茶飯事の匙加減

料理を作るということが面倒なときもあると思いますが、調理は理科の実験的な面白さもあり、かつ、味による楽しみというものもあるので、「外食ばかりで料理が作れない」というのはもったいないのではないか、ということを思うことがあります。

化学反応を目の当たりにすると言う面や包丁を使うという一種の彫刻や職人技を磨くかのような面があるので楽しみは満載です。

腕を上げるためにはひとまず様々なパターンを試すということもさながら、熟練のためには数が要になる部分もあります。

料理の腕を上達させるのには、各作業や素材の洞察を含め「楽しみを見出すこと」と同時に調理回数というものの大きく影響すると思います。

おそらく調理を繰り返していると、料理の味が美味くなっていくと同時に、知らぬ間に理科や美術などに関する深い理解が得られるでしょう。

調理の仕方によって味は想像以上に変化する

素材の調理の仕方によって味は想像以上に変化していきます。

その裏を考えてみれば、水気を用いると上限100℃付近で熱が伝わるものの、油ならば油温に合わせてもっと高い熱が伝わり、かつ表面の水気は飛んでいくというようなことも理解できるようになります。

そうした熱の加わり方で素材の組織が変化する具合が変わる、ということもどんどん見えてきます。

熱の伝わり方で変わるということは、鉄板の厚さでも味は少なからず変化する可能性があるということにもなります。

「味を調える」ための調味料

また、調味料は「味をつける」というより「味を調える」といった方がより正鵠を射ているという感じがします。

あくまで素材の味がメインで、それを引き出したり、素材感の関係を整えるという感じのほうが合っているということがだんだんわかってきたりします。

同じ調味料でも味が変わる

さらに当たり前といえば当たり前ですが、調理方法によって「同じ調味料でも味が変わる」ということが起こったりします。

レシピ上は同じような配合であっても、実際の料理の味が異なるという場合は、仕込み方が違うという点が影響しているということになります。

臭み抜き等々素材の仕込みももちろんですが、調味料そのものもどのように素材に加えていくかということで味が変わっていきますし、熱の加え方によっても味は変化していきます。

当然ながら水に加えると上限が100℃くらいですが、熱した鉄板の上に置けばそれ以上の熱が加わり、焦げなどから味が変化します。

そうした細かな要素のがどんどん組み合わさっていくと、最終的な料理の味に大きな差が生まれます。

人参のうまさを最大限にまで引き出す

調理で味を最大限にまで引き出す、という感じであれば人参がすごくわかりやすいかもしれません。

ある時友人が「某ホテルの鉄板焼係の人」から教わったそうなので、その内容を伝えてくれたのですが、洋食などで付け合せとして出てくる「すごく甘い人参」は、特に甘味の味付けしていないということだったのです。

特別な人参なのか、と思いきやそうでもないということで、あの甘味の出し方を教えてくれました。

可能であれば厚い鉄板が理想的なようですが、家庭のフライパンでも一応作ることができます。

まずは、油を引かず人参フライパンに並べ、塩を振っておきます。そこから蓋をして弱火から中火くらいでじっくり加熱していきます。

ある程度火が通ったら、油をまぶしてしばらく加熱します。

以上です。

こだわるなら油は「綿実油」がいいそうですが、オリーブオイルでもいいですし、究極サラダ油でも大丈夫です。好みによってバターを混ぜても良いでしょう。

火の通り方しだいで味が変わるということのわかり易い例です。

手のこんだ料理

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