芥藍(かいらん)・芥藍菜

芥藍(かいらん)・芥藍菜

芥藍(かいらん)は、中国原産のアブラナ科アブラナ属の緑黄色野菜です。ブロッコリーやカリフラワーの仲間であり、スーパーでは芥藍菜(かいらんさい)として売られています。

もちろんキャベツやケールとも仲間なのですが、形状的にはブロッコリーが最も近く、別名はチャイニーズブロッコリーです(なお、学名は、Brassca oleracea var.alboglabra)。

芥藍(かいらん)葉と茎

芥藍(かいらん)葉と茎

芥藍の葉は深い緑で茎はやや薄めの緑という感じです。茎はブロッコリーで葉はケールといった感じでしょうか。

芥藍(かいらん)の葉と茎

芥藍(かいらん)の葉と茎

極太のアブラナという感じもします。

芥藍の花

例のごとく芥藍(かいらん)が野菜室で蕾を付けていたので、屋外に出して花を咲かせてもらいました。

芥藍の蕾

芥藍の蕾

芥藍はアブラナ科のため、菜の花のようにたくさんの蕾をつけます。大根のような蕾の付け方です。

芥藍の花

芥藍の花

芥藍の花も、やっぱり大根の花系。

花をつけた芥藍

花をつけた芥藍

蕾の数は非常にたくさんです。

後にそこから白い花が咲き誇り出しました。

芥藍の花

芥藍の花

水を吸いやすいように根側の茎を少しだけ切って後はコップに挿して水を入れるだけです。

芥藍の花

芥藍の花

「新春」がよく似会う白い花です。

芥藍の花 アップ

芥藍の花 アップ

アップで撮った芥藍の花。早朝に撮ったため少し光が少なくて鮮明さに欠けますが、生で観ると早朝の柔らかい光によく合う花でした。

芥藍の花

芥藍の花

芥藍の実

芥藍菜の実

芥藍菜の実

芥藍は花をつけただけでなく、実まで結びました。

すごい生命力です。

白い粉は「汚れ」ではなく「鎧」

市場で新鮮な芥藍(カイラン)を見つけた時、葉の表面が白っぽく粉を吹いていることに気づくでしょう。これを農薬や汚れだと思って必死に洗い落としてはいけません。

これは「ブルーム(果粉)」と呼ばれる、植物自身が分泌する天然のワックス成分です。この蝋(ろう)の鎧を纏(まと)うことで、彼らは雨水を弾き、病原菌の侵入を防ぎ、そして過酷な太陽光から水分の蒸発を守っています。 調理の直前までこの粉が残っていること。それこそが、収穫後も彼らがまだ鮮度を保ち、生きようとしている証拠です。食べる直前にさっと水で流すだけで十分。その白さは、彼らの誇り高き勲章なのです。

ブロッコリーが忘れた「原点」

芥藍を一口食べると、ブロッコリーの茎に似た風味を感じるはずです。それもそのはず、芥藍はブロッコリーの「原種(オリジン)」に近い姿を留めている野菜だからです。

進化の過程で、花蕾(つぼみ)だけを異常に肥大化させる道を選んだのがブロッコリーです。対して、芥藍は「茎」と「葉」、そして「若い花」のバランスを崩すことなく、植物としての均整の取れたプロポーションを維持しました。 ブロッコリーでは捨てられがちな茎こそが、芥藍では主役です。太い茎に蓄えられた甘みと、コリコリとした歯ごたえ。それは、特定の部位だけを強化しすぎた現代の野菜が失ってしまった、野生味あふれる「全体性(ホールフード)」の味わいです。

硬い皮を剥く「翡翠(ひすい)への儀式」

芥藍の茎は、そのままでは少し硬すぎることがあります。特に根元に近い部分は、繊維が強く、口に障ることがあるでしょう。

下処理として、根元の皮を薄く剥くことをお勧めします。ピーラーを一撫(ひとな)でして硬い外皮を取り除くと、中から艶やかで瑞々しい「翡翠色」の芯が現れます。 この芯の部分こそが、芥藍の魂です。外側の繊維質という鎧を脱がせることで、加熱した時にとろけるような柔らかさと、アスパラガスを超える濃厚な甘みが解放されます。手間を惜しまず、食材の核に触れること。それが美食への近道です。

「油」と出会うために生まれた構造

なぜ、芥藍は中華料理、特に炒め物でこれほどまでに重宝されるのでしょうか。それは、彼らの葉が「油」と驚くほど相性が良いからです。

ほうれん草などの軟弱な葉野菜は、強い火力や油に触れるとすぐにへたってしまいます。しかし、芥藍の厚みのある葉と丈夫な茎は、高温の油を浴びてもその構造(テクスチャ)を崩しません。 むしろ、油膜(オイルコーティング)を纏うことで、鮮やかな緑色はより一層輝きを増し、青臭さが消え、香ばしさが引き立ちます。「油通し」という技法は、まさに彼らのためにあるようなものです。彼らは油で汚れるのではなく、油というドレスを着て初めて完成するのです。

「花」を食べるという優雅な野蛮

多くの葉野菜において、花が咲くこと(トウ立ち)は「老化」を意味し、味が落ちるサインとされます。しかし、芥藍は違います。

黄色や白の小さな花が咲き始めた頃が、最も柔らかく、風味豊かであるとされる稀有な野菜です。蕾のほろ苦さと、花の可憐な食感。花、茎、葉を一度に口に運ぶとき、私たちは植物のライフサイクル(一生)を丸ごと味わっていることになります。 「花を食べる」。その行為には、どこか背徳的で、かつ洗練された食文化の遊び心が宿っています。満開になる直前の、生命力が凝縮された一瞬を逃さないでください。

アブラナ科

Category:植物

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