同情の中の幸福
同情は、快楽を含み、また少量で優越を味わわせる感覚として、自殺の解毒剤となる。それはわれわれから洩れ出て、心を満たし、恐怖と無感覚を追い払い、言葉や、嘆息や、行為などをつのらせる。 曙光 136 中腹 もし同情の中に優越感を感じたとしても、相手との比較の中での感情にしかすぎず、そうした相対的な尺度がまた、自分を苦しめる原因になります。
最初のキリスト教徒
聖書の中には、最も野心的で最も厚顔な魂が備わり、また、抜け目がないと同様に迷信的でもある頭の持主である人の歴史、使徒パウロの歴史もやはり書かれているということ、― 若干の学者は別としても、誰がこれを知っているだろうか? ― パウロの書面を「精霊」の啓示として読むのでなく、われわれのあらゆる個人的な危機を考えないで、誠実な、そして自由な
哲学者と老齢
夕暮れをして昼間を判決させるのは懸命でない。なぜならそのとき疲労が力や成功や、善い意志などの判事になることが、あまりにもしばしばだからである。そこで全く同様に、老齢とそれの人生の判断とを顧慮する最高の慎重な態度が必要であるだろう。 曙光 542 序文 哲学者と老齢ということで、老いていくに従って訪れる頭の回転の低下を少しばかり実感して
信者の値打ち
自分が信仰されることに重点をおき、この信仰に対して、だれにでも― たとえ十字架上の犯罪人であっても― 天国を保証する者は、恐ろしい絶望に苦しみ、あらゆる種類の苦業を知った者に違いない。そうでなければ、彼はその信者をそんなに高く買うことはしないであろう。 曙光 67 曙光の一書は、宗教絡みが多いですね。 信者の値打ちということで、催眠商
どのようにして化石になるか
宝石のように、ゆっくり、ゆっくり硬くなる― そして最後に静かに、永遠の喜びに横たわったままである。 曙光 541 化石や宝石ということで、いままでに見た宝石の中で印象に残っているのは、20代はじめくらいに宝石屋に勤めている友人に優良顧客用展示会の招待状をもらい、会場で見せてもらったバカでかいアレキサンドライトです。光の質によって色が変
幻想能力
中世全体を通して、最高の人間性本来の、また決定的な特徴とみなされたものは、人間は幻想― すなわち、ひどい精神的な障碍!― の能力があるということであった。 曙光 66 序文 幻想能力ということで、20歳位のときですが、小説を読んで横になり、うとうとしてそのまま眠りにつくとすごく夢の中が楽しくて仕方ありませんでした。 この現象を取り扱う
習得
習得ということで、学力や習い事についてでも書いていきましょう。先日「われわれ初心者!」の中でも学力について少し触れていましたね。 僕には各分野特に師匠的な人はいませんが、学力をつけたり物事を習得していく場合には、「良い先生」に出会えるかどうかが結構なキーポイントだと思っています。 小さい時にピアノを習っていましたが、特に上手く弾けるわ
バラモン教とキリスト教
力の感情のための処方がある。第一に、自制することができる人々、それによってすでにある力の感情に精通している人々に対して。第二に、まさにこの感情が欠けている人々に対して。第一の種類の人間はバラモン教が世話し、第二の種類の人間はキリスト教が世話した。 曙光 65 この部分は、全体像が掴めればわかるような話ですが、予備知識無しでは紐解くこと
諸君は自分が何を望んでいるか実際に知っているか?
諸君はあらゆる認識の洞窟の中で、諸君自身の幽霊を、諸君に対して真理が変装した蜘蛛の巣として再発見することを恐れてはいないか?諸君がそのように無思慮に共演したいと思うのは、恐ろしい喜劇ではないのか?― 曙光 539 文末 同じような内容のことを先程書いたので、「諸君は自分が何を望んでいるか実際に知っているか?」についてはどうしましょう。
絶望する人々
何かに絶望して、絶望したままだと、また絶望を味わうような現実が展開されていきます。 絶望とか希望とか願望なんてなものは、アイツの演算結果であって、本来は存在しないものです。 絶望は期待への諦め、自分が望んだとおりには進まないという状態を体感した時にやってきます。 ということで普通、絶望の手前には何某かの希望や期待、願望があったはずです
天才の道徳的な狂気
世の中でなされる悪の四分の三は、恐怖感から起こる。そして恐怖感は、何よりもまず生理学的な現象である! 曙光 538 末 天才の道徳的な狂気ということで、世の中の様々な活動を見てみると、とりわけ歴史なんかを読み込んでいくと、「この人たちは、結局何がしたかったんだろう?」と思うような出来事がたくさんあります。 後世に天才と評価されるからに
隣人憎悪
他人が自分自身を感じるとおりに、われわれが他人を感じるとすれば― ショーペンハウアーが同情と呼ぶもの、そしてもっと正確には、苦しみをひとつにすること、共に苦しむことといえるものだが―、他人が自分自身を、パスカルのように、憎むべきものと感じるときには、われわれは他人を憎まなければならないであろう。 曙光 63 前半 隣人憎悪ということで
老練
実行に当って、摑み損ねもなく、躊躇もなくなるときが老練に達するときである。 曙光 537 老練ということで、何事もプロの領域に達すると、迷いもなくものすごい判断の速さと実行をもって素早くこなしてしまうようになります。 以前何処かで書いたと思いますが、仕事をしているようでも結構な空回り時間があり、あれこれ判断を決め兼ねているとドンドン進
短気な人間はどこでわかるか
戦い合い、あるいは愛し合い、あるいは敬慕し合う二人の人間のうち、短気な方の人間はいつもわずらわしい方の役割を引き受ける。同じことが二つの民族にもあてはまる。 曙光 398 短気というものは非難されがちです。しかし引用は、まあ「気が短い」というだけでそれが良いとも悪いとも言っていないところが面白いですね。 いつでも心地よい、快い状態でい
拇指じめ
拇指(おやゆび)じめということのようです。 うーん。 と考えましたが、ひとまずIQOS(アイコス)という電子タバコを吸っている人に対する変な印象についての答えが先日わかりましたので書いておきます。 「拇指しゃぶりに見える」 という違和感です。 スーツを着た大の大人が、拇指をしゃぶっているように見えてくるのです。 さあアイコスを吸ってい
陶酔と養育
民衆というものはひどく欺かれる。彼らはいつも欺く者を、つまりその感覚を興奮させる酒を求めるからである。彼らは、それを手に入れさえすれば、粗悪なパンで十分満足する。彼らには、食物よりも陶酔の方が価値がある。 曙光 188 序 まあ有名な3S政策などなど、人を陶酔させることで、関心を逸らすということは大昔から社会の中で行われています。 な
真理は力を必要とする
たとえ口の上手な啓蒙主義者がいかにその反対を言うことに慣れていようとも、― 真理はそれ自体では断じて力ではない!― 真理はむしろ力を自分の味方に引き付けるか、あるいは力の味方になるか、でなければならない。 曙光 535 前半 社会を見渡してみると「力を手に入れなければならない」というような印象が多いですが、力は手に入れるものではありま
同情されること
未開人の間では、同情されることに道徳的な恐怖心が抱かれている。同情されると彼らはすっかり徳を失ってしまう。同情を与えることは、軽蔑することと同じくらいのことを意味する。 曙光 135 序 経済的に貧困国とされている国の人達でも、金銭援助をされることに対しては少し抵抗感を持っているというケースがあります。 もちろん実質的にはありがたいは
僅かな服用量
自然界の中では、すごく危険な植物をはじめ、ちょっとの量でえらい目にあうような物質が意外とたくさんあります。 触っただけでもダメというものもありつつ、でもたいていのものは大丈夫なので普段はあまり気にしていませんが、ある植物の葉っぱでおしりを拭いて、その激痛に耐えかねて自殺したと言うケースもあるほど危ない植物もいるくらいですから、むやみに
宗教の起源について
事物について自分自身の意見をどうして啓示として感じることができるのか?これは宗教の発生の問題である。 曙光 62 序 宗教の起源は、埋葬やシンボルの登場、自然信仰、岩石信仰(巨岩信仰)などなどといったところですが、そうした原始的なものから、文化社会的な都合で妄想されてきたものがほとんどです。 理性では理解できないモノへの畏怖や未知のも

心にググっと群馬県 2017 番外編
ひとまず今回の心にググっと群馬県2017を投稿してみましたが、まずは写真をという感じだったので、追々追記していくかもしれません。 今回も、心にググっと群馬県 2017 番外編として、合間合間にあった出来事をちょろちょろ書いていきます。 行きはそうでもなかったのですが、栃木・群馬から帰り道、道路上でたくさんの動物に出会いました。出現した

やすらぎの栃木路 2017 中禅寺湖
群馬県から栃木県に突入し、まずお出迎えしてくれるのが中禅寺湖です。 以前もいろは坂を走りに来たときに見てビビッときました。 やすらぎの栃木路 2015 いろは坂 今回は、夕暮れ時の中禅寺湖です。風もキレイですごく心地よい時間を過ごすことができました。 夕暮れ時の中禅寺湖 日が暮れる少し前の中禅寺湖。 (写り込んでいる人はもちろん僕では

心にググっと群馬県 2017 吹割の滝
赤城山の大沼を経由して向かうは日光方面ですが、一昨年やたらと車が混んでいたところがあったので、今年は立ち寄ってみることにしました。ということで吹割の滝です。 本当は尾瀬国立公園に行こうと思ったのですが、なんだか車を駐めてそこからバスで移動してさらに徒歩で1時間くらいという謎の苦行を強いられるようですので、パスしました。 尾瀬に行くなら

心にググっと群馬県 2017 榛名湖と大沼
高崎のガトーフェスタハラダの後は高崎市内をぐるぐる、そしてやはり榛名湖の方に行きました。 榛名湖へ向かう道中、間接的なご縁のある酒屋さんに行ったり、榛名神社にふらっと立ち寄ったりしました。 榛名神社鳥居前にある榛名簡易郵便局。味のある簡易郵便局です。 榛名神社 いつもとは違うルートで榛名湖の方に向かったので、今回のルート場にあった榛名

心にググっと群馬県 2017 ガトーフェスタハラダ
ビーナスラインを越え、いつものごとく和田峠を走ったのですが、前に走るトラックが凄まじく速く、やっぱりこの辺の人はすごいなぁと感心しました。 ということで、軽井沢を経由して碓氷峠へ。 と思ったらフラフラだったからか碓氷パイパスの方に行ってしまい、一往復しました。 この日は体にもガタが来ており、碓氷の連続コーナーで吐きそうになり、碓氷を抜

しあわせ信州 2017 ビーナスライン~美ヶ原
今回の長野県のお楽しみは諏訪湖とさんれーく、そしてビーナスラインです。 毎度毎度下道しか走らないのは、峠を走ることを満喫するのと、ご当地の隠れたスポットを発見するためだからという感じです。目的地に行くことが目的なら高速道路を使いますが、冒険の旅は旅すがらに楽しみがあるものだと思っています。 ということで、ビーナスラインです。 全国を走

しあわせ信州 2017 諏訪湖&さんれーく
旅行記第一弾は、しあわせ信州 2017ということで、まずは、諏訪湖とさんれーく岡谷店について投稿します。諏訪湖では「諏訪湖クルージング」として諏訪湖遊覧船おやこはくちょう丸に乗船しました。 さんれーく 岡谷店 諏訪湖クルージング 諏訪湖遊覧船おやこはくちょう丸 今回は朝出発だったのですが、まあ諏訪湖まではだいたい京都から340キロくら
われわれ初心者!
俳優が他の俳優の演技を見るとき、彼は何と一切のものを推測したり見て取ったりしていることだろう! 中略 他方画家が、彼の前で動いている人間をどんなに別様に見ることであろう! 曙光 533 抜粋 合気道の袴は、相手に膝の動きをさとられないためにブカブカであると聞いたことがあります。 一方、画家はピカソ等々平面空間を抽象的に統合して捉えたり
必要な犠牲
「何かを成し遂げるためには、何かを犠牲にしなければならない」 はい。体育会系ですね。 ということで、特に何かを成し遂げなくてもいいですし、何かを犠牲にすることもありません。犠牲がないと何かを手に入れなれない、というようなことを思う必要はありません。 必要な犠牲ということで、何かのためには、何かしら犠牲が必要であるという様な論調がよくあ
「愛は平等にする。」
愛は、それが一身を捧げる相手から、よそよそしさの感情をすべてなくそうとする。したがって愛は偽装と擬態とで満ち満ちている。愛は絶えず欺き、実際には存在しない平等のお芝居をする。 曙光 532 前半 平等ということなので、絶対的なモノの見方と相対的なモノの見方についてでも書いていきます。 平等が語られる時は、だいたい社会目線です。経済学の