ジャンボメークイン(じゃがいも)
かなり時期が経ってから育ててみることを思い立ち、じゃがいもを育てる時は切り目を入れたほうが良いということで、切り目を入れてみました。
しばらく乾燥させた後に、でかいプランターに入れて育ててみました。
ジャンボメークインを育ててみる
ジャンボメークインの切り目
但馬の方で買った「ジャンボメークイン」を食べぬままにしておくと芽が出てきたので、新居で育てることになり、半分に切ってみました。
「…」な形状になっていました。
2つに分けたジャンボメークインですが、15センチほど地中に埋めてからしばらくして地上に芽を出してきました。
その後すごい勢いで成長していきました。
そしてその後に収穫してみましたが、元のジャンボサイズのメークインにはならず、小ぶりのじゃがいもばかりとなりました。
英国から来た「5月の女王」の記憶
メークインという名前の響きには、どこか気品が漂います。そのルーツはイギリスにあり、中世の春祭りで行われる「May Queen(5月の女王)」に選ばれた少女のように美しい、あるいは5月に収穫されることから名付けられたと言われています。
男爵(ダンシャク)がアメリカ生まれの無骨な開拓者であるならば、メークインは英国の庭園で育まれた貴婦人のような存在かもしれません。その滑らかで白く長い肌は、土の中にいながらにして、どこか洗練された美意識を感じさせます。私たちは料理をする際、単に食材を切るのではなく、その背景にある歴史や品格をも扱っていると言えるでしょう。
「煮崩れない」という意志の力
メークインの最大の特徴は、長時間煮込んでも形を保ち続ける「粘質(ねんしつ)」にあります。これは植物学的に見ると、細胞同士をつなぎとめるペクチン質が多いためです。
カレーや肉じゃがの中で、男爵いもが自らの輪郭を溶かして周囲と一体化しようとするのに対し、メークインは最後まで「個」としての尊厳を保ちます。高い温度の中で他者に染まりながらも、自分自身を見失わない。その凛とした佇まいは、スープやシチューの中でこそ真価を発揮します。プロの料理人は、この崩れない性質を利用して、あえて角を立たせた美しいカットを施すこともあります。
巨大化の代償と「空洞」の孤独
「ジャンボ」と冠されるほどの大きさは、大地の栄養を一身に受け止めた証ですが、そこにはリスクも潜んでいます。急激に成長しすぎたジャガイモの中心部には、細胞の分裂が追いつかずに「中心空洞(ちゅうしんくうどう)」と呼ばれる隙間ができることがあります。
外見は立派でも、中身にぽっかりと穴が空いている。これは生理障害の一種ですが、何か哲学的な問いを投げかけられているようにも感じます。プロの目利きとしては、手に持った時の比重や、叩いた時のわずかな音の違いでその空虚を察知しようと試みます。もちろん、空洞があっても食べることに問題はありませんが、包丁を入れた瞬間の完璧さを求めるならば、大きければ良いという単純な話ではないのかもしれません。
低温が引き出す「甘み」への変容
収穫したてのジャガイモも素晴らしいですが、実は低温で一定期間貯蔵されたメークインには、別の魔法がかかります。ジャガイモは寒さを感じると、凍結を防ぐために自らのデンプンを糖に変える性質を持っています。これを「糖化(とうか)」と呼びます。
0度に近い環境で寝かされたメークインは、独特のねっとりとした甘みを帯びていきます。この状態で加熱すると、メイラード反応によって香ばしさが際立ち、まるでスイーツのような濃厚な味わいが生まれます。時間は時にものを劣化させますが、適切な管理下における時間は、素材をより高次の存在へと熟成させる力となります。
浅い「芽」に見る機能美
調理をする人間にとって、メークインの形状は慈愛に満ちています。男爵いもの窪みが深く、皮を剥くのに苦労を強いるのに対し、メークインの窪みは極めて浅く、表面は滑らかです。
ピーラー(皮剥き器)が抵抗なく滑っていくその感触には、機能美すら感じます。無駄な凹凸を削ぎ落とし、つるりとした楕円形に進化したその姿は、調理されることをあらかじめ予期していたかのような、自然界の不思議なデザインです。ただし、光を浴びて緑化した皮や芽に含まれるソラニンなどの毒素には注意が必要です。美しいものには毒がある、という教訓も忘れてはいけません。
ナス科
- ナス科ナス属 ミニトマト(プチトマト)とマイクロトマト
- ナス科ナス属 ロッサビアンコとタイなす
- ナス科キダチチョウセンアサガオ属 ブルグマンシア(エンジェルストランペット)
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