PCリースにおける情報弱者へのぼったくり

比較的最近のことですが、父が所属する某団体のコスト削減について父から相談を受けたので、会計報告等々をチェックしてみたときのことです。

事務員さんが使うPC6台のリース費用と会計ソフトの更新費用、たまに来る保守点検費用で年間いくら取られていたか、というところにびっくりしたのですが、なんと年間600万円です。

開発や研究に使うような特殊なコンピュータというわけではありません。Windowsが入っているような普通のPCです。

どうやら「OA機器を揃えますよソリューション系」の上場企業が相手だったようですが、さすがに「情報弱者へのぼったくり」としか思えません。

父の所属する団体は、高齢者ばかりのため、情報に疎いというのは致し方ありません。そうした点をついたのか、前の役員が裏でお金を受け取っていたのかはわかりません。

が、ひとまず会計ソフト付きのPC一台に年間100万円程度使い、それを5年契約していたようでした。

単純計算で5年間で3000万円のコストです。

WindowsのPCでオフィス系が入っているようなものを新品で買ったとしても、何台買えるでしょうか?

「5年間で3000万円ですね」

と言われたら、

「そうですか、ではそれでお願いします」

と言える人がどれくらいいるでしょうか?

一応毎年会計報告はあったようですが、コンピュータに疎い高齢者の方ばかりだったため、この点をつついた人は一人もいなかったそうです。もちろん自分たちにわからない点は変につつかない方がいいという感じになりますし、「ではどうすれば良いのか?」と問われた時に言い返すことも厳しいという方々ばかりです。

わからないにしても、ちょっと詳しい20代か30代の人をつかまえてきて、アドバイスを貰って報酬を渡すくらいの方が理に適っています。

ぼったくり感があまりにひどすぎたため、今後もリースにするということであっても数社から相見積を取るように勧めておきました。

リースやサポートの内容にもよりますが、やはりどうあがいても1/4~1/5程度になるようでした(会計ソフトだけ更新して、基本的に買ったほうが安いような気がするのは僕だけでしょうか)。

設置・設定やトラブル時の復旧に関しても、PCショップ等々に依頼すればもっと安価に対応してくれるはずです(6台のPCと会計ソフトの設置程度で、元予算が5年で3000万円ですから)。

で、このサービスを提供していたのが上場企業というのが笑ってしまいます。

こんな情報弱者へのぼったくり行為をしておいて、社会においては「あそこの旦那さんは上場企業に勤めていらっしゃるのよ」などと評価されていたりするというような点は笑うしかありません。

もしかすると、こんなことは氷山の一角であり、全国的に「高齢者が多く情報に疎い」というような組織においては同様にぼったくられているのかもしれません。

それを防ぐにはやはり、組織の上に立つ高齢の方々が、自分たちのわからない点について「素直に若い人に頼る」というのが一番であると考えることができます。

立場上バイト君でも「コンピュータにある程度強い」というようなことは大いにありえます。短期的にででも良いので、きちんとした報酬と待遇を準備して、職場環境を整えるという事をしておいたほうが結果的に組織全体のためになります。

例えば、5年間で3000万円のコストだったようなものを300万円単発で整えることができるのであれば、2700万円浮きます。貢献した人に報酬を渡して、全員のボーナスを増額して、さらに社員旅行にでも行けば良いと思います。

ということで、「こんなぼったくりの契約は今後やめなさい」と提案をした僕もコンサルティングフィとして2000万円くらいはもらってもおかしくありません。

でも1円ももらっていません。

もらうようなことでもありません。

しかし、現実にコストカットに大きな一石を投じたことは事実です。

簡単なことですが大きなお金が動きます。

もし300万円で5年間の事務に関する6台のPC環境を整えたとすれば、2700万円浮きます。アドバイスに2000万円払ったとしても団体としては700万円浮きます。

なので、2000万円くらいは受け取る価値があるはずです。

(報酬に関する考え方でブレーキが掛かる時は、そんなことを思い浮かべてください)

さて、事務員さんが使うPC6台と会計ソフト、オフィスソフト、トラブル時の復旧くらいのことであれば、どれくらいでできそうでしょうか?

そんなことくらい何も大した知識がなくても考えることができます。

会計ソフトは一台だけ、オフィスは互換ソフトというのでも特に問題はないかもしれません。実際に使用するのが5年間だけで良いのであれば、状態の良い中古PCでも問題なさそうです。

いくらくらいでできそうでしょうか?

上場企業に言わせると、3000万円かかるそうです。

「情報弱者へのぼったくり」

としか言いようがありません。

Category:IT &Internet パソコンとか通信とか

「PCリースにおける情報弱者へのぼったくり」への2件のフィードバック

  1. bossuさん
    こんにちは。相駆らわず苦しい日々が続く中、少しでも心を落ち着かせたくbossuさんのブログへお邪魔させて頂きました。知能の低い当方にとってはなかなか難解なお話も多いのですが、それが却って辛いことから逃れられるようで助かります。
    しかしこちらのお話ですが、なんという金額でしょう。もはや詐欺と言ってもいいくらいです。「知らない」と言うこと、その中でもお金が関わることには非常に危ない面があると感じます。”たまに来る保守点検”とは何をするのでしょう^^;、パソコンの更新とかでしょうか。bossuさんの無償の顧問料で大きな経費削減ですね。
    ミモザ、bossuさんも書かれていましたが、もうそんな季節だったのですね。また睡眠不足やふらつきがおありとのこと。ふらつきは塩分が原因と言うことでしたが、睡眠不足は余所からの影響によるものでしょうか。自身が余所からの影響の為、非常に気になってしまいます。bossuさんがそうで無ければ良いのですが。

    1. コメントどうもありがとうございます。
      睡眠不足については、一時的な業務的によるものや近隣の解体工事等々の影響であり、一過性のものです。
      さて、「たまに来る保守点検」ですが、事務員さんたちとしては「何をしているのかわからない」といった感じの作業のようでした。
      数人でやってきて何かPCの裏の配線あたりを見たり等々、といった程度のようで、客観的に考えるとそれは一種の演技のようにしか思えません。

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