モウセンゴケ
モウセンゴケ(毛氈苔)は、ナデシコ目モウセンゴケ科モウセンゴケ属の食虫植物です。苔(コケ)という名称がついていますが、種子植物であり苔ではありません。 モウセンゴケは、葉の粘毛から粘液を出して虫を捕らえます。先端から甘い香りを持つ粘液が出ます。 モウセンゴケの分類 分類としては、四季のあるエリアで冬芽を形成するタイプと亜熱帯などで冬芽形成をしないタイプ、増殖芽(ムカゴ)を形成するタイプ、塊茎を形成するタイプ、塊根を形成するタイプがいるようです。 同じ粘着式で捕虫する植物にムシトリスミレがいます。 学名:Droser
奇想天外(キソウテンガイ) ウェルウィッチア
奇想天外(キソウテンガイ)こと「ウェルウィッチア」は、アフリカ南部の西海岸、ナミビアからアンゴラにかけてのナミブ砂漠にだけ生息する1科1属1種固有種で、 グネツム目ウェルウィッチア科ウェルウィッチア属の裸子植物です。ナミブ砂漠の南北約1200km、東西は海岸より10kmから150kmの間にのみ生息し、最高齢は2000年程度と推測される個体もあり、非常に長生きな植物です。 ウェルウィッチアは、1859年9月3日に、オーストリアの探検家フリードリヒ・ヴェルヴィッチュ氏によってアンゴラ南部で発見され、4年後にジョセフ・ダ
ムシトリスミレ
ムシトリスミレ(学名:Pinguicula vulgaris)はタヌキモ科ムシトリスミレ属(ピンギキュラ(ピングイクラ)属)の食虫植物で、捕虫方法は粘着式です。葉の表面や花茎から粘液を分泌して小さな虫を捕らえます。なお、虫取菫と表記されることもあるようです。 花がすみれに似ていることからスミレという名称がついていますが別種です。高山の岩などに生えています。日本では北海道から四国にかけて分布しているようです。 日本では高山地帯に分布しており、南北アメリカ大陸、ヨーロッパ、中国やチベット地方と世界中広範囲に分布していま
水仙(スイセン) 原種水仙と越前水仙
水仙(スイセン)は、ヒガンバナ科スイセン属(ナルキッスス属)の球根植物であり、主に冬に白や黄色の花を咲かせる多年草です。草丈は50センチ程度で、花は独特の香りを持ちます。なお、ヒガンバナアルカロイドという毒性があるため全草が有毒です。 水仙(スイセン)の学名は「Narcissus」、ナルシストの語源であるナルキッスス(ナルキッソス)です。水仙には、ニホンスイセン、ラッパスイセン、キズイセン、クチベニズイセン、カンランズイセンといった分類がありますが、ここでは原種水仙と越前水仙(ニホンスイセン)について触れていきます
君子蘭(クンシラン)
君子蘭(クンシラン)は南アフリカ原産のヒガンバナ科クンシラン属の常緑性多年草です。ということで、名前に蘭(ラン)がついていますが、ラン科ではありません(ユリ科に含められることもあるようです)。葉は結構しっかりしていて、やや赤寄りのオレンジ色の花を咲かせます。 この君子蘭(クンシラン)は、学名からクリビア(Clivia)と呼ばれたりもします。一般的なクンシランは、花が上を向いて咲くウケザキクンシラン(学名:Clivia miniata クリビア・ミニアタ)を指します。元々はクリビア・ノビリス(Clivia nobil
芥藍(かいらん)・芥藍菜
芥藍(かいらん)は、中国原産のアブラナ科アブラナ属の緑黄色野菜です。ブロッコリーやカリフラワーの仲間であり、スーパーでは芥藍菜(かいらんさい)として売られています。 もちろんキャベツやケールとも仲間なのですが、形状的にはブロッコリーが最も近く、別名はチャイニーズブロッコリーです(なお、学名は、Brassca oleracea var.alboglabra)。 芥藍の葉は深い緑で茎はやや薄めの緑という感じです。茎はブロッコリーで葉はケールといった感じでしょうか。 極太のアブラナという感じもします。 芥藍の花 例のごと
小鬼田平子(コオニタビラコ)
小鬼田平子(コオニタビラコ)はキク科ヤブタビラコ属の越年草です。こちらはキク科の方の仏の座(ホトケノザ)です。タンポポ系ですね。 小鬼田平子(コオニタビラコ)の草丈は10cm程度で、ロゼット状に葉を地面から這うように生やします。葉の形状は羽状複葉です。水田、あぜ道等の湿地によく生えているようです。 学名:Lapsana apogonoides Maxim 春の七草における仏の座(ホトケノザ) 小鬼田平子(コオニタビラコ)は、春の七草として、「仏の座」として扱われます。が、この植物は、正式には、タビラコ(田平子)、コ
葉束 うさぎへのプレゼント
「プレゼントとして花束があるのなら、葉束というのはいかがだろうか?」ということで考案した、養子のうさぎへの誕生日プレゼントの「葉束」。 うさぎが食べることのできる野菜や香草をふんだんに。 うさぎ用葉束2014 2014年は、パセリ、セロリ、青梗菜(チンゲンサイ)、芹(せり)、春菊、みつば、サニーレタス、菜の花、バジル、水菜、壬生菜など。 花より団子ということで、うさぎとしては、花束より葉束のほうがいいだろうという感じで大好きな野菜をふんだんに使用しました。 うさぎ用葉束2015 2015年の葉束。真っ先にかぶりつい
平茸(ひらたけ)と「しめじ」
横から見た平茸(ひらたけ)。ヒラタケというだけあって他のきのこと比べて平面的です。きのこの分類上、平茸(ひらたけ)は、ヒラタケ科ヒラタケ属であり、ブナシメジはシメジ科シロタモギタケ属、本シメジはキシメジ科シメジ属(ダイコクシメジ・大黒占地)ということで全く異なる種のようです。 「エイ」のような形をしていますね。 鳥が羽ばたいているようにも見えます。 もりのキッチンきのこ ひらたけ(しめじ)を栽培 もりのキッチンきのこ ひらたけ(しめじ) 家庭菜園きのこシリーズということで、きのこ栽培キット「もりのキッチンきのこシリ
アッツ桜(ロードヒポキシス)
アッツ桜(あっつざくら・ロードヒポキシス)はキンバイザサ科ロードヒポキシス属の植物です(学名はRhodohypoxis baurii)。 南アフリカ原産(南アフリカ共和国ドラケンスバーグ山脈周辺の高原のようです)の半耐寒性球根植物になります。なお、ロドヒポキシスと表記されることもあります。 花は星形の6弁花で、葉には軟毛があります。春植えの球根植物です。 アッツ桜(ロードヒポキシス)の花 アッツ桜の開花時期は春から初夏くらいと言うことで、このアッツ桜は4月末頃~5月に開花しています(地域によって変わると思いますので
蕪(かぶ)菘・鈴菜(すずな)
蕪(かぶ)は、アブラナ科アブラナ属の越年草です。主に根菜として丸い根の部分が食用となりますが、茎や葉なども食用です。春の七草としては、大根と同じく葉の部分をさすのでしょう。 春の七草の「鈴菜(すずな)」こと蕪(かぶ)です。カブラ、カブナ、カブラナなど、いろいろな呼ばれ方をします。 春の七草としては、鈴菜(すずな)と呼ばれますが、菘と書かれることもあります。 蕪(かぶ・かぶら)はアブラナ科アブラナ属なので春の七草のひとつである大根(清白・蘿蔔)の親戚ですね。下部は大根の親戚ということで、同じように根の部分が可食部にな
菜の花(アブラナ)
菜の花(なのはな)は、アブラナ科アブラナ属の花の総称ですが、主としてアブラナ・セイヨウアブラナのことを指したりします。アブラナ(油菜)は言わずと知れた菜種油の原料であり、そのまま食材として使われたりします。 アブラナ科の仲間としては、大根や蕪(かぶ)が代表的ですが、撫菜(なずな)もアブラナ科です。語るまでもなく、菜の花もアブラナ科ですので、カルシウムなどが多いため、うさぎには大量には食べさせない方がよいでしょう。 なお、アブラナは、青菜(アオナ)と呼ばれたり菜の花(ナノハナ)と呼ばれたり、菜種(ナタネ)と呼ばれたり
宿木(やどりぎ) 寄生木
宿木(ヤドリギ、寄生木)は、 ビャクダン科ヤドリギ属の半寄生の灌木で、他の樹木の枝の上に生育するようです。セイヨウヤドリギ系の亜種らしいのですが、モノの見事に木と一体化していました。なお、宿木(ヤドリギ、寄生木)とは、広義にはヤドリギ類 (Mistletoe) の総称的な通称のようです。葉っぱは1組ずつ対になっており比較的肉厚です。ヨーロッパや西部・南部アジアが原産のようです。 宿木の葉っぱをよく見るとおもちゃのヘリコプターのプロペラのような形状をしており、革っぽいというよりも、おもちゃに使われるラバー系の素材っぽ
大根 清白・蘿蔔(すずしろ)
大根は、アブラナ科ダイコン属の越年草です。清白(すずしろ)、蘿蔔(すずしろ)は、大根(主に秋大根)のことですが、春の七草ということで大根の葉をさすようです。 春の七草なのに秋大根な清白(すずしろ)。蘿蔔(すずしろ)とも書かれます。旧暦では2月ですが、春でも秋でもない真冬です。 春の七草としての清白・蘿蔔は、七草ということで大根の葉をさすようです。なお、大根の葉は、うさぎの大好物です。大根には春大根と秋大根がありますが、どちらも言わずと知れた食材であり健康食です。 大根の根は一応土の中にあるので根ですが、栄養を貯めて
サラセニア 瓶子草(へいしそう)
サラセニア(Sarracenia)は食虫植物であり、分類体系によって異なりますが、ツツジ目サラセニア科、双子葉植物綱ウツボカズラ目サラセニア科の植物です。別名は瓶子草(へいしそう)です。 サラセニアは湿地に生える多年草ということのようです。ウツボカズラはアジア圏ですが、サラセニアの分布域はカナダから北アメリカ東岸の亜熱帯域です。 まるでZ会を象徴するかのような風貌です。血管まで浮き出ているというリアルさです。 植物のため全体は黄緑系の薄い緑であり、もちろん他の食虫植物と同様に光合成で生きていくこともできますが、サラ
ガーベラ
ガーベラ(Gerbera)は、キク科ガーベラ属の多年草です。花のつき方的にたんぽぽやひまわりと同じく「キク科」という感じがしますね。白、赤、ピンク、黄色、オレンジ、緑といった種類があり、40種類以上の品種があるようです。草丈は短めで花期はだいたい4月から9月ごろの間です。 冬に枯れたと思ったら翌春に自然と生えてくることがあります。結構生命力が強く、花束などでよく使用される花ながら野性的なので、そういうところが魅力的です。 一般的にガーベラの花期は春から初秋のようですが、我が家のガーベラは12月や1月といった真冬に開
ハイビスカス
ハイビスカス(hibiscus)は、アオイ目アオイ科フヨウ属の中で狭義には亜熱帯性をもつものを指すようです。挿し木で増えますが、寒さには弱いようで冬場には玄関に避難してもらいました。 比較的安価のため、越冬させることなく毎年買う人もいるようですが、それは、今現に生きているこのハイビスカスに申し訳が立ちません。 もともと暖かいところにいたのをわざわざ観賞用にと劣悪な環境に追いやるわけですから、自らの手で死を早めるようなことはしたくありません。 それでは我が家のハイビスカス、八重咲きと一重咲きのハイビスカスのご紹介です
セロリ
セロリ(celery)は、 セリ科オランダミツバ属の植物です。発音からセルリー、セレリィなど、その他、オランダミツバ(三つ葉もセリ科)、清正人参(キヨマサニンジン 名称の由来は肥後熊本藩初代藩主、加藤清正氏から)などと呼ばれるようです。 ヨーロッパ原産で茎は30cmから80cm近くの高さまで成長します。スーパーでもおなじみの香り高い香味野菜であり、セロリスティックとしてそのまま食されたりサラダに添えられたりということが多いですが、スープやソースに使用されたりもします(我が家ではセロリは積極的なソース作りの際に使用し
大葉(青紫蘇)とえごま
「大葉(青紫蘇)」と「えごま(荏胡麻)」は仲間であり、共にシソ科シソ属です。仲間というよりもえごまは大葉の変種になります。 味や香りは異なりますが同じような形をしています。しかし、ニオイにシソっぽさはどこにもありません。 大葉(青紫蘇) 大葉(おおば)はシソ科シソ属の植物で青紫蘇(あおじそ)です。刺身に添えられたり、天ぷらなどでよく食されます。 大葉は青紫蘇ということでシソ科になりますが、シソ科の繁殖力は凄まじいものがあります。かなり前に大葉の苗ポットをもらって育て始めてからというもの、何もせずに毎年のように大葉が
銀の匙の植物たち
中 勘助氏による「銀の匙」にはたくさんの植物が出てきます。昔は読み飛ばしていたようなそうした植物名が「今となっては引っ掛かる」ということで、ノート代わりに銀の匙に登場する植物たちを書き記して置こうと思います。 銀の匙を読む時、一応毎度毎度注釈を参照しながらという感じで読み進めていますが、そこには解説されていない植物もいくつかあります。植物そのものも登場したりしますが、「柄」や「色」加工物として名称が出てくるものもあります。 それらも含めて残しておいた後、また道端で発見したり植物園などで展示されていたりしたらそれらを
三島柴胡(ミシマサイコ)
三島柴胡(ミシマサイコ)は、セリ科ミシマサイコ属(ホタルサイコ属)の多年生草本で、元々は日当たりの良い山や野に多く生えていました(現在は絶滅危惧II類)。セリ科の多年草になりますが、葉は単葉で細い笹のような形をしており、他のセリ科のような細かな切込みは見られません。葉の長さは4、5cmから15cm程度で、少し厚みがあります。 三島柴胡(ミシマサイコ)の草丈は30~50cm、長いもので70cmほどになります。茎は直立で、葉は広線形ないし線形で互生し、葉身は披針形です。花期は8~10月。花期には小さな黄色の花を多数咲か
大和鳥兜(ヤマトトリカブト)烏頭(ウズ)
大和鳥兜(ヤマトトリカブト)はキンポウゲ科トリカブト属多年草。漢名は烏頭(ウズ)、生薬名は附子(ぶし)など。日本にはトリカブトの仲間は約30種あり、この属のものはすべて有毒。キンポウゲ科トリカブト属は、トリカブト属が30種、変種が22種と仔細に分類されています。 ヤマトトリカブトは、本州中央部に分布し、花は青紫~紫色または白色で、鳥兜という字のごとく、その形が鶏冠っぽいことからトリカブトと呼ばれます。秋に茎の上部に5枚の萼弁から青紫系で兜状の花をつけます。紡錘形で黒褐色の根を持ち、春になると茎を伸ばして秋に開花しま
竜胆(リンドウ、リュウタン)
竜胆(リンドウ、リュウタン)は、リンドウ科リンドウ属の多年生植物。やや乾いた山地や高地に生える多年草で、草丈30~80cm、50cmほど茎を数本出します。花期は9~11月。「リンドウ」という名は、近縁の他品種や他種を包括して指すこともあります。かつては、疫病草(えやみぐさ、瘧草)といわれたそうです。また、苦菜(にがな)と呼ばれていたりもしたようです。 リンドウは、本州から四国・九州の湿った野山に自生し、葉は細長く、対生につきます。主に赤褐色で細い卵状披針形です。 リンドウの花 リンドウの花は、晴天時だけ開く、釣り鐘
朮(オケラ)白朮(ビャクジュツ)
朮(オケラ)は、キク科オケラ属の多年草。古名はウケラ。オケラの地下茎を漢方で白朮(ビャクジュツ)といい、朮とその近縁種は漢方の配合薬として重要視され、健胃、利尿薬に応用されており、若芽は山菜として食用されています。元旦の屠蘇(とそ)酒(「おとそ」ですね)に入れる屠蘇散にもこれが加えられています。 朮(オケラ)は、草丈30〜100cm、花期は9~10月。互生した葉は細く硬く、茎の下部では奇数羽状複葉になっています。花序の下側につく苞葉も羽状です。葉身は倒卵形で、葉には柄があり、縁には針状の鋸歯があります。朮(オケラ)
秋桜(コスモス)
秋桜(コスモス)は、キク科コスモス属の一年性草本。「Cosmos(コスモス)」はギリシャ語で、美しいという意味で、属名がそのまま標準和名として用いられており、秋桜(アキザクラ)、大春車菊(オオハルシャギク、大波斯菊)とも呼ばれます。「秋桜」は、コスモスが群生して咲く様が桜の花に似ているからそうよばれるようです。コスモスは外来植物で、種類は多く、アメリカ大陸からメキシコにかけて、20~26種ほどあり、日本では秋咲きコスモスがよく栽培されてきました。 コスモスは、日当たりと水はけが良ければ、やせた土地でもよく生育し、短