アフォリズム 931-940
- 931.決定時期
- 932.賢者、実業家、愛妻家
- 933.賢者を意図した理由
- 934.実業家を意図した理由
- 935.愛妻家を意図した理由
- 936.低身長の角刈り
- 937.若者よ
- 938.カルトスター
- 939.本当のこと
- 940.属性の解除
931.決定時期
人生において重要な決め事のいくつかは、小学五年生から中学一年生の間に決めた。
「ぼくがなるもの 賢者、実業家、愛妻家」といった具合に。
932.賢者、実業家、愛妻家
今思うと、賢者は抽象的でありながら自己承認のみで完結し、実業家は具体的で客観的事実があれば成り立つ。しかし、愛妻家というのは、どうも行為のみで表現は可能であるが、その成り立ちは最も曖昧であり変化変動の要素がある。
933.賢者を意図した理由
賢者を意図した理由は、知において煩いがない者を目指したというのが最大の理由である。
934.実業家を意図した理由
実業家を意図した理由は、家系的なものを含め複数あるが、やはり中心は、人の下でやりたくないことをやって生活をするのが嫌だという点、裏を返せば自分の意図と責任において社会と関係を持ちたいと思ったことが最大の理由である。
935.愛妻家を意図した理由
愛妻家を意図した理由は、母方の祖母が、亡くなった夫、つまり私の祖父をいつまでも愛し、誇りに思っていたことである。部屋に写真を飾り、結婚指輪を外さず、毎日墓に参っていた(その一種の宗教的行為への評価はこの場合置いておこう)という姿を素敵に思ったというところに起因する。また父方の祖父母が、小競り合いをしながらも仲良しだったということも理由の一つになるだろう。
そうした中、身の回りの会話から、「かつて様々な困難を乗り越えたはずの夫婦が仲違いしていく」ということもあるということを知り、「それは悲しく、受け入れられない」と思ったことがコントラストを強め、愛妻家を意図するようになった。
意図した理由から考えると、愛妻家であることが本当に叶ったのかどうかは、自分の死後に自分が妻にどう扱われるかというところで決まる。つまり、俗世間的でありながら、最も時間がかかり、自らは確認し得ないという属性を持っている。
もちろん常に評価は変化する。ある種最も困難なものになるだろう。
存命中は第三者との関係により、少なからず感情や行為行動に影響が出る。自分と相手以外の関係性を絡めない形となると、死後が最も適切な評価になる。
これは自分が妻から愛されたいというものとは少し違う。自分が死んでも愛されていたい、誇りに思ってもらいたいというものとも異なる。
あくまで人間社会においては祖父母たちのような夫婦という関係でありたいという意図であり、夫婦という一対一の人間社会において愛の関係性の中で生きたいという意図である。
母方の祖母の姿を見て、死後にそのように扱われる人間、そうした夫婦は素敵だと思ったというのが動機であり、祖母への憧れ、亡き後も祖母に思いを持ってもらっている祖父への憧れが根底にある。
936.低身長の角刈り
非を指摘した時、勢いだけで議論にもならない理屈を言い返してくるおっさんは、概ね低身長で角刈りである。
一対一の場合は言い返してこないが、周りに誰かがいると威厳を保つためか虚勢を張る。
937.若者よ
これといった何者でもなく「若者よ立ち上がれ」、「若者よ目覚めよ」といったことを言っている者は、同世代以上には相手にされず、相手の年が若いというだけで自分が上に立てる、自分の主張を受け入れてくれるだろうという脳筋、低能感を忍ばせている。
本当に重要なことならば、若者だけに言うというのはおかしいじゃないか。
938.カルトスター
近く、大勢のカルトスターたちがこの世を去った。
彼らはただ、自己洗脳がうまく、変性意識空間を生成しやすく、相手を同調させる能力に長けていた、というだけである。
そこにはたくさんの正しいことと、たくさんの誤った結論が含まれている。
939.本当のこと
知ったところでどうすることもできないのであれば、本当のことであろうとそれ知る必要はない。
本当のことでなくても、「もしそうだと仮定した場合…」と、どうにかできる可能性を考えている方が賢明である。
940.属性の解除
問題という属性は、あくまで自我によって設定されたものである。
「自分は問題を解決できる」という確認がしたい、という意図の奥に、一体どんなものが潜んでいるのだろう?
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