多くの誤認の理由

増加してゆく神経の力にもとづく道徳は、朗らかで落ち着きがない。減退してゆく神経の力にもとづく道徳は ―すなわち夕暮れや、病人や、老人の場合 ―苦しみ、和らぎ、傍観的であり、憂鬱であり、それどころか陰鬱であることも珍しくない。 曙光 368 前半

先日、生命保険の無面接募集契約の無効についてお伝えしましたが、難なく無効が決定しました。

詐欺まがいの営業や、体育会系営業、情報強者ぶって人をなめてくる輩などを打ち倒せた気分でした。

非常にいい経験でした。少し嬉し涙が出るほどでした。

難なく無効にできたのは、一応金融の分野の元プロだからです。

おそらく金融業界か、士業の人以外の場合なら、少し難しいかもしれません。

面白かったですよ。

いかに「どこかでボロを出す」ことを誘導しようとしているというか、諦めさせようとしているというか、という感じでした。

残念ながら、相手よりも数枚上手です。

面白かったですね。解約返戻金の額を見せてきて、「いま解約してもこの値段ですよ」と、何故か「解約扱い」にしようとしてきたところは。

解約と無効って大きく違いますからね。

解約は、有効な契約を解除すること、そして無効は、そもそもの契約自体に効力がないこと、です。似て非なるものです。

解約と無効の法律上の効果の違い

「効果」って言う単語も、少し専門的な分野になってしまいますが、法律上の効果のことです。

「お肌ツルツル効果」とかとは少し違います。

有効は、効果があるということになります。

で、解約の場合は、有効なものを解除するということですから、解約の場合に発生する損害とかそういうのが問題になります。で、解約の場合の取り決めがあれば、それに従うことになります。

保険で言えば、解約した場合に戻ってくるお金である「解約返戻金」に関する取り決めがあります。

無効の場合の原状回復 不当利得の返還

で、無効の場合は、そもそもの効果が無いということですから、はじめから効果がなかったものとして、原状回復をすることになります。

保険の場合は、いちおう保険料を支払っていましたが、その保険料というものは「不当利得」という扱いになります。

そもそも契約自体が成立しておらず、効果がないのですから債権債務という関係がそもそも発生していません。

この債権債務関係というものについてですが、これは「ある権利を得るけど、ある義務を負う」という感じです。

保険契約であれば、保障をしてもらう代わりに、保険料を払う。保険料をもらう代わりに、保障するという関係です。

で、無効の場合は、こういった「契約」が成立していませんから、保険料をもらうことは不当なことです。

だから、不当に利得を得ているということで、その分は返さなければなりません。

ということで、支払った分の保険料が返ってくることになります。「保険契約が成り立っていなかった時点の状態」に戻すという感じで、原状回復のため不当利得を返還してもらわねばならないという感じです。

で、何とか無効ではなく契約を有効にしようとか、「こうしたことを知っていながら制度を悪用した」というようなことで、何とか諦めさせようとしてきました。

でも、この場合は「契約が有効である」ということを証明するのは向こうです。

そもそもの金融商品の売り方を考えよう

こういう話って、たまたま、僕が昔金融業界にいて、そして、元々法学部で勉強していたから概要を知っていて、かつ、家族や知り合いに士業の人がいたから何とかなった感じです。

この手のお話は、普通の人には少し難しい問題かもしれ無いと思ってしまいます。

で、少し思ったのですが、それでいいのでしょうか?

いくらインターネットで、情報との距離が近くても、「売ろう」というようなコンテンツばかりじゃないですか?

アフィリエイターが、よくわからないまま推していたり、Webメディアもスポンサーの商品のニーズ喚起のための記事を出していたりで、本当に役立つようなコンテンツはほとんどありません。

というよりも、先日僕も金融に関するライティングの依頼を受けました。

でも、書くとすればアンチ記事ばかりになってしまいます。そんな記事が採用されることもないでしょう。

まあある程度このブログで書いてもいいのですが、大手のメディアが記事を量産したら埋もれていくような気もしています。

まあたまには書いていこうと思います。

多くの誤認の理由、それは、いくら情報が多くても、出している情報の内容が偏っているから、とも言えましょう。

すこしでも被害者が減りますよう。

生命保険等金融商品の不適正募集の背景や手口

多くの誤認の理由 曙光 368

Category:曙光(ニーチェ) / 第四書

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