混乱時は冬と思って冬眠する

まあもし常連さんの中に事業者がいて資金繰り的に危ないぞという人がいるのであればということで、少しだけ事業継続のリアルな対処法についてでも書いておきましょう。

自然界において一部の動物たちは食糧難になる厳しい冬をどう過ごしているでしょうか?

ということで、混乱時は冬と思って冬眠するに限ります。

一部の業種に限られますが、もし自分がその事業主であるのならばそうするというような思考実験的なものを記しておきます。

まあ単純なのですが、客足の減少による売上の低下に伴い資金繰りが危なくなるという点について何が問題なのかといえば主に固定費です。

動物で言えば食糧難の冬における基礎代謝のようなものです。

では、店舗等々の企業において冬眠するというということはどういうことかと言うと、出るお金を極限まで減らすということになります。

基本的な固定費とは賃料等の不動産系のコストや人件費の基礎部分になります。もちろん減価償却などもありますが、現金の流出があるわけではないので、ここでは棚上げしておきます。

ということで、賃貸の契約内容にもよりますが、店舗であれば設備、備品をどこかしら賃料の安い倉庫に預けておき店舗を閉めます。もし預けるにあたって近隣に適当なところがなければ、地方の広々とした古民家などでもいいかもしれません。

水道光熱費や通信費などが結構掛かる業種であれば店舗や事務所を閉めることでそれらの経費が削減できるためより現金は残ります。

そして、従業員については会社都合で解雇しておきます。雇用調整助成金で耐え切れる期間はそうした制度を利用すると良いですが、限界が来た時には会社都合の解雇という感じで取り扱います。

会社都合で解雇すると一週間の待機で失業手当がもらえますので、後の再会を約束して一旦解雇を受け入れてもらいます。

これはもちろん年齢や被保険者期間によって受給期間などが変わるので状況によって使えない方法になります。

完全に破綻し、かつ、同一業種がどこも経営難という中、従業員側も再就職先を探さねばならないということになるよりは、一定期間失業手当をもらって待機している方が幾分マシかなぁと思います。

給付や補助の要件として、どのような取り扱いをされるのかはわかりませんが、事業主が一人残る形で事業自体は継続させておき、その間給付や補助金、融資等の金策に走ります。

現金を温存し、もし何かしらで補助がされるのであれば、それをかき集めておいて、一方で現金の流出を極限まで減らします。

痛いのは地主等々の不動産オーナーと雇用保険くらいです。

そうして冬眠するがごとく本体を温存しておいて、「春の到来」の如く難が去った頃に元のスタッフと集合して事業を再開するという感じのことをするでしょう。

「本当に大丈夫なのだろうか?」という従業員側の疑いが生まれることもあるでしょうし、一歩間違えると詐欺的に扱われるかもしれませんが、もちろんそうした意図もなく実質的な取り扱いとして考えることは可能なわけです。もちろん、退職金制度の有無によって大きな現金流出が関わってくるので実現が困難な場合もあるでしょう。

そして個人事業主であればまだ会計年度の初頭からの混乱ということになるものの、会社組織であれば企業における会計年度の区切りがバラバラなので、現金を残したとしても経費のカウントが減る分、法人税等に対する対策も検討する必要があるかもしれません。

まあ事業の種類や現状によってできる場合とできない場合があると思いますが、自分ならばそうしたことも視野に入れるだろうと思います。

そうした計画を立てている事を知れば、解約による面倒を避けるため、不動産の貸主も交渉に応じるかもしれません。

通常の経済活動が保たれている中であれば、「出ていっても入ってくるだろう」という強気な態度を取れるかもしれませんが、「出ていった後に入ってこない」ということも想定できます。

そうしたことすら想定できれば金融機関において不動産関連に関した融資の返済についても調整をしてくるかもしれません。

それらは希望的観測なのでどのように転ぶかはわかりません。

事業形態的に客足と資金繰りの問題で、現状では破綻が目に見えていて、でも、一定期間さえしのげば何とかなる、というのであれば、そんな感じの「冬眠」という選択をするかもしれないということを考えたので書いてみました。

Category:company management & business 会社経営と商い

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