バーナム効果(フォアラー効果)は、誰にでも該当するような曖昧で一般的な性格をあらわす記述を自分だけにあてはまる正確なものと捉えてしまう現象。つまり占い師の策略に乗ってしまうというようなことである。
「過去に大きな悲しい出来事がありました」と言われれば、自分の記憶の中から勝手に探してしまう。それだけでなく○○タイプというような分類についても、少しでもその要素があれば「それが本当の自分」というふうに勘違いしてしまうようになる。
人の性格というのはだいたいの傾向はあるが、周りの環境、時期によって、また、一日のうちでも真逆の性格のような瞬間がある。どの項目もそうなのだから、絶対に当てはまってしまうはずである。ということで、バーナム効果(フォアラー効果)は、営業さんや占い師によく利用されてしまう心理効果であると言えよう。
占い師が利用するバーナム効果(フォアラー効果)
「過去につらい経験をしましたね?」と言われれば、そうした経験を勝手に思い出してしまうものである。
また、概ね誰でも穏やかな時と感情的な時があるので、当たり前のことのはずであるが、胡散臭い占い師などに、「あなたは、基本的に穏やかに過ごしていますが、時に感情が爆発してしまう時がありますね?」と言われれば、「確かに当たっている」などと思ってしまうことがある。
そして「あなたは現実主義者ですが、ロマンチストな面ももっています」と言った感じで、誘導していく。
バーナム効果(フォアラー効果)は、一応具体的な事を言いながら、結構誰にでも当てはまるような一般的なことを言って、「私はあなたのことを分かっています」という感じに誘導していくような時に使われる心理であり、ぴったり当てれば、その通り、たまに思い当たるフシがあれば「それが本来のあなたです」という逃げができる。
もしくは言ったことが全く当てはまらない場合でも最近では「無意識」や「潜在意識」という言葉もコンビニに並ぶようになったので、「潜在意識の中にそういう要素があります」というように逃げることはいくらでも可能という感じになっている。
そういう場合は、「表層上のあなたの意識は気付いていないが、プロである私にはわかる」という風に言って信頼させようとする。
バーナム効果(フォアラー効果)は、血液型占いのようなものや姓名判断のようなものでも使われる。
名前による占いはその文字の持つ印象による影響の研究結果なのかもしれないし、また風水の類は、空気の流れや色彩による心理的影響など多少なりはわかる話である。ただ、それは身体から心に対する影響の法則的なものであって、身体に依存した形の場合は影響があるのかもしれない(詳しいことは知らない)。
掃除をしたほうがいいというのも、空気中のホコリや湿気のたまり具合などが一切身体に影響しないというのは考え難く、負荷を軽減するという意味ではある種科学的でもある。
身体の影響は気持ちに影響するのは、身体を持ってしまっている状態である以上基本的には当然である。ただ、それを「霊魂」とか「先祖」とかいうものと結びつけようとするのはなぜなのだろうか。それは現象のあるがままの姿をみていない証拠である。
そんな因果から早く脱出しなされ。
あなたの心はすべて読めるという嘘
このバーナム効果(フォアラー効果)は、占い師が占いに来た人を手中に収めるためにマインドコントロールする時に使われる心理効果である。また、営業などでも使われているかもしれない。
そうした占い師には、「あなたの心はすべて読める」という感じで信頼性と依存を高めていき、最終的には自分の都合に合わせて相手をコントロールしようという意図がある。
「私はあなたが気付いていないあなたを知っている。あなたの魂の声が聞こえる」
「何適当なこと言ってるんだ?」と言ってやればよい。
人に意志を決定してしてもらおうという依存体質から抜け出そう。
なお、バーナム効果とフォアラー効果は、心理効果としては同一のものを指すが、バーナム効果と呼ばれる時は、心理学者ポール・ミールと興行師フィニアス・テイラー・バーナムから、フォアラー効果と呼ばれる時は、心理学者バートラム・フォアに因んでいる。
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