アフォリズム 261-270
- 261.若い芽の取り扱い
- 262.納得とコストの膨れ上がり
- 263.試験の結果
- 264.その空間を構成する数
- 265.冒険と生活
- 266.情けない選択
- 267.若年の特権としての狂気
- 268.即効性の逆説
- 269.同調する者の不在
- 270.ただ単に遠くから眺める
261.若い芽の取り扱い
いかに天賦の才があろうとも、「それを支援する」という大人に囲われてしまった場合、大人の発想に毒されて才を失う。
262.納得とコストの膨れ上がり
ある種の人間を納得させようとすると、その資料作りが膨大なコストとなり、様々な費用に上乗せされていく。
263.試験の結果
自分が受けようと思い受けた全ての試験について、普通に考えると全て合格している方が良いと判断されるが、後の方向性の決定への影響の視点から振り返って考えると、落ちたものについては僻みなしに「落ちていてよかった」と思える。
264.その空間を構成する数
どのような空間でも、その空間を構成するものの数が多ければ多いほど、極端の先はどんどん伸びていく。
例えば、人の数が多い場所では様々な極端が成り立ち、数が少ないところでは特異性が発芽しない傾向にある。
265.冒険と生活
後に同じような生活をするのであれば、最初からリスクのないような道を辿ったほうがいいと弱者は言う。
しかし、もし仮に後に同じような生活をするのであるとしても、それならば若いうちに冒険をしておけばよいではないか。
266.情けない選択
もちろんどのような選択をしていただいても構わないが、女子供に合わせて必要以上の大人数が乗れる車を買ったわりに、若干男らしさを主張するようなデザインのものを選んだ、ということは、何重にも情けない空気が漂う。
その面構えよろしく、北斗の拳のジャギ程度の評価となってしまう。
267.若年の特権としての狂気
若年の特権のひとつは一種の健全な狂気である。
「合理性を検討しない」という非合理性が、様々な可能性を開いていく。
振り返って恥ずかしくなるようなことであっても、「振り返って恥ずかしくなることができる」ということは、その経験がもたらした気付きとなる。
268.即効性の逆説
即効性を得ようと思う場合、「即効性を望むならば急いてはいけない」という逆説を思い返して力を抜いた方が良い。
269.同調する者の不在
世間を気にせずに自由奔放に生きるのを信条としているというような者や、周りの非難を無視してでも思想などを貫くと意気込んでいる者も、あくまで少数ながら周りに同調する者がいるからこそ、そう意気込んでいられるという場合が大半である。
直接的にはそうすることができない少数の同調者たちの支えを糧にした、一種の英雄主義といったところだろう。
270.ただ単に遠くから眺める
どの種類の臨場感がどれくらい強いか、というところで印象が変わるが、単純化した感覚を遠くから眺めるようにその場を過ごせば、多少の不快な感覚はあれ、何事も大したことではなくなる。
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