ハロー効果(光背効果、後光効果)とは、物事や人を評価する時に、特徴的な一面(すぐれた/劣った)に影響され、その他の側面に対しても同じように評価してしまうこと。その対象の他の側面、もしくは全てがすぐれている(ポジティブ・ハロー効果)/劣っている(ネガティブ・ハロー効果)というふうに勘違いしてしまうこと。
ポジティブ・ハロー効果
恋愛においてもマーケティングにおいてもよく利用されるハロー効果であるが、これは単純にポジティブ・ハロー効果なら「高級車に乗っている人ならば信用できそう」であるとか、「高級腕時計をしている人ならば、仕事ができそう」というようなものである。
そういうわけで、ハロー効果は、ひとつの側面を拡大解釈するような自我の傾向を利用した心理効果であり、高級スーツを着ていれば信用されるというような感じである。
ということで、詐欺師やマルチネットワークの勧誘者など、胡散臭い人ほどハロー効果を狙ってブランド品を身に着けたり、権威性のあるようなものを利用したりする。
詐欺師やマルチ、カルト宗教などにおいては、権威性のあるような人物と握手している写真などが利用される。
また、顔がいいというのも一種のハロー効果であり、ニュースキャスターが美形である方が、内容の信憑性が上がるというようなものを利用しているにすぎない。
ネガティブ・ハロー効果
逆にネガティブハロー効果としては、「オンボロ車に乗っている人ならば信用ができない」とか「安物そうな腕時計をしていれば、仕事ができなさそう」というような感じである。
また、身だしなみ的なものだけでなく、顔が良くないと意見の信憑性や信頼性が下がるというような効果である。
そう言えば、スーツの時とパーカー姿の時で、すれ違う通行人の態度や避け方が違ったりします。これも、一種のネガティブ・ハロー効果であり、パーカー姿だと「大した事のない人間だ」となめてくるということになる。
自我の関連思考
こうしたハロー効果は、孔子のような上下関係万歳の世界でよく起こることです。それ以外でもアイドルのような存在に対する印象もその傾向にある。
すごい先輩なんだ、顔がキレイだ、という側面だけで、人格まで優れているとか、自分にも優しいので、おそらく家族にも優しいのだろう、などと勝手に想像して評価してしまうようなことになる(わかりやすい関連思考である)。
ということでハロー効果に騙されている場合ではない。
会社の規模と人格は関係ありませんから、本来は気にしてはいけないはずなのに、これだけ大きい会社にしたのだから立派な人なのだろう、と勝手に勘違いする人がいる。そしてハロー効果に騙されていいように使われたりする(これは以前、タラレバの想像力で少し触れた)。
なので、おもんないグループについても、「おもんないですよ」と言っているだけで、人格すべてを否定的に捉えているわけではない。「おもんないグループですよ」と言われて、「イラッ」とするのはこのハロー効果、ということになるのかもしれない。
一ヶ所つつくとすべての人格が否定されたように感じるとすれば、それは関連思考である。知らぬ間に一つの事や命題に対してたくさんの属性を勝手にくっつけているというわかりやすい例である。
大企業の看板があれば、信用できるというのもハロー効果の一種である。ただの販売代理店にもかかわらず、名刺に大企業の名称を大きく掲載し、その脇に小さく「販売代理店株式会社○○」と記載するのもハロー効果を狙ったものであると言えよう。
詐欺師や占い師にしても、マルチ商法やカルト宗教にしても「ハロー効果を狙っている」と気づくことさえできれば、そうした心理効果の影響を防ぐことがでる。
それほど悪質なものでなくとも、何かしらこうしたハロー効果を狙っていそうな仕組みを見抜くことができれば、関連思考の呪縛の影響に騙されることはない。
「すげー」となっては負けである。
「ふーん。それがどうしたんだ?」というマインドを保とう。
物理的な光背効果・後光効果
ハロー効果として物理的な光背効果・後光効果が用いられることがある。占い師がよくやる方法であるが、これは占い師しか見えないように部屋の中の座る位置を決めて、術者の後ろから本当に物理的な「後光」を光らせてしまうという方法である。
オーラが好きなような被暗示性の高い人であれば、
「うわー何だかすごい」
という印象を受けてしまうことがある。
「これはハロー効果、物理的な光背効果・後光効果を狙った演出である」
と知っておけば騙されることもない。
物理的な光背効果・後光効果によって、ハロー効果を狙いながら、占いを受けに来た人の変性意識状態を強めているだけであるからそうした演出があった場合は、真っ先に疑いをかけよう。
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