アップルミントことマルバハッカとその変種(交雑種)であるパイナップルミント。共にシソ科ハッカ属の多年草です。
パイナップルミント
パイナップルミントは、名の通り「ミント」なので、シソ科ハッカ属です。常緑多年草で、アップルミントの交雑種です。
ほのかにパイナップルの香りがします。
少しわかりにくいですが細かい毛が生えています。
養子のうさぎは、最初食べるのをためらっていました。おそらく遺伝情報の中に前例が無いのでしょう。食べたら食べたで「もっとくれ!」と、お気に入りになったようです。
ミントはミントで食べたことがあり、パイナップルはうさぎのおやつとして毛玉対策として「乾燥パイン」というものがありますから、「うーん。これはミントなのかパイナップルなのか…ひとまず食べとこう!」となったようです。
冬になると枯れてしまいますが、たいてい翌年の春になるとまた新芽が出てきます(発芽するのでしょうか?)
…
その後、またパイナップルミントがまた知らぬ間に生えていました。新芽から成長し、しっかりと生きています。
学名:Menta suaveolens ‘Variegata’
pineapple mint
アップルミント
アップルミント(マルバハッカ)ももちろんシソ科ハッカ属。葉は明緑色で対生し、形は狭卵型からやや卵型です。パイナップルミントとは異なり無柄です。
学名:Mentha suaveolens
apple mint
「白さ」は美しさであり、弱さである
パイナップルミントの最大の特徴である、葉の縁(ふち)を彩るクリーム色の斑(ふ)。この美しい模様は、植物学的には「欠陥」であることをご存知でしょうか。白い部分には、植物のエネルギー工場である葉緑体がありません。つまり、あの部分は光合成ができない「タダ飯ぐらい」の組織なのです。
緑色の部分だけで稼いだエネルギーを、白い部分にも分配して生きている。だからこそ、原種であるアップルミントに比べて成長が遅く、直射日光に当たると白い部分から火傷(葉焼け)してしまうのです。あの儚(はかな)げな美しさは、自身の生命力を削って維持されている、ギリギリのバランスの上に成り立つ芸術なのです。
突然始まる「クーデター」を鎮圧せよ
パイナップルミントを育てていると、ある日突然、斑のない「真っ緑の葉」をつけた太い茎が伸びてくることがあります。これを「先祖返り」と呼びますが、見つけたら即座に根元から切り取らなければなりません。
これは単なる気まぐれではなく、植物が「美しいけれど弱いパイナップルミント」であることを辞め、本来の「強靭な野獣(アップルミント)」に戻ろうとする生存本能の爆発です。緑色の葉は光合成能力が圧倒的に高いため、放っておくとその茎ばかりが栄養を独占して巨大化し、やがて株全体が緑色に乗っ取られてしまいます。それは鉢の中で起こる静かなるクーデターであり、美しさを守るためには、管理者が非情な決断(剪定)を下し続けなければならないのです。
「果実」の夢を見る香り
名前に「アップル」や「パイナップル」と冠されていますが、もちろん果汁が含まれているわけではありません。しかし、これは人間の空想でもありません。
彼らの香りの成分を分析すると、「パイナップルミント」には実際にパイナップルにも含まれる特定のエステル類などが、「アップルミント」には青リンゴの香りを構成する成分と共通の化合物が含まれています。彼らは遠い親戚ですらない果物の香りの分子を、葉の中で合成しているのです。なぜ草が果実の香りを真似る必要があったのか。それはまだ完全には解明されていませんが、私たち人間がその香りに誘惑され、大切に庭に植えている事実を見れば、彼らの生存戦略は見事に成功していると言えるでしょう。
毛布の下に隠した「征服欲」
アップルミントの葉は、柔らかい毛(軟毛)で覆われ、フェルトのような優しい手触りをしています。しかし、その「癒やし系」の外見に騙されて、不用意に地面に植えてはいけません。
地下では、地上部の可愛らしさからは想像もつかないほど凶暴な地下茎が、四方八方へと領土を拡大しようとしています。他の植物の根を絞め殺し、庭全体を飲み込むその繁殖力は、園芸家の間で「ミント・テロ」と恐れられるほどです。地植えにする際は、底の抜けたバケツやレンガで「地下の壁」を作り、物理的に監禁すること。それが、この愛らしくも恐ろしい隣人と平和に暮らすための唯一の協定です。
シソ科
- シソ科シソ属 大葉(青紫蘇)とえごま
- シソ科オドリコソウ属 ホトケノザ(仏の座)
- シソ科メボウキ属 バジル
- シソ科ラベンダー属 ラベンダー
- シソ科サルビア属(アキギリ属)セージ
- シソ科マンネンロウ属 ローズマリー
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