野放図への白眼視

京都という土地柄か、少しの言葉遣いの違いなどに過敏です。すぐに「なんて低俗な」とか「小癪な。何様のつもりか」という感想を持ってしまい、時に爪弾きにしてしまうという感じです。そうした言葉への感度は、デメリットとして無駄に怒りが生じてしまうと言う面もありますが、逆に言語表現が豊かになったりコミュニケーション能力を培えるというメリットもあります。

また、世間では、女性の方がコミュニケーション能力が高いという風潮がありますが、言語のみのやりとりに限定していえば、その能力が低いと考えざるを得ないケースも多々あります。

これは日常生活の実感としてくらいのものですが、以前「快活さをそしる者」で触れていたように、ツイッター並のつぶやきをメールで送ってくる人もいるくらいですからね。

受け取った側としては

「で?」

となる場合も多々あります。

相手に伝わってこその意志

コミュニケーションとは、概ね相互の意志の伝達であり、それには相手の意志を汲み取ることと、自分の意志を上手く伝えることが含まれています。そうした定義上で考えれば、お互いの意志の伝達において齟齬が生まれないようにするという配慮が含まれています。

文章能力などで考えても、自分だけが分かっている状態でいくら言葉を並べても、前提となる定義を相手が理解していなければ意志は伝わりませんし、しっかりと相手に伝えようとするならばその前提を補足として伝えたりする必要があります。

相手が不特定多数の場合は致し方ない面がありますが、一対一のコミュニケーション等々においては、いくらでも配慮することができるはずです。

他府県の某病院で連呼された「下!」という言葉

そうした中、以前かなり大きな某病院で次のようなやり取りがありました。相手は年配の女性看護師です。

ある時、家族が事故で怪我をして病院に行きました。旅行中だったので、他府県での出来事です。

治療費については保険で全てまかなえるということでしたが、ひとまず当日の治療費は立て替える形で支払っておいて、後日その分を返してもらうという段取りで話が進んでいました。

しかし、損害保険会社の担当者の方と電話でやり取りをしていると、請求書扱いでその日の治療費を支払ってくれるということで、病院から損害保険会社に請求書を送る形で対応してくれるという感じになりました。つまり、僕たちは立て替えたりしなくてよくなりました。

「…ということのようですが…そういったお話はどちらに伝えればいいですか?」という感じで、その旨を診察室近くの詰所にいた看護師の方に話してみると、

「下!」

とだけ言われました?

「は?」

と言い返しました。

「だから下!」

と言われました。

キレそうになったので、あえて聞いてみました。

「下が何ですか?」

「下で言ってください!」

「だから下ってなんですか?」

「下の階の会計窓口!」

一通りそんな感じでした。

それでコミュニケーション能力があるのでしょうか?

AIの方が優秀なくらいです。

前提知識の有無を推測できない

そのような感じで、言語表現にかなりの不足があります。

「そんなことでよくやっていられるなぁ」とすら思いました。

「前提知識の有無を推測できない」という絶望です。

「相手は前提知識を持っていないだろう」ということを予測すらできないということになります。

接客というようなものでなくても、社会においてその程度のコミュニケーション能力、言語能力で本当にやっていけるのか、と思ったしまったりします。

それでもやっていけているのは、おそらく周りのおかげではないでしょうか。ということを考えると優しい世の中です。

相手の状況を理解して言葉を選んだり詳細を説明したりする能力

まあ専門性が高まると、初心者がなぜわからないのか、どこで躓いているのか見えにくくなるということはあります。

しかしながら、そうした場合でもなるべく相手の状況を理解して言葉を選んだり、詳細を説明をしていくというのが一種のコミュニケーション能力ではないでしょうか。

そうした意味では、「おそらく相手はこの部分についてまだ前提知識を持っていない」と言う感じで相手の状況を想定すらできないのは、ただの怠惰であり傲慢です。

感情や頭に浮かんだ言葉だけをつぶやくのは一種のわがまま

対人コミュニケーションのシーンにおいて、自分の感情や頭に浮かんだ言葉だけをつぶやくというのは一種のわがままとすら言えるでしょう。

個人的な印象としては、SNSの発達を含め、メッセージでも会話文的になっていたり、短文コメントなどがありふれてきているので、今後そのような傾向はもっと増えるような気がしています。

それはそれで好きにしてもらえばいいですが、個人的には日常の全てにおいてそうしたものは相手にしないという感じで過ごしています。

前提知識が無い可能性を推測できない人たち

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