晴れの国おかやま 2018 真鍋島

晴れの国おかやま 2018 真鍋島

いつも夏には高原に向かうのですが、今年は思いっきり日光浴ということで晴れの国岡山です。岡山県には過去に二回ほど行ったことがあるのですが、昔岡山駅からマリンライナーに乗って香川に行った時に観た瀬戸内海の印象、島々の印象が色濃く残っていたので、瀬戸内海の島、真鍋島(まなべしま)と北木島(きたぎしま)に行ってきました。

どちらかと言うと真鍋島がメインになりますが、その島を選んだ理由は、岩井志麻子氏の「ぼっけえ、きょうてえ」の中に含まれる風習を確かめに、という感じでした。

ぼっけえ、きょうてえ 岩井志麻子氏

ぼっけえ、きょうてえ 岩井志麻子氏

銀の匙を読みながら、凧あげのシーンが出てくれば校庭で凧あげをするという橋本武氏並の文学の味わい方をしてみようということで、作品中に出てくる風土・文化・風習をリアルに味わいに行こうということをテーマに向かいました。

そういうわけで、今回の晴れの国おかやまツアーは、「岩井志麻子ワールドを深く味わおうツアー」です。もちろん作中の伝承は、様々な民話・伝承のオリジナルミックスということのようですが、その源流に触れてみようという趣旨で行きました。

真鍋島・北木島共に広島県との県境である岡山県笠岡市にある笠岡諸島の島々です。

まずは最初に向かった真鍋島の方をピックアップしましょう。

京都から笠岡市まで

ひとまず京都から笠岡市まで向かいます。

今回はかなり前から予定していたのですが、出発前に豪雨が続いていました。そして向かう途中にニュースが入ってきたと思ったら「広島・岡山で被害が拡大しています」という感じになりました。

向かう途中、雨が降っていましたが、予報では晴れていくということだったので、不謹慎ながらそのまま予定通り岡山県の方に向かうことにしました。

毎度のことながら高速道路は使いません。帰りなどで高速道路を使う必要がある場合は利用しますが、旅全般において高速道路で目的地まで行ってしまうと、到着先だけが目的の旅になってしまい旅の醍醐味がないからです。

ということで、渋滞と信号待ちを回避するため、亀岡から篠山、加東ルートを通って加古川へ、その後は国道2号線を進みました。

また後で投稿しますが、行きしなに和気町に行きました。和気町は、兵庫県から岡山県に入って少し行ったところにある町で、岩井志麻子氏の出身地です。「ぼっけえ、きょうてえ」にも和気村役場が出てくるので、道中に少し道を逸れて立ち寄ったという感じです。

笠岡港に到着

笠岡港

笠岡港

笠岡港について、真鍋島に向かうべく高速船のきっぷを買いました。

三洋汽船 真鍋島までのきっぷ

三洋汽船 真鍋島までのきっぷ

「いざ真鍋島!」ということで高速船に乗り込んで出発です。

暑すぎて景色どころではない感じの「ほぼ無風の船内」に座り、ひたすら到着を待っていましたが、途中でお知らせが入りました。

「エンジントラブルのため笠岡に帰ります」

どうやら豪雨で海に流木が流れてきていてそれを巻き込んだ系で調子がおかしくなってきたということのようでした。

それからはかなり遅めの速度でまた笠岡港に蜻蛉返りです。

何だかんだで無駄に1時間位船に乗りつつ、また振り出しに戻ったという感じになりました。

返金手続きを受け、次の便である「普通船」に乗り換えて再出発です。

笠岡港から普通船で再出発

笠岡港から普通船で再出発

やはり海岸の方の海の水は「豪雨の影響で濁りまくり」という感じでした。

笠岡諸島の島々

笠岡諸島の島々

笠岡諸島の島々2

笠岡諸島の島々3

笠岡諸島の島々4

笠岡諸島の島々を経由しつつ、今回は無事真鍋島まで向かうことができました。

真鍋島に到着

真鍋島に到着

真鍋島に到着

高速船の出戻り再出発などを経ましたが、何とか無事に真鍋島に到着。

到着してすぐ、横を見ると。

真鍋島の島猫たち

真鍋島の島猫たち

これはエヌ、イー、シー、オー きょうの猫村さん7

© ほしよりこ きょうの猫村さん7

真鍋島の島猫

真鍋島の島猫

真鍋島の島猫

ああ、エヌ、イッ シッオォ きょうの猫村さん7

© ほしよりこ きょうの猫村さん7

♪ああ、エヌ、イッ シッオォ♫

真鍋島の島猫2

真鍋島の島猫2

Aa n e c o! (注 necoは猫村ねこの固有名詞です)

真鍋島の島猫3

真鍋島の島猫3

真鍋島の島猫4

真鍋島の島猫4

船乗場でお話した人に「猫が好きで来たんかい?」などと言われましたが、猫目的で来たわけではありません。釣り目的でも無ければ猫目的でもありません。

真鍋島の島猫5

真鍋島の島猫5

観光案内的なものを見ると、何だかんだで「島猫」として猫が推されていたりしました。

しかし島猫は結構ガリガリの子が多く、先の人によると観光客が少しご飯をあげる程度ということでした。

島猫代表

島猫代表

そこで猫の中で最も共感力の高い「島猫代表」と話をしてみると「どうやったら余裕で暮らせますかね?」的な感じになりました(正確には少し違った表現でしたが置いておきます)。

真鍋島の沢蟹(?)

真鍋島は人口300人未満の小さな島ですが、真鍋島を歩いていると、たくさんの小さな蟹(沢蟹か?)に遭遇します。もちろん人より多いという感じです。

いたるところに蟹がいるのですが、ふと愛し合っている沢蟹たちを発見しました。

愛し合う沢蟹

愛し合う沢蟹

ラブロマンス並の抱き合い方です。

愛し合う沢蟹を確認した後、真鍋島をグルグル周ることにしました。

ホルトの樹

ホルトの樹 入口

ホルトの樹 入口

真鍋島がある笠岡市の市指定文化財「ホルトの樹」

ホルトの樹

ホルトの樹

真鍋中学校

真鍋中学校

真鍋中学校

映画の撮影などにも使われることのあるらしい真鍋中学校。

真鍋島展望スポット

真鍋島展望スポット

明鏡山円福寺

明鏡山円福寺 真鍋島

明鏡山円福寺 真鍋島

真鍋島唯一の寺、明鏡山円福寺。

浜辺

真鍋島 浜辺

真鍋島 浜辺

真鍋島の港から山を挟んで反対側にある浜辺に行き、海を眺めながらうろうろしました。

真鍋島 浜辺2

真鍋島 浜辺2

普段海とはあまり縁がないため、ワクワクしました。

真鍋城址

真鍋城址

真鍋城址

それほど距離も勾配もなさそうなので、山上にある真鍋城址まで行ってみました。夏の暑さが強烈だったのと、虫の数が半端ではなかったのが少しきつかったという感じです。

真鍋城址2

真鍋城址2

道中、大量のアシナガバチもいました。しかしアシナガバチは大丈夫です。アシナガバチはよいのですが、以前兵庫県の高原でブト(ブユ。地方によって「ブヨ」と呼ばれます)に大量に咬まれ(ブトのメスは出産のために動物を咬みます)、病院送りレベルまで足がパンパンに腫れたことを教訓に、ブト除けにも効くという「スキンガードEX」を大量に浴びてから向かいましたが、多少汗で流れてしまったからか、数ヶ所は咬まれてしまいました。

しかしながら、これもまた教訓を活かすということで、ブトの毒のかゆみに効く「ムヒアルファEX」を持って行っていたため、早めに塗ることで被害を最小限に抑えることができました。

天神への道が土砂崩れ

真鍋島 天神への鳥居

真鍋島 天神への鳥居

そういえば、真鍋島の着いてから最初の方に天神社やふれあいパークに向かう道を進みましたが、土砂崩れのため途中からは進めなくなっていました。

真鍋島 土砂崩れ

真鍋島 土砂崩れ

先日までの豪雨の爪痕という感じです。

「そわい」と風習

ここまでは単なる「観光」っぽい内容になりましたが、そんなことが本題ではありません。

岩井志麻子氏の「ぼっけえ、きょうてえ」の中にある「あまぞわい」の中に登場する架空の島「竹内島」の「島特有の風習」についてです。メインの「あまぞわい」は、玉野市の方の五人宗谷(ごにんぞわい)からという感じがしますが、岡山県内の各種伝承が組み合わさって展開しているようなので、作中の「島特有の風習」はどうなのかということで文献を辿ってみました。

ちなみに「そわい」とは岩礁のことを指し、潮の満ち引きで現れたり沈んで消えたりする岩礁のことを指します。真鍋島の方にそんな話をすると、「『そわい』なんて言葉は、もう使っとらんし、漁師でも若いやつなら通じんかも知れん」という感じでした。

さて、作中の「島特有の風習」とは、「初七日に死者の家の前に、灰を入れた盆を置いておき、鳥の足跡が付けば死者は成仏している」というような風習です。その内容の元となる風習が、この真鍋島にあるのかなぁ、ということで現地調査です。

最初に「島猫」のところでお話したおじさんによると、「そんなん知らん」ということでした。もしかすると真鍋島ではないかもしれませんし、かなり古い風習で世代的に知らないだけなのかもしれないということで調査続行です。

そんな中、島のおばあさんに話を聞くと、「49日に砂を載せた盆を玄関に置いておく」という風習があった、ということがわかりました。鳥の足跡がつくか、猫などの動物の足跡がつくかで解釈が変わるという感じのようですが、家の前というより玄関の中というような記憶だったと言うような感じでした(おばあさん自体も「聞いたことがある」レベルの記憶でした)。

作中の「島の風習」の元となった風習は初七日で、盆には灰、家の前、という感じでしたが、おばあさんの記憶と若干異なるもののそのような感じの風習自体はあったようです。もちろん時代や島内のエリアによっても風習が若干異なっていたり、記憶違いということもあり得るので詳細はよくわかりませんが、それっぽい風習はあったということは現地で確認が取れました。

まるで民俗学の学者による研究のようなことをしていたわけですが、「ひとつのことを深く掘り下げてみる」ということを醍醐味として旅を楽しむのもなかなか良いなぁという感じがしました。

Category:adventure 冒険の旅

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