プレグナンツの原理(プレグナンツの法則)は、視野に与えられた図形が全体として、近接の要因、類同の要因、閉合の要因、よい連続の要因など、最も単純で最も規則的で安定した秩序ある形にまとまろうとする傾向で、ゲシュタルト心理学の中心概念。体制化が単純・簡潔な方向無向かって起こる傾向を意味する。なお、傾向を意味することから「プレグナンツの傾向」とも呼ばれる。
知覚される世界は様々なまとまり方があるが、その一つだけが選ばれて知覚される。そうした知覚される世界が簡潔な秩序あるまとまりをなそうとする方向へと導く原理がプレグナンつの原理である。これは視野が全体として最も単純で簡潔な秩序のある「まとまり」になろうとする傾向を意味するが、刺激配置によって、群化や「まとまり」の要因が複数に共存する場合もあり、各々の要因が群化の際に競合する場合もあれば、同じ方向に強化される場合もある。
ヴェルトハイマーは、「よい形態の法則」と呼び、具体的には、近接・類同・共通運命・閉合・よい連続・よい形・客観的態度の要因など群化・体制化の法則に従う。知覚の体制化において単純・簡潔で、統一的な結果を実現させる「傾向」がプレグナンツの原理(プレグナンツの法則)である。なおプレグナンツとは「簡潔さ」を意味する。
群化の法則(体制化の法則)
群化(perceptual grouping)の法則、または体制化(perceptual organization)の法則は、ものを見るときに、ある法則に従ってまとまりをつくろうとする傾向として、図として知覚されたいくつかのものが、あるまとまりをもって現われるという傾向である。
様々なまとまりの傾向の中、視野の中に全体として最も簡潔な秩序あるまとまりとして見ようとする傾向がプレグナンツの原理(プレグナンツの法則)である。
群化の要因(ゲシュタルト要因/知覚の体制化の要因)
群化の要因(ゲシュタルト要因/知覚の体制化の要因)には、近接の要因、良い連続の要因、良い形の要因、共通運命の要因、類同の要因、閉合の要因、客観的態度の要因、経験の要因といった要因がある。なおこれらは、心理学者ヴェルトハイマーによる分類である。
近接の要因
近接の要因(factor of proximity)とは、他の条件が一定な
らば、近いものがまとまり群を形成するという要因である。
良い連続の要因
良い連続の要因(factor of good continuity)とは、良い連続、なめらかな連続をなすものが、まとまり群を形成するという要因である。
良い形の要因
良い形の要因(factor of good form)とは、簡潔、規則
的、同一幅、シンメトリーというような形が要因となり、そうでない形よりもまとまる傾向のこと。
共通運命の要因
共通運命の要因(factor of common fate)とは、「運命を共にする」といったように、同一の動きをしたり同じ変化をするといったものはものはまとまる傾向があるという要因である。
類同の要因
類同の要因(factor of similarity)とは、多くの種類の対象
があるとき、他の条件が一定ならば、同じ種類の対象がまと
まりとして知覚されるという要因である。
閉合の要因
閉合の要因(factor of closure)とは、「閉じた領域をつくる
もの」はまとまる傾向にあるという要因である。
客観的態度の要因
客観的態度の要因(factor of objective set)とは、図形が継時的に提示されるとき、その経過の状態によってまとまり方が影響を受ける傾向かあるという要因である。まとまり方が「見る者の主観」ではなく「図形の時系列的変化によって客観的にもたらされる」ということから客観的態度の要因と呼ばれる。
経験の要因
経験の要因(factor of experience)とは、あるまとまりを何度も経験するとそのまとまりが他のまとまりよりも現れやすくなる傾向としての要因である。この要因は他の要因があまり強く働かない時に効果的になる。
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