アフォリズム 351-360
- 351.反抗期
- 352.抜け駆けの意図と遠慮
- 353.友人を作る能力の重要性
- 354.物理的制約
- 355.捻じ曲げられたもの
- 356.教育という消費の果て
- 357.盲目的一般化
- 358.違和感のある自称成功者
- 359.折れない精神と立ち直り
- 360.言葉や動きと意識の向き
351.反抗期
反抗期というものは、本能的な力の目覚めというよりも、大人の嘘やごまかし、矛盾を見抜く能力が開花してくる時期という方が正しい。
352.抜け駆けの意図と遠慮
隠れてコソコソと抜け駆けのように人よりも優位に立とうとしていると、本音を話すことがなくなり、他人に遠慮ができ、結果、友人がいなくなる。そうなると、人よりも偉くなったとしても、人への遠慮の分だけ精神はかき乱され続けることになるだろう。
353.友人を作る能力の重要性
遠慮をしなくていい友人を作る能力というものは、社会ではあまり評価対象にならないが、社会生活においても、心の安らぎにおいても、極めて重要な要素の一つである。
354.物理的制約
物理的制約があるものほど、臨場感があり人に説明はしやすいが、高められる効率性が物理的制約を受けるため、収益率は低い。
355.捻じ曲げられたもの
捻じ曲げられたものは、近そうで遠い。
そして、本質に近づこうという意図を失わせるため、一度すべてを放棄した方がいい。
356.教育という消費の果て
大金を消費した結果が、「砂利の上に丸い石を置くこと」であり、「石の丸さに時の流れが示されている」というような小学生並みのことを言うためだった、というのは滑稽である。
357.盲目的一般化
「自分とは普段接点のないような種類の人間もいる」ということを想定もできないままに、物事を一般化するというのは、後々になって分が悪くなる。
358.違和感のある自称成功者
稼ぎはいいが、なんとなく違和感のあるような、前に出てくるタイプの自称成功者のような者は、単に人がためらうようなことに躊躇がなく、物事の展開が早かったというだけだったりする。
その要因として共感性の欠如という点もあるが、「思考による制限がない」という点についての方が重要である。
この手の者は、模倣するには値しないが、「思考による制限」について一考の余地があることを示唆するという点で、参考にはなるだろう。
359.折れない精神と立ち直り
何事にも折れない精神というようなものよりも、立ち直りの早さの方が重要である。
瞬間に刻んで捉えると、いかなる者でもある瞬間には驚愕や反射が起こる。しかし問題は次の瞬間である。
360.言葉や動きと意識の向き
古今東西の祈りのようなもの、言葉や動作を用いた宗教的儀式のようなものは、ただ単に意識の向きを調整するだけのものであり、「あちらに向くくらいならこちらを向いていた方がマシだろう」という程度のものである。
それに安らぎのような効用があっても、それに関連する概念によってまた妄想が起こるため、万能ではない。
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