自給自足できるようになれば

新規創業者の10年以内の廃業率から考えると、収益を年間で0から100万円にするのは意外と一番難しく、100万円から1000万円までもまあまあ難しく、1000万円から1億円は比較的容易でそれ以降もどんどん簡単になっていくというのが実際のところではないでしょうか。

どういう流れでそうなったのかはわかりませんが、独立することが推奨されてきたような感じになり、幾多の事業者が登場しましたが、実質的に成り立っているのはごくわずかで、以前から統計で出ているように創業から10年以上持つ企業というのは10%にも満たないというのが事実ということはこれからもあまり変わりは無いのかもしれません。

しかもその中には、個人が節税のために設立したペーパーカンパニーがあったり、本来は潰れていてもおかしくないのに、親などがお金を貸して無理に存続しているというものも含まれているので、現実は統計よりももっとシビアというのが実情でしょう。

これは、ある意味での自給自足、自分の分くらいは自分で稼ぐということが叶っていないということになりますが、今までに出会って廃業していった人達を見る限り、「根本からズレている」というのがその原因だと思っています。

廃業に向かっていく「根本的なズレ」

ものすごい営業力であったり、複雑な会計処理ができるというような能力などは必要ありませんが、ある程度必須条件となっている要素があり、ある程度の収益を上げるにはそれをパスすることはできないと思っています。

人のお役に立つということと、基本的な収益の構造がある程度成り立っていれば、勤め人で給料をもらうくらいは楽勝であるはずですが、そうした基本がズレているというケースはよくあります。

よく初期投資がかからないからとコンサルタントになるような人もいますが、逆の立場だったとして、どういう経緯があればその価格で依頼をするのかということを考えたこともないという音痴な感じがする人も結構います。

独りよがり感満載のサービス

また、独りよがり感満載の人も結構います。そうした人たちはモテをこじらせていて「自分のセンス」を誰かは高く買ってくれるだろうという感じでサービスを始めたりしますが、概ね開業してすぐに現実にぶち当たるでしょう。

しかしそこで落胆するか、サービスを改良するかというところが、ビジネスセンスの見せ所です。

技術があろうがセンスがあろうが、お金を払う人が求めていなければ商売は成り立ちません。

ある種大衆に合わせるのか、それとも広く活動して少数のマニアを捕まえるのか、ニーズ自体を作り出すのかは事業体における経営判断ですが、現実として収益が上がらないのであれば、ビジネスとしては成り立たない、というのは事実なので致し方ありません。

相手に媚びを売るという必要はありませんが、少なくともお金を払ってでも利用したいと思ってもらえるものでないと収益が上がるわけがないのは小学生でもわかりそうなものです。

起業や「感性を売る」という響き

しかし、起業という響きや「感性を売る」的な感じに感化されて、こじらせたモテたい意識を中心として経済社会に飛び込んでしまうとしばらくは持つかもしれませんが、いずれ廃業組の方に入らざるを得なくなります。

冷静に逆の立場になって、「自分ならばお金を払うのか」を考えれば根本的なズレは解消されます。

また、それとは別に、根本的に自給自足を叶える分すら稼げないという収益構造を持ったものにもかかわらず、広く「仕事」とか「事業」ということで、手を出してしまうというケースもあります。

「バイトしている方が稼げる」というような感じです。

似て非なる「投資的な性質を持つもの」と「いずれ評価される」

まあそれでも、最初は低収益でも継続することでいずれ膨大な利益をもたらすという投資的な性質を持つものならば、実施する価値もあると思いますが、先の「モテのこじらせ」と相まって、「いずれ評価される」ということで盲目的になる人もいるのでなんとも言えない部分もあります。

もちろん最初はそれでも構いませんが、気付いて修正しない限りいずれ成り立たなくなるというは法則なので仕方がありません。

変なマルチ商法や変な事業などに手を出している人や手を出しかけている人に対して頭ごなしに「ダメですよ」といっても逆上されて嫌われるだけなので少し困りものです。

しかし言わなくともいずれ来る現実が事実を突きつけてくれるので、傍はそっとしておくのが一番かもしれません。

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