植物と仲良くなった日ということで、植物を育てることが絶望的に下手だった僕が植物と和解しうまく育てることができるようになった時の思い出について書いていきます。
内容が具体的だからか、そういえば何だかんだで植物カテゴリへのアクセスも結構あるのですが、それで何となく思い返すと僕は20歳位まで植物を育てることが抜群に下手でした。
小学生の頃は、家にインコのピーコちゃんを筆頭にたくさんのインコと接していたため鳥とは仲良しでした。傷ついた雀を保護したことがありますが、その雀ともすぐに友だちになれたため、結構長生きしました。普通は人が世話をしようと思っても食餌を拒否するようですぐに亡くなってしまうそうですが、その雀は半年以上もインコと同じ籠の中で共同生活を送っていました。
そんな感じで鳥や動物とは自然に接することができたのですが、どこかしら植物を軽視したようなフシがあり、その影響からか育てやすい朝顔やヘチマなどでさえも結構すぐに枯らしてしまう小学生でした。
今思うと植物の気持ちがよくよくわかっていなかったのだと思います。
植物の世話に関する説明
「水をたくさんあげよう」という説明書きが書いてある場合は、ひとまずたくさんあげればいいので間違いは少ないのかもしれませんが、「水のやりすぎはよくありません」と書いてあった場合はその適量がよくわかりません。
水をたくさんあげるという場合でも、「たくさん」の感覚がイマイチよくわかりませんでしたし、人によってはホースの中に溜まってお湯と化した水をそのまま撒いてしまうという場合もあるでしょう。
たくさんの要因があるため数値ではっきり示せない
こうした植物の世話に関する説明は、数値で表現できそうではっきりと示すことができなかったりします。
日当たりや土の量、季節に応じた気温や湿度の関係、風通しの良さなどなどたくさんの要因が組み合わさって「水の適量」というものが決まってきますし、もちろん毎日気候は変動するので一律に数値で示すことができません。
ということで、小学生の時も植物を育てることが下手であるという苦手部分の克服として植物図鑑を読んだり育て方の本を読んだりしましたが、それでもやはりうまく育てられるようにはなりませんでした。
僕を育てたサボテン
そんな中、19歳位の時の誕生日にサボテンをもらいました。
確か岸和田少年愚連隊の中で岡村さんが育てていたシーンを見て、「サボテンを育ててみたいなぁ」などと日常的につぶやいていたからでしょう。
それでせっかくサボテンがやってきたのだから、今度こそはしっかり育ててみようと毎日気にかけながら、水の量も気をつけながら室内で育ててみました。
そうすると二本だったサボテンの脇にもう一本サボテンが生えてきたりして、植物を育てることが下手だった僕としてはすごく嬉しかったことを覚えています。
サボテンを含めて、基本的に多肉植物はあまり水を必要としないので育てやすかったということにはなりますが、日当たりは必要だろうということで、部屋のドアを開けっ放しにして外出するなどなど、日中は光がたくさん当たるところに置いたりしていました。
そのような感じですくすく育っていき、3年か4年位は順調に大きくなっていきました。
サボテンの花
それから僕は急に活動的になり、外出して部屋を空けることが多くなりました。「最初に病が治った思い出の地へ」で触れてましたが、世の中を捉える見方が変化したためです。
それに伴ってサボテンの世話にまで気が回らなくなったということなのでしょうか、ある時サボテンは花を咲かせました。
クンシランの花のような赤オレンジのような花をつけました。
サボテンは生命力が弱った時に花をつけるという感じのことを朧気ながら知っていたので、花をつけた時に土を変えようかとも思いましたが、環境が変わって調子が狂うということもありますので、しばらくはそっとしておきました。
そしてそれからしばらくしてサボテンはシナシナになり、グニャグニャになり、やがて枯れていきました。
せっかく初めてうまく育てることができるようになったのに、という無念が残りました。
せっかく仲良くなれたのにという無念の気持ちで一杯になりました。
植物にも苦しみがある
サボテンを枯らしてしまったのは、水が足りなかったというよりも部屋が寒すぎたことが原因だったのではないか、ということを思いました。
その時は冬場でしたが、外出が増え暖房をつける機会があまりに少なかったため、サボテンがその寒さに耐えられなかったのではないかという感じです。
サボテンが最期に教えてくれたこと
植物はもちろん話もしなければ動きもしませんし、おそらく痛覚もないと思いますが、それでも苦しさを感じていたのではないかと思った時に、どこかしら残っていた植物に対する若干の「モノ扱い」が全て消え去りました。
それからというものは、だいたいどんな植物でもすくすく育っています。
これは暫くの間連れ添ってくれたサボテンが最期に教えてくれたことです。
その時に、本当の意味で植物と仲良くなれた気がしました。
それからというもの、植物からもたくさんのことをこっそり教わっています。
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