蕪(かぶ)菘・鈴菜(すずな)
蕪(かぶ)は、アブラナ科アブラナ属の越年草です。主に根菜として丸い根の部分が食用となりますが、茎や葉なども食用です。春の七草としては、大根と同じく葉の部分をさすのでしょう。 春の七草の「鈴菜(すずな)」こと蕪(かぶ)です。カブラ、カブナ、カブラナなど、いろいろな呼ばれ方をします。 春の七草としては、鈴菜(すずな)と呼ばれますが、菘と書
菜の花(アブラナ)
菜の花(なのはな)は、アブラナ科アブラナ属の花の総称ですが、主としてアブラナ・セイヨウアブラナのことを指したりします。アブラナ(油菜)は言わずと知れた菜種油の原料であり、そのまま食材として使われたりします。 アブラナ科の仲間としては、大根や蕪(かぶ)が代表的ですが、撫菜(なずな)もアブラナ科です。語るまでもなく、菜の花もアブラナ科です
宿木(やどりぎ) 寄生木
宿木(ヤドリギ、寄生木)は、 ビャクダン科ヤドリギ属の半寄生の灌木で、他の樹木の枝の上に生育するようです。セイヨウヤドリギ系の亜種らしいのですが、モノの見事に木と一体化していました。なお、宿木(ヤドリギ、寄生木)とは、広義にはヤドリギ類 (Mistletoe) の総称的な通称のようです。葉っぱは1組ずつ対になっており比較的肉厚です。ヨ
大根 清白・蘿蔔(すずしろ)
大根は、アブラナ科ダイコン属の越年草です。清白(すずしろ)、蘿蔔(すずしろ)は、大根(主に秋大根)のことですが、春の七草ということで大根の葉をさすようです。 春の七草なのに秋大根な清白(すずしろ)。蘿蔔(すずしろ)とも書かれます。旧暦では2月ですが、春でも秋でもない真冬です。 春の七草としての清白・蘿蔔は、七草ということで大根の葉をさ
サラセニア 瓶子草(へいしそう)
サラセニア(Sarracenia)は食虫植物であり、分類体系によって異なりますが、ツツジ目サラセニア科、双子葉植物綱ウツボカズラ目サラセニア科の植物です。別名は瓶子草(へいしそう)です。 サラセニアは湿地に生える多年草ということのようです。ウツボカズラはアジア圏ですが、サラセニアの分布域はカナダから北アメリカ東岸の亜熱帯域です。 まる
ガーベラ
ガーベラ(Gerbera)は、キク科ガーベラ属の多年草です。花のつき方的にたんぽぽやひまわりと同じく「キク科」という感じがしますね。白、赤、ピンク、黄色、オレンジ、緑といった種類があり、40種類以上の品種があるようです。草丈は短めで花期はだいたい4月から9月ごろの間です。 冬に枯れたと思ったら翌春に自然と生えてくることがあります。結構
ハイビスカス
ハイビスカス(hibiscus)は、アオイ目アオイ科フヨウ属の中で狭義には亜熱帯性をもつものを指すようです。挿し木で増えますが、寒さには弱いようで冬場には玄関に避難してもらいました。 比較的安価のため、越冬させることなく毎年買う人もいるようですが、それは、今現に生きているこのハイビスカスに申し訳が立ちません。 もともと暖かいところにい
セロリ
セロリ(celery)は、 セリ科オランダミツバ属の植物です。発音からセルリー、セレリィなど、その他、オランダミツバ(三つ葉もセリ科)、清正人参(キヨマサニンジン 名称の由来は肥後熊本藩初代藩主、加藤清正氏から)などと呼ばれるようです。 ヨーロッパ原産で茎は30cmから80cm近くの高さまで成長します。スーパーでもおなじみの香り高い香
大葉(青紫蘇)とえごま
「大葉(青紫蘇)」と「えごま(荏胡麻)」は仲間であり、共にシソ科シソ属です。仲間というよりもえごまは大葉の変種になります。 味や香りは異なりますが同じような形をしています。しかし、ニオイにシソっぽさはどこにもありません。 大葉(青紫蘇) 大葉(おおば)はシソ科シソ属の植物で青紫蘇(あおじそ)です。刺身に添えられたり、天ぷらなどでよく食
銀の匙の植物たち
中 勘助氏による「銀の匙」にはたくさんの植物が出てきます。昔は読み飛ばしていたようなそうした植物名が「今となっては引っ掛かる」ということで、ノート代わりに銀の匙に登場する植物たちを書き記して置こうと思います。 銀の匙を読む時、一応毎度毎度注釈を参照しながらという感じで読み進めていますが、そこには解説されていない植物もいくつかあります。
三島柴胡(ミシマサイコ)
三島柴胡(ミシマサイコ)は、セリ科ミシマサイコ属(ホタルサイコ属)の多年生草本で、元々は日当たりの良い山や野に多く生えていました(現在は絶滅危惧II類)。セリ科の多年草になりますが、葉は単葉で細い笹のような形をしており、他のセリ科のような細かな切込みは見られません。葉の長さは4、5cmから15cm程度で、少し厚みがあります。 三島柴胡
大和鳥兜(ヤマトトリカブト)烏頭(ウズ)
大和鳥兜(ヤマトトリカブト)はキンポウゲ科トリカブト属多年草。漢名は烏頭(ウズ)、生薬名は附子(ぶし)など。日本にはトリカブトの仲間は約30種あり、この属のものはすべて有毒。キンポウゲ科トリカブト属は、トリカブト属が30種、変種が22種と仔細に分類されています。 ヤマトトリカブトは、本州中央部に分布し、花は青紫~紫色または白色で、鳥兜
竜胆(リンドウ、リュウタン)
竜胆(リンドウ、リュウタン)は、リンドウ科リンドウ属の多年生植物。やや乾いた山地や高地に生える多年草で、草丈30~80cm、50cmほど茎を数本出します。花期は9~11月。「リンドウ」という名は、近縁の他品種や他種を包括して指すこともあります。かつては、疫病草(えやみぐさ、瘧草)といわれたそうです。また、苦菜(にがな)と呼ばれていたり
朮(オケラ)白朮(ビャクジュツ)
朮(オケラ)は、キク科オケラ属の多年草。古名はウケラ。オケラの地下茎を漢方で白朮(ビャクジュツ)といい、朮とその近縁種は漢方の配合薬として重要視され、健胃、利尿薬に応用されており、若芽は山菜として食用されています。元旦の屠蘇(とそ)酒(「おとそ」ですね)に入れる屠蘇散にもこれが加えられています。 朮(オケラ)は、草丈30〜100cm、
秋桜(コスモス)
秋桜(コスモス)は、キク科コスモス属の一年性草本。「Cosmos(コスモス)」はギリシャ語で、美しいという意味で、属名がそのまま標準和名として用いられており、秋桜(アキザクラ)、大春車菊(オオハルシャギク、大波斯菊)とも呼ばれます。「秋桜」は、コスモスが群生して咲く様が桜の花に似ているからそうよばれるようです。コスモスは外来植物で、種
白粉花(オシロイバナ、御白粉花)
白粉花(オシロイバナ、御白粉花)は、オシロイバナ科オシロイバナ属の多年生の草本。別名、夕化粧(ユウゲショウ)、紫茉莉(ムラサキノマツリ)ともよばれます。 日本名のオシロイバナ(御白粉花)は、果実は黒色で種皮は堅く、中にある胚乳が白く粉状で、オシロイバナの名称は、化粧に使われる「おしろい」のようであることからついたようです。なお、夕化粧
菊(キク)
菊(キク)は、キク科キク属の鉢植えなど鑑賞用として栽培される多年草で短日性植物。草丈1mほどで、やや木質。葉は有柄で卵形か卵形披針形で互生しています。基部がやや木質化した茎の頭部と葉腋に頭花をつけます。茎は時に帯紫紅色を帯びます。 白菊花、黄菊花など主流となる菊の他、観賞として改良された多種多様な菊が存在します。日本においては、主にキ
犬蓼(イヌタデ) 赤まんま
犬蓼(イヌタデ)は、タデ科イヌタデ属の一年草。俗称として赤まんま(あかまんま)、アカノマンマ、赤ままと呼ばれます。草丈は20~50cm。自生環境は、道端や野原。イヌタデの茎は紅紫色で茎の基部は横に這い、多く枝分かれして小さな集団を作ります。茎の先はやや立ち、葉は楕円形で葉先はゆるやかに細くなります。托葉鞘の縁に長い剛毛があります。 イ
彼岸花(ヒガンバナ)曼珠沙華(マンジュシャゲ)
彼岸花(ヒガンバナ)は、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草です。毒性があるため、花が美しいわりには、鑑賞用としてはあまり好まれないようです。ヒガンバナは基本的に赤の花が咲きますが、白い花のもあり、品種改良により明るいピンク、クリーム色、薄紫色、黄色などの花をつける彼岸花もあり、ヒガンバナの属名「リコルス」の名で園芸用として販売されている
秋海棠(シュウカイドウ)
秋海棠(シュウカイドウ)は、スミレ目シュウカイドウ科シュウカイドウ属の多年生草本です。球根植物で、草丈は50~60cm、茎は直立し、全体的に多汁質で、独特な葉形や草姿をしています。花弁は2枚、萼は2つ。真夏の強い日差しや、乾燥に弱いようで、どちらかと言うと日当たりよりも日陰を好む性質があるようです。別名として、瓔珞草(ヨウラクソウ)、
桔梗(ききょう)
桔梗(ききょう)は、キキョウ科キキョウ属の多年性草本。自生株はこちらも絶滅危惧II類に分類されるほど数が減少してきているようです。青紫の星型の花をつけます。 「万葉集」山上憶良の旋頭歌の「朝貌(朝顔)」は、桔梗(ききょう)とする説が有力のようでこの桔梗のようです。ですので、桔梗(ききょう)は秋の七草のひとつです。 朝顔は中国から持ち込
朝顔(あさがお)
朝顔(あさがお) は、ヒルガオ科サツマイモ属の一年性植物。 アサガオはつる性で高温を好む植物で短日性。葉は広三尖形で細毛をもち、花は大きく開いた円錐形で、5枚の漏斗状の花弁は融合しており、萼が5つ、雄蕊が5つ、雌蕊が1つ。真夏に開花します。小学校の時によく育てたりしますね。 なお、昼まで咲いているのは昼顔(ひるがお)です。 朝顔の葉の
藤袴(ふじばかま)
藤袴(ふじばかま)は、キク科ヒヨドリバナ属の多年草。秋の七草の中で唯一の外来植物であり、中国からの帰化植物のようですが、いまや絶滅危惧II類に分類されるほど数が減ってきているようです。淡い紫紅色の小さな花がつきます。弁の形が筒状で袴のようなので、フジバカマと呼ばれるようです。かつては蘭や蘭草、「らに」と呼ばれたこともあるようです。 フ
女郎花(おみなえし)
女郎花(おみなえし)は、オミナエシ科オミナエシ属の多年草 。敗醤(はいしょう、おほつち)、チメグサなどとも呼ばれるようです。全草や花単体は生薬としても用いられるようです。解熱・解毒作用があるようです。オミナエシには黄色く細かい花が咲きます。 オミナエシは、合弁花類で、草丈は60-~1m。花期は8~10月。五弁花で、雄蕊は4つ、雌蕊は1
撫子(なでしこ)
撫子(なでしこ)は、ナデシコ科ナデシコ属カワラナデシコです。蘧麦(きょばく、瞿麦(くばく))ともよぶようです。その他、撫子は、形見草(かたみぐさ)、日暮草(ひぐれぐさ)、懐草(なつかしぐさ)など多くの呼ばれ方があります。古名では「常夏(とこなつ)」と呼ばれたようです。 ナデシコ(撫子) ナデシコ科ナデシコ属 ナデシコ(なでしこ、撫子、
葛(くず)
葛(くず)は、マメ科クズ属のつる性の多年草。根から葛粉や漢方薬が作られます。奈良に行くと葛粉がたくさん売っていますね。もちろん葛根湯の葛根は字のごとく葛の根です。根を細かく刻んで蒸して食べることができるため、かつては救荒植物として飢饉の時に活躍したようです。葛の花にもイソフラボンが入っていて生薬として使われるようです。 クズの自生環境
芒(すすき)尾花(おばな)
芒(すすき、薄)です。イネ科ススキ属ですね。茅(かや、萱)とも呼ばれるようです。茅葺き屋根の茅ですね。他に茅とよばれるものには、チガヤ、スゲなどで、細長い葉と茎を地上から立てるイネ科ばかりのようです。夏から秋にかけて茎の先端に十数本にわかれた花穂をつけるようです。秋になるとお花屋さんにも並びます。野原に生息し、ごく普通に見られる多年生
萩(はぎ)
萩(はぎ)は、マメ科ハギ属の背の低い落葉低木です。秋の七草としては、ヤマハギ節のヤマハギかニシキハギ、マルバハギのようです。「萩」が、草冠に秋ですから、まさに秋を代表する植物ですね。落葉低木ですが、茎は木質化して固くなるものの、年々太くなって伸びるようなことはなく、根本から新しい芽が毎年出るので、木というよりも草っぽいですね。直立はせ
野薊(のあざみ)
野薊(のあざみ)は、キク科アザミ属の多年草。茎の高さは50cm~1m。花期は5~8月で、薊の仲間は真夏から秋によく咲くそうですが、野薊は初夏に咲くようです。土手などで赤紫の花を咲かせます。葉は羽状に中裂し、縁に棘があります。茎葉の基部は茎を抱き、花期にも根生葉は残るようです。花(頭状花序)は筒状花のみで構成されており、直径は5cm程度
三葉(みつば)
三葉・三つ葉(みつば)は、セリ科ミツバ属の多年草で、山地の日陰(林内)に自生します。草丈は40cm。開花期は6 ~8月です。名前の由来はもちろん葉が三枚であることから。 三葉の葉の形状は卵形で先が細くなり尖っており、互生し、3出複葉です。縁にはぎざぎざとした重鋸歯があります。セリ科には珍しく、花序は傘状には広がりません。 三つ葉の花(