フリーターから上場企業へ

僕自身の話ではないですが、フリーターから上場企業へということで、同じ様な境遇の人たちへのメッセージとして、30代フリーターのステップアップ成功事例について書いていきます。

他人の成長で触れていますが、ここしばらく人をサポートしています。といっても今回のお話に関しては数年前からのお話になります。

僕たちの世代付近は、バブル崩壊後の不況の中思春期を過ごし、社会に出る頃には、「フリーター」という言葉を誰かが流行らせ、まさに負の遺産の代償を若者に負わせるような時代でありました。

同級生の中には実際に過労死した人も数人いますし、時代の流れの中フリーターを続けている人もそこそこいて、学校を卒業後にすんなり就職したような人も「バイトに降ろすぞ」という脅迫の元、過労死寸前で働いていた人も数多くいます。

もちろん社会的な環境要因もありますが、根本的な問題は意識中に変な信念を植え付けてしまったことです。

しかしながら、どのような対象でも対象の悪い点を指摘してそれを改善させるという方向性よりも、そうした領域を飛び越えてしまうことこそが根本解決になります。

簡単に言えば最低賃金を上げるということや労働環境の改善を群れて叫ぶよりも、そうした事が気にならないほどの領域まで一気に行ってしまうということです。

ということで、30代にしてフリーターから上場企業へと就職した友人、そして、現役フリーターの友人について触れていきます。

なお、そうした雇用形態、生活スタイルを非難しているわけではありませんが、もし自分の可能性を自分で潰しているような要素があるのならば、それは間違いだということを指摘しておきます。

友人A君と友人B君

今回の登場人物は友人A君と友人B君です。そう設定しておいたほうがわかりやすいと思ったので、この二人のコントラストを見ていきましょう。

友人A君と友人B君、この二人同士も友人であり、友人A君が「夢を諦めた」のを期に二人で30代からの就職活動をすることになりました。

二人で就職斡旋のイベントに参加したり、相談員に相談したりということをやっていました。

友人A君と僕はちょくちょく遊ぶので、よく相談に乗っていました。

「ブラック企業しか無いやろか?」

「そんなこともないと思うで」

みたいな会話をよくしていました。

一方B君とはあまり会うことはないので、A君から聞く形でB君の近況を知ることになりました。

「こないだ相談員にキレてたで」

「どんなふうに?」

「『営業をやってみたいです』って相談員に言いよってな、相談員が『営業系は厳しいよ』みたいなことを返したら『僕には無理ってことですか!』って感じでキレとった」

「そうか…」

「あとな、会場の前まで行って急に帰りだしたこともあった」

「そうか…」

そしてあまり良くないと思いますが、友人B君はギャンブル好きです。バイト代の他にギャンブルで少し安定収入があるようで、究極的には就職などどうでもいいという考えがあったそうです。

B君はその後就職斡旋のイベントに参加しなくなり、一方A君は相談員とも仲良くなり、メキメキ成長していくのでした。

A君に内定が出た

しばらくして友人A君から吉報が来ました。

製造業の企業への内定が出たのです。

その時に彼は言いました。

「もうちょい就活やってみるべき?」

「気持ち的にはどうよ?」

「何かもっと恐い感じがしたけど、何か余裕やわ」

「じゃあもうちょいやってみ」

面接前のある仕掛け

実を言うと、実際の面接ラッシュの前に僕はある仕掛けをしました。

それは、彼の立場を少し偽るような形で、経営者の会合に参加してもらったという感じです。

フリーターの人からすれば、社長というものが想像もつかない人物に映ってしまったりすることがあります。一応会社等の組織においては、少し上には平社員がいて、その上に少し役職がついた人、その上に管理者、その上に会社役員というような構造になっています。一応会社組織の中ではそのようなヒエラルキーが存在しています。

それがそのまま人の価値を測るものではありませんが、そうした構造を持っているため、おそらく無意識の緊張が生まれてしまうと考えました。

そういうわけで、「社長と言ってもこんなもんだ」というリアリティを持ってもらうために、僕の付き人的なポジションで、経営者の集まりに参加してもらいました。

もちろん隣には僕がいますし、何かのときにはサポートできます。そして、そのような場では周りの人も横並びの対応をしてくれます。役員面接の時の役員と求職者というようなパワーバランスはありません。

帰り際には「まあ実際の仕事の実力とかは俺よりすごいんやろうけど、何か意外と普通やな」というような感想をくれました。

僕としては彼に感じてもらいたかったことを伝えられたような気がしました。

たくさんの内定をもらい 上場企業へ

内定という実績も出て、さらに経営者たちに囲まれた経験をした彼はさらに気持ちに余裕が出たことが功を奏してか、結局最終的には5社から内定をもらい、その内の1社である、新興市場上場企業へと就職することが決まりました。

その後彼はその業界で必要な資格も取得し、さらに営業成績で新人トップとなり、初年度でフリーター時代の6倍程度の所得を得ました。

「『今までは何やったんやろ?』って感じやろ?」

「おう。記念にロレックス買ったわ」

「じゃあ時期はいつでもいいから起業してみ。そしたら、バイトから今みたいになったような感覚をもう一回味わえるで」

「誰かこの業界の人と会わせてくれよ」

もう彼はフリーター時代の彼ではありません。

そしてしばらくして彼は、新興市場の上場企業から東証一部上場企業に転職しました。

今でもエネルギーは上の方に向いています。

その頃 友人B君

彼が目まぐるしく成長している中、友人B君もチャンスを伺っていました。

しかしそのチャンスの伺い方に少し問題があったようです。

B君はギャンブラーです。対象ギャンブルの規制の影響もある中、彼は一発逆転を狙い、仮想通貨に手を出しました。

そして仮想通貨購入後、すぐに相場は暴落しました。

持っていない人はどこまでも持っていません。

ギャンブルで多少勝てることは運がいいと思う人もいるかも知れませんが、多少勝ってしまうことは、その世界にどっぷり浸かりその他の可能性を潰してしまうという意味で、トータルでは良いことではありません。

彼はそれまで続けていたギャンブルで月に少しは収入があったようですが、規制によりその額が減少するという窮地に立ちつつ、そうしたものに費やした時間で得たスキルは他で特に役立たないという感じで大損をしました。

それに相場が変動するようなものは結局大きな存在も含めた心理戦です。

少し耳にしたからといってそんなものに手を出すということは、現状の状態でプロボクサーに試合を挑むくらい無謀です。

もちろんプロボクサーになるつもりで最初は負けてでも最後は勝つというのならばそれで構いません。

ファイトマネーが1000万円だからということで、自分の体格などにうぬぼれ、勝負を挑んでも勝てるはずが無いということくらい、普通の神経を持っていればわかりそうなものですが、ギャンブルというものはそうした感覚すら麻痺させてしまうのでしょう。

A君は自分を現状へ引き戻す「言い訳」をしなかった

A君が必ず結果を出すことは予想していました。しかしながら新人賞の獲得や東証一部上場企業への転職は予想外でした。

彼のステップアップが予測できたのは、彼との相談の中、彼から「現状をはるかに超えよう」という意図が読み取れたからです。

もし、「現状を少し改善するくらいでいい」と思っていたなら、1社目の内定で就活を終わらせていたはずです。

彼はその時に余裕を感じ、意識的か無意識的かはわかりませんが、さらに高い地点をビジョンとして保持していました。

彼には再三マインドコントロール級にあることを繰り返し唱えていました。

「今のままの発想で決めるな」

「現状の知識の中から選ぶな」

実質的な社会的制約のようなものがあることは、他人が決めることなのでどうしようもない面もありますが、それでもそうした制約から「合理的」に選ぶということはしてはいけません。

短期的には制約に縛られることもあるかも知れませんが、A君のように結果的に東証一部上場企業に転職するケースもあるのです。

それがいいことかどうかはわかりませんが、少なくとも就職活動をする前の自分の限界をはるかに超えたことは事実と言ってもいいでしょう。

それは当初「ブラック企業しか無いやろか?」と言っていたことと、結果的に達成した状態を比較すれば明白です。

才能をフル活用した

彼は共感性が高く、そして人に好かれる人格を持っています。

見渡せば、僕の友人は概ね「敵を作らないタイプ」です。

強いて言えば敵ができてしまうのは僕くらいで、僕が周りの友人に感化されて敵を作らないようなタイプ(になっているのかは不明です)に導かれていったというのが本当のところです。

緊張をしなければ彼の才能がフルで発揮されます。

そういうわけで、なるべく緊張せず意識に余裕を持ってもらうために予防接種的に経営者の会合に呼んだりしたという感じです。

しかしながら、最終的に結果を出したのは彼自身です。

会合参加の件にしても彼の人格が僕にそうした行動を取らせたとすら考えられます。

彼は今後もどんどん成長していくでしょう。

先に決める

こうしたケースでは、「何かの資格をとってから」などなど、「徐々に確率を上げてから」という考えをしてしまう人が多くいるはずです。

しかしそんなことはしなくてもかまいません。

なぜなら、そうした発想は、今の状態、今の知識、今のフレームの発想だからです。

先に最高の状態を思い描いてから、世界を見渡してみましょう。

そうすると、新しい情報が自然と入ってきます。見えていなかったものが見えてくるのです。

自力本願でも他力本願でもなく

自分の力で全て成し遂げた、というのも違いますし、逆に全てまわりのおかげだというわけでもありません。

周りの人を感化させたという意味で、見方によれば全て自分の力であると考えることもできますし、彼をそんな方向へと進むように周りの人たちが感化したという見方をすれば全て周りのおかげというふうに考えることができます。

少なくともある種素直になり、意図する方向に正直であればあるほどそれが現実に起こるという感じです。

意図は自動発生し、そして一度持ってしまえばあとはその方向に向かわざるを得ません。現状に引き戻そうとする恒常性維持機能こそがその阻害要因であり、意図の方向性にリアリティさえ持っておけば、あとは無意識や周りが勝手に導いてくれるはずです。

さあ新しい世界を見に行きましょう。


採用を決定する側の企業側にも、もちろん都合もあります。就職活動における採用基準に関して「不平等だ」と文句を言ってもそれを変えてくれるということはありませんが、その気になればそのルールを超えることはできます。

就職活動でもその気になればルールを超えることができる

Category:company management & business 会社経営と商い

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