特に喧嘩をしたとか裏切りがあったというわけでもないのに、意図せず友情が壊れてしまうことがあります。
またいずれどこかで詳しく書こうとは思いますが、僕の中に暗さが生じ、怒りがよく起こるようになったきっかけというのは、こうした「慈しみ、友愛が叶わないということが起こり始めたから」という感じになっています。
思い返すとそれはいわゆる思春期に訪れたものであり、なぜ人と人の仲が壊れてしまうのかということについて、日に日に暗さが増していきました。
「お前まだドラえもんなんか読んでんの?」というようなことを言うやつが現れたりする頃から始まりました。
それまでは、相手が子どもであれ大人であれ、一定以上の仲を保てるのが普通というか、意識したことすらなかったのに、どんどんどんどん仲が壊れていきました。
その後、暗さと明るさを一年ごとに入れ替えるようにして大人になりました。
ということで、意図せず壊れてしまった友情のひとつについて触れていきましょう。
思春期による狂い
幼稚園から仲の良かった友達がいました。
幼稚園の頃にこちらに引っ越してきたやつですが、活発でありながら動物や虫に優しく、常に何かしらを極めようとするような少し変なやつでした。
小学校高学年くらいまではよく遊んだのですが、中学に入ってからというもの、彼はどんどん狂い始めました。
確実に○玉の影響です。
お母さんやお姉ちゃんは、ものすごく優しく温和な方々なのですが、彼女たちへの嫌悪感が日に日に増していっていたようでした。
「ブスすぎる」
というようなことを本人たちの目の前でよく言うようになりました。
小学校高学年の頃は、レディースデーに苦しむ姉を気遣い、優しく接していたのですが、彼が中学生になった頃には豹変していました。
彼の家に遊びにいったのですが、また苦しそうなお姉さんがいました。
以前なら気遣っていたのに、「あり得ない。あんなブスには意味がない。生殖機能は不要」というようなことを平気で言うのでした。
完全に狂ってきていました。
中二病
そしてその日、何故かファイナルファンタジー6のラスボスをもう一度倒すところを見てくれというので、大人しく彼のプレイを見ることにしました。
すると全キャラのレベルが99になっていました。
さすがは何事も極めようとするやつやなぁと思って、ケフカ戦を見守ることにしました。
もちろんアルテマウェポン、バリアントナイフでザクザク斬っていました。
そしてケフカが破れる時、
「うははははははははー!!!」
と、絶叫しながら、スーファミの線の類を全てぶち抜いていました。
そして笑顔で同意を求められました。
「ううううん。まあすごいんちゃう」
と言うくらいしかできませんでした。
この時点で既に中二病は限界領域です。
限界を超えた中二病
その後、しばらくして、また彼の家に行ったのですが、彼の部屋に入ると、包丁を見せられました。
将来料理人になるということで、親御さんに買ってもらった包丁ということでした。
そしてしばらくして何の脈略もなく出刃包丁を手に取り、ダーツのように襖に投げつけました。
よく見ると襖はその痕跡だらけです。中二病が限界を超えています。
特にキレられたとかそういうわけでもないのですが、何かの拍子にこの矛先が自分に向いたら恐ろしいと感じ、数分後に帰ることにしました。
僕の中には、腫れ物に触らないようにという緊張と、「ああ…」という虚しさが漂っていました。意図せず壊れてしまった友情への思いです。
―
それから、学校以外で話すことなくなりました。
あまり悲しみや怒りの類はなく、淡々と壊れたような感じでした。
その後、特に憂いはありませんでしたが、そうして壊れてしまうことそのものに、その「無常さ」に多少なりと残念さを感じていたのは事実です。
自分は大丈夫で、相手との仲も大丈夫であっても、相手自体が変化して壊れることもあるのかなぁ、なんてなことを思ったりしました。
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