野薊(のあざみ)

野薊(のあざみ)は、キク科アザミ属の多年草。茎の高さは50cm~1m。花期は5~8月で、薊の仲間は真夏から秋によく咲くそうですが、野薊は初夏に咲くようです。土手などで赤紫の花を咲かせます。葉は羽状に中裂し、縁に棘があります。茎葉の基部は茎を抱き、花期にも根生葉は残るようです。花(頭状花序)は筒状花のみで構成されており、直径は5cm程度。花の色は紫色、まれに白色。花を刺激すると花粉が出てくるようです。

学名: Cirsium japonicum

アザミ キク科アザミ属

アザミ(薊)は、キク科アザミ属及びそれに類する植物の総称で、標準和名として単に「アザミ」とする種はないようです。

キク科アザミ属(Cirsium)は、多年草または一年草で、葉は縁がとげ状を呈し、葉が極端に深く裂けるものがある。頭状花序(花)はすべて両性の筒状花のみで構成され、他の多くのキクのように周囲に花びら状の舌状花が並ばず、花からは雄蕊や雌蕊が針山のように棒状に突き出します。花の色は主に紫色や赤紫色。葉は深い切れ込みがあるものが多く、葉や総苞にトゲが多いようです。

若いときには根出葉があり、次第に背が高くなり、茎葉を持つが、最後まで根出葉の残る種もある。受粉は昆虫による虫媒花で、根が冬越しする他に、種子には長い冠毛があり、綿毛(冠毛)の着いた果実が風で飛散して増えるようです。森林にはあまりいないようです。

分布

アザミ属は、分布域が比較的広いものと極端に狭い地域固有種があり、北半球に250種、日本では100種以上あるとされます。ノアザミの分布域は広く、日本の本州、四国、九州の草原や河川敷に見られ、アジア大陸にも変種が分布するようです。

触れると噴き出す「花粉のポンプ」

ノアザミの花にハチやチョウが止まった瞬間、何が起きているかご存知でしょうか。彼らはただ蜜を吸っているだけではありません。虫の足が雄しべに触れたその刹那、雄しべ自身が筋肉のように収縮し、先端から白い花粉を「ムニュッ」と押し出して、虫の体に塗りつけているのです。

これは「雄性先熟(ゆうせいせんじゅく)」のプロセスの中で見られる、極めて動的な反応です。植物は動かないものだという常識を覆す、驚くべき反射神経。彼らは運任せに風に花粉を託すのではなく、確実に運び屋が来たタイミングを見計らって、能動的に荷物(花粉)を積み込んでいるのです。野原でノアザミを見つけたら、花の中心をそっと指先で突いてみてください。生きている彼らの鼓動のような、白い湧き出しを目撃できるはずです。

「ネバネバ」という冷徹な選別

アザミの仲間を見分ける際、最初に触れるのは花ではなく、その下のふくらみ(総苞)です。もしそこが触れるのをためらうほど粘着質の液体でベタベタしていたなら、それこそがノアザミである決定的な証拠です。

この粘液は、汚れでも病気でもありません。地面から這い上がってくるアリなどの「飛べない虫」を捕らえ、ブロックするための強力な物理トラップです。花粉を遠くへ運んでくれる翼を持った虫だけを招き入れ、蜜を盗むだけの歩行者は入り口で足止めにする。その美しい紅紫色の花の下には、空からの来客以外を徹底的に拒絶する、冷徹なセキュリティシステムが稼働しています。

春を独占する「孤独」な戦略

日本には100種類以上のアザミが存在しますが、そのほとんどは秋に花を咲かせます。しかし、ノアザミだけは「春から初夏」に咲く道を選びました。

秋の野原がライバルたちで混雑するのを避け、まだ競争相手の少ない春の時期に、太陽と虫を独占する。この時期のズレ(ニッチの分化)こそが、ノアザミが日本の野山でこれほどまでに繁栄できた理由です。新緑の中でひときわ鮮やかに輝くあの色は、他のアザミたちがまだ眠っている間に勝負を決める、孤高の先駆者の旗印なのです。

武装解除した時の「極上の味」

「きれいな花には棘(トゲ)がある」の言葉通り、ノアザミの葉のトゲは鋭く、触れれば痛みが走ります。しかし、その厳重な武装を突破した者だけが味わえる「美食」があることを忘れてはいけません。

トゲを取り除いた柔らかい新芽や、太い根は、古くから山菜として親しまれてきました。特有の香気と、ゴボウにも似た野趣あふれる風味は、天ぷらや味噌汁の具として一級品です。あの痛々しいトゲは、自身があまりにも美味しいことを知っている彼らが、捕食者から身を守るために進化させた、必然のバリアだったのです。山菜取りの達人にとって、あのアザミの群生は、痛みを伴ってでも手に入れる価値のある天然の食料庫に見えています。

亀田氏選夏草七種

キク科

Category:植物

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