老婆心からの両天秤

機関投資家レベルでよほど大きなお金を動かすのでない限り、リスク分散のためにポートフォリオを組むという感じはあまりおすすめはできません。手間がかかるだけだったりしますし、規模が小さいとそんなにリスクの分散効果はないからです。

ポートフォリオというと、金融の世界では分散投資のようなことを意味します。様々な金融商品の組み合わせて、様々な市場の情勢などが変動した時のリスクに備えるというようなものがその目的になります。

一応基礎理論的な感じでそうした考え方を教えてくれたりするのでしょうが、何だかんだで対象を広げすぎることはどのような分野でもあまり良いやり方ではないと考えています。

リスクの分散というよりも対象を広げることで高まるリスク

かなり前のことですが「事業の多角化」的な感じがおすすめされていた時もありました。しかし、それで上手くいっている人はあまり見たことがありません。

元々リスク分散のためのポートフォリオの組み方の基本としては、ある業界や市場が傾いた時に、逆に上がるであろう業界や市場などにも一定の投資をしておくという感じだったりします。

事業においても、変に本業のリスク予防のために多角化なんてなことを言う人もいますが、だいたいは新規事業のほうが潰れ、損失を出したりして終わっています。全然リスクの分散になっていないのです。

理屈の上では様々な分野に分散させた方がリスクも分散するというふうに捉えられそうなものですが、事業の多角化等々においては、分散の矛先が近い場合はリスクの分散として弱く、逆に畑違いであれば「素人なのでうまくいかない」という感じになります。

「人余り」から代理店に

稀にリスクの分散とか経営の多角化みたいなフレーズに酔うようにいろいろなことに手を出しているベンチャー企業などがありますが、単に人が余っていてやることがなく、どこかの代理店のようなことをし始める程度だったりします。

一見手広く事業を展開しているように見えますが、よくよく観察すると、本業として始めた事業において、事業規模、収益構造の天井が見えてきて(本来は天井でもないのですが)、会社にいるメンバーのやる仕事がなくなってきた、ということで、どこかの会社の営業代行とか、代理店とか、フランチャイズ的なものとかそうしたものに手を出して「人余りの解消」をしているだけだったり、ということもよくあります。

こうしたケースにおいては、本来事業をスリム化するということも視野に入るはずですが、メンバーが元々友達だったり先輩後輩だったりするので、感情的にそうしたことができません。なので苦肉の策として、よくわからない会社の営業代行などに手を出したりするという感じになっています。

商いと屏風は広げすぎると倒れる

昔から、商いと屏風は広げすぎると倒れるなんてなことが言われたりします。

何だか「リスクの分散」という響きが安心感をもたらすような言葉なので錯覚してしまいがちですが、分散させようがどれかがコケた時にその他のもので損失の大半をカバーできたりする構造になってもいない、という感じのことがほとんどです。

本来はある分野が不況になった時にでも影響を受けない分野とか、逆に好況になるような分野に手を出しておくことでリスクを分散させるというようなことになりますが、そうなるとその「分散のための分野」は畑違いなので、先行者に飲み込まれて終わり、ということが起こりやすくなっています。

もちろん考え方の一つとして知っておく分にはいいですが、それほど単純なことでもないので、下手に分散させるよりも一番得意なものに集中していたほうが、結局より高い利益が出たりするという感じです。

株式投資等々の金融資産においては、基本的に売り買いだけなのでそうした分散がしやすいですが、事業においては関係する要因が多くて煩わしいだけになってしまうのではないか、と思ったりします。

個人的にはそう思っていますが、「分散させるほうが気持ちが安心して楽になる」という感じでその方がうまくいくという人もいるのかもしれません。

でも投資であれ、事業であれ、短期的な動きで意識が振り回されてたりしているようでは、おそらくうまくいきません。

ありがた迷惑…

ついでなのでありがた迷惑について触れておきましょう。

さて、生きていると本当に信じられないようなことが起こることがあります。

我が父のことですが、養子のうさぎがまだまだ元気だった頃、松花堂弁当に入っていた「紅葉型の煮物の人参」を与えようとし、養子にそっぽを向かれた挙げ句僕に、「おーい。うさぎやのに人参食いよらへんぞ」などと言ってきたことがあります。

「どこの世界にダシのきいた人参食ううさぎがおんねん」

と、返しておきました。

「んー…そうかぁ」

と微妙にまだ不思議がっていたところが絶望的です。

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