いていきましょう。 聞いた話ですが、本当に焼いた炭の上を「歩け!その恐怖心、抵抗感を乗り越えろ!」と言われる自己

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一番危険な忘却

われわれは、他人を愛することを忘れることではじめ、愛する価値のあるものを自分にもはや見出さないことでおしまいにする。 曙光 401 「自分自身に全幅の愛を注ぐ」という感じでいきましょう。そうなるとナルシシズムのようだと思う人もいるかもしれませんが、「うぬぼれ」とは少し属性が違いますので注意してください。 所謂「うぬぼれ」は、他者との相対的な比較によって自分は優位にあるという自己愛です。 顔がキレイだとか、実力があるとかそういう感じですね。 でも一般的に思われているそういうものは、比較対象がないと判断できない要素です

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道徳的柔弱

成功のたびごとに恥じらいを感じ、失敗のたびごとに良心の呵責を感じるような、感じやすい道徳的な性格の人々がいるものだ。 曙光 400 無意識レベルの抵抗感というものは凄まじいものです。 頭のなかでは欲しいと思っていても、無意識に抵抗感がある場合が結構あります。 何かを手に入れるとしても、ルートを制限し、それ以外のルートを許可していないというケースが多く、例えば、社会道徳に反するような形では手に入れたくない、という感じで思っていることがよくあります。 一生懸命働いて、会社で出世して、というケースしか自分に許していない人

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自己弁護する

多くの人間はしかじかの行為をする最上の権利を持つ。だが彼らがそのために自己弁護すると、われわれはもはやそれを信じない。― そして見当違いをする。 曙光 399 抽象的な体感を感じている時、それを具体化してしまうと体感が壊れてしまいます。 もっと一般的に言うと、「今幸せだなぁ」と感じている時に、理由として「○○だから」とラベリングしていくことで、それが壊れてしまうという感じです。 「再現可能で汎用的な法則性」を意識した時点で壊れるのです。 普段とは違った体感がやってきた時、「これをまた体感したいなぁ」と考えます。そこ

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短気な人間はどこでわかるか

戦い合い、あるいは愛し合い、あるいは敬慕し合う二人の人間のうち、短気な方の人間はいつもわずらわしい方の役割を引き受ける。同じことが二つの民族にもあてはまる。 曙光 398 まあ気が短いというだけでそれが良いとも悪いとも言っていないところが面白いですね。 いつでも心地よい、快い状態でいたりとか、アイツによる騒ぎ、執着をやめるということは確かにそうあるのが良いのですが、アイツの性質上、快い状態でいなければいけないとか、執着を「やめなければならない」という、裏側の執着を作っているというケースもよくあります。 条件をなくし

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教育

教育とは生殖の継続である。またしばしば、一種のあとになってからの生殖の体裁つくろいである。 曙光 397 以前どこかで書いたと思うのですが、子孫を残そうとする生殖行動自体がDNAレベルで自分の情報を残そうとするということの表れなのであれば、書籍などはもちろん「自分の名前のついた橋」なんかを作ろうとすることも、後世に情報を残すという意味で生殖行動と変わらないという感じです。 ということで教育も生殖行動と変わりありません。もちろんブログの投稿配信も一種の生殖行動です。 何某か情報を後世に残そうという感じの部分があります

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狩猟

あの人は快適な真理を捕らえようとして狩猟をする。この人は― 不快な真理を。しかし前者もやはり獲物よりも狩猟の方が好きなのである。 曙光 396 狩猟ということで「狩猟免許」の案内を思い出しました。 そう言えば先日銭湯に行った時にテレビがついていて少し見ていたのですが、福島かどこかで猪が街中をウロウロしているという特集でした。 事あるごとに、「猪が悪い」と結論づけようとしますが、別に猪が悪いわけでもなんでもありません。 ということで今回は、土地についてでも書いていきます。 リアルエステート 土地や不動産のことをリアル

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観想

ある思想家にあっては、彼固有の観想的な状態はいつも恐怖の状態に続き、他の思想家にあっては、いつも熱望の状態に続く。 曙光 395 前半 観想、これは今の状態を捉えようとするようなことですが、感情を直視することでその感情の力(?)が弱まってくるということをお知らせしておきます。 恐怖を感じても、恐怖に対抗すること無く恐怖を感じてください。恐怖心の源泉である、思考上の理屈に対して自己説得するような論争自体を止めて、恐怖を感じてしまう方が恐怖が無くなるというパラドクスがあります。 感情が起こり、それを閉じ込めようとすると

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虚栄心をもたない

情熱的な人間は、他の人々が考えるものをあまり考えない。彼らの状態は、彼らの心を虚栄心以上に高めるのである。 曙光 394 マルチネットワーク全開の人の勧誘文句が「あなたもランボルギーニに乗りませんか?」だったということを筆頭に、今回は虚栄心です。 「本当にランボルギーニに乗っているなら虚栄じゃなくて本当に金持ちじゃないか」 という人もいるかもしれませんが、お金で消費物を買って使うことで得られる贅沢など、たかだか知れています。 そして、まず「みんなに羨ましがられているはずだ」と思うのは誰ですか? 自分ですね。 という

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危険な美徳

「彼は何ものも忘れない。しかも彼はすべてを大目に見る。」― そのとき彼は二重に憎まれる。というのは、彼はその記憶と寛容によって二重に人を恥ずかしがらせるからである。 曙光 393 危険な美徳ということで、引用とはあまり関係ありませんが、動物保護団体について、ちょっと考えたことを書いていこうと思います。 まあ少しショックでした。 まずは参照記事のご紹介から行きましょう。 動物保護団体の崩壊 〜ネグレクトになった保護団体〜 動物愛護団体だったりとかは結局、ボランティアとか募金とかで運営してることがほとんどですが、そうい

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