宅地造成で新しい道

世の中には一見不可解な構造や状態に見えるものがたくさんありますが、社会生活の中でふと思うそれらは、結局税を含めた法律やお金的な合理性などが絡んでいたりします。

結局割に合うか合わないかとか、許認可や税の関係などによって、傍目からは不可解な構造になっているもの、不可解な形で放置されているものなどがちらほらあったりします。

ということで「割に合わない」ということから放置されている不動産や許認可や税の関係で起こる不可解な構造等々について触れていきましょう。

造成費用が高く、割に合わない

先日、知人が先祖から受け継いだ田んぼを造成した上で宅地として売却するか否かということを別の知人の不動産関連の方に相談している場に出くわしました。結局造成に何千万円もかかるので、現状の近隣の土地の価格の相場から考えて、今は検討し直したほうがいい、ということになったようでした。

そんな感じで休眠状態にある田畑というものも結構あるようですが、僕は不動産関連に手を出す気はないので、詳しくは知りません。

まあそんな感じで、田んぼとして米を作っている気配もなく、かといって宅地になる気配もないという場合もありますが、それは単に「造成費用が高く、割に合わないから」という理由だったりもするわけです。

ボロ屋が放置されている背景

誰も住んでいないボロ屋が放置されている背景には、更地にした方が固定資産税が高くなるからというような理由があります。

瓦が落ちてきそうなほどのボロボロの家屋に対して「崩れそうで危なそうだから解体すればいいのに」と思ったりすることがあります。が、場合にもよりますが、そうした「税金の絡みがあるゆえに放置されている」ということになります。しかし一方、別の側面として過失傷害のリスクもあるので、放置されずに対処がなされるということもあるでしょう。

(京都では、「著しい管理不全状態にある空き家に係る代執行の実施」という取り扱いもあるようですし、また非居住住宅利活用促進税(空き家税)というものを導入するようです)

許認可や税の関係で起こる不可解な構造

それと同じように、不可解な形でゲーム機が置いてあったり、自販機が設置されていたりということもあります。これらは、許認可や税の関係でそうなっている、という感じになりますが、そうした目線で見ない限り変な感じがしてしまいます。

酒類を提供するための建前

また、結構有名ですが、飲食店においては、酒類を瓶や缶のまま提供しないということがあります。瓶ビールであっても栓を抜いて渡すという感じです。

これは栓を抜くことが調理となり、こうすれば酒屋さんなどが所持している酒の販売の資格である酒類販売業免許を必要とせずに酒を提供できるという、すり抜けのような「酒類を提供するための建前」ということのようです。

なので、売店で地酒や地ビールを販売しているような旅館やホテルであれば、免許を持っていたりするということになるのか、そうした旅館やホテルにおける宴会では栓付きで出てきたりします。詳しくは知りませんが、きっとそんな感じなのでしょう。

通帳発行の印紙税

また、銀行は通帳発行に印紙税がかかるので、今ではどうなのかは知りませんが、銀行によっては通帳なしを条件にネットバンクを無料とし、通帳ありならネットバンクを有料としたりしています。なお信用金庫や労働金庫などは印紙税がかかりません。

この印紙税に関しても、単なる利用者側としては、興味関心もなさそうなことになりますが、銀行側としては結構な費用になっています。「今の時代はネットで完結がスマート」という、時代的な風潮だけが理由ではなく、こうした泥臭いコストの面からそれが推進されているという背景があったりもします。

銀行の合併においても、二つの銀行の通帳をそれぞれ持っている人がいたとして、合併後は通帳が一つにまとまるので、印紙税は単純に半分になります。というような地味なコストの問題も少なからず影響しているという側面もあるわけです。

「なんか変だなぁ」と思う目線を持つと、そうした謎がどんどん見えてきます。まずは違和感に着目することから始まりますが、知人にその業界関連の人がいたりした場合に「なんでなんですかね?」と聞いたりすると、唾を飛ばす勢いで延々と語ってくれたりして、どんどん謎が謎ではなくなっていきます。

本を読むこともいいですが、そんな感じでリアルな題材を元に専門分野にいる人に話を聞くというのもまた、結構面白みがあります。

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