気づかれないままでは破壊しない

そもそもは認識の誤謬、錯覚というものから起こる悲劇ばかりですが、単純に日常のモヤモヤというものは、奥深くに眠っている「何か」が引っかかっていることがほとんどです。怒りの本音で触れましたね。錯覚がなくなればすべてがガラッと変わり、一気に消えますが、それは少しハードルが高いのかも知れません。

トラウマはそれが何かがわからないからトラウマと呼ぶのと同じように、無意識レベルでの心配事などなど、その奥にあるものがなかなか見えません。

理由が見えにくいモヤモヤ

モヤモヤは自分が意識して思っている思い込みによるものもありますが、自分では忘れているような経験や、本能的な危険予測もあります。それは普通に過ごしていては見つけることすらできません。

そんな感じで「理由はわからないがなぜかモヤモヤする」とか「意味なくイライラする」ということが起こったりします。

「何故かイライラする」といった感じで、友人の細君がこの手で何人か発狂し、実家に帰ってしまったケースもあります。

医者は医者ですぐに「心因性」という逃げ口を使いますが、何の説明にもなっていませんね。心因性と言っても、心(といっても受け取る働きではなく意識の方)のどんな所が原因となっているのか、という説明がありません。

見逃しがちな身体からの影響

さて、心の問題ということで軽視されがちなのが、身体からの影響です。身体からの影響を侮ってはいけません。

体は、エネルギーや酸素が不足しただけでも意識にかなりのダメージを与えてきます。環境による負荷、つまり環境ストレスも大きな要因の一つです。暑いだけでイライラし、寒いだけでテンションが下がるのですから当然です。

水分不足や塩分不足、日照りの影響

暑い寒いといったことももちろんですが、水分不足や塩分不足でもフラフラになったりします。頭痛の原因は単なる水分不足のせいだったということもよくありますし、力が出ないということの原因は単なる塩分不足や糖分不足だったということもよくあります。

また、見落としがちなのが日照です。ある程度の光というものも、気持ちに影響を与えます。紫外線による皮膚へのダメージばかりが論題に上がるので、避けがちですが、紫外線云々よりも、活き活きしている方が大切です。日に当たらずに文字通り陰気なままでは肌もテンションが下がります。

要らぬ思い込みで自作自演

そんな環境による身体からの影響があまりないのにモヤモヤが止まらない時は、意識の中で何かをごまかしているか、要らぬ思い込みの自作自演で苦しんでいるだけです。

たとえば、「嫁より自分のほうが偉いはずなのに、嫁は自分を敬わず、息子は自分を優遇してくれない」などという体育会系思想があると、勝手に自爆します。

そこで取る態度、つまり対策としての行動は、なんとか自分の地位をあげるために、嫁の価値を下げ、相対的に自分を持ち上げようとすることです。思い込みによる自作自演で苦しみ、当の周りの人からは嫌われていくのだから、さらに苦しみが増します。

そんな「嫁よりも偉いはず」という思想はどこから来て、何を根拠に思っているのかよくよく考えてみたほうがいいでしょう。

ただ、そんなことを表に出すと「恥ずかしい」と思いながら、良い姑などを演じていて、さらに進んで「根拠なし」と分かったとしても、まだ、根治には至りません。

なぜならば、「自分はかつて自分の姑にそうされてきたのに、こいつはそうされない」という「自分だけ損をした」という思いがあるからです。

「目の前の現象」と「記憶」

しかしそれは記憶によるダメージです。今はそんなものはありません。それも今現在、頭の中でだけ起こっていることで、目の前の現象には関係ありません

いつまでも残るモヤモヤは、深く深くまで探っていかねば見つからない、そして破壊することもできません。

葉っぱを摘み取ったり、幹の切り口に塗料を塗って葉が生えないようにしても、結局他の場所から枝や葉っぱは出てきます。 最終的には「根こそぎ」しかありません。根がなくなれば、葉っぱを摘み取ったりする労力もいりません。

気づかれないままでは破壊しない 曙光 435

Category:曙光(ニーチェ) / 第五書

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