苺(いちご)は、バラ科バラ亜科オランダイチゴ属の多年草です。正字は「莓」で、一期と表記することもあります。また、覆盆子と呼ばれることもあります。単に苺(いちご)と呼ぶ時は、属名にもなっているオランダイチゴを指します。
毎度おなじみの果実ですが、我が家のイチゴが花をつけたので写真を載せておきます。
いちごの花
苺(いちご)の花です。
いちごの葉
苺(いちご)の葉はこんな感じです。

苺(いちご)の葉2
果実

いちご
おなじみのイチゴはこちら。

落花後の莓(いちご)
花が落ちた莓。実はできるかな?
(2020年5月追加)

苺(いちご)の果実ができてきた
できてきたよ!
学名:Fragaria ananassa
その赤は「果実」ではないという嘘
私たちが「イチゴの実」と呼んで愛おしんでいるあの赤く甘い部分。実は、植物学的には果実ではありません。あれは「花托(かたく)」と呼ばれる、茎の先端が肥大化したクッションのようなものです。本当の果実はどこにあるのかといえば、表面に散らばっているあの無数の「ツブツブ」です。あの一粒一粒の中に種が入っており、植物学上の正式な果実(痩果)です。
つまり、私たちは果実そのものではなく、果実を乗せるための「座布団」を食べていることになります。しかし、種を運んでもらうために、本体である種子(ツブツブ)よりも、その付属品(花托)の方を圧倒的に甘く、香しく、魅力的に進化させたイチゴの生存戦略には、あざといまでの賢さを感じずにはいられません。
大航海時代が生んだ「奇跡のハーフ」
現在、世界中で食べられているイチゴの学名は Fragaria × ananassa(オランダイチゴ)と言いますが、この「×」は交配種であることを示しています。実は、この美味しいイチゴは自然界にもともと存在していたものではありません。18世紀、大航海時代によって運命的に出会った「北米産のバージニア種」と「南米産のチリ種」が、ヨーロッパ(オランダ)で交雑して生まれた「奇跡のハーフ」です。
北米の持つ「風味」と、南米の持つ「大きさ」。大陸を超えた二つの遺伝子が偶然混ざり合うことで、それまでの野生の野イチゴとは比較にならない、甘くて大きな果実が誕生しました。私たちが頬張るその一口には、人類の移動と探求の歴史が凝縮されています。
ミツバチという名の「彫刻家」
イチゴがきれいな円錐形をしているのは、農家の努力だけではありません。それは、受粉を担うミツバチたちの完璧な仕事の結果です。イチゴの花には多数の雌しべがあり、そのすべてが受粉して初めて、花托全体が均一に膨らみます。もし受粉が不完全だと、その部分だけ成長せず、いびつな形のイチゴになってしまいます。
ハウスの中で飛び回るミツバチたちは、単なる運び屋ではなく、果実の形を整える彫刻家でもあります。あの整った美しい形は、虫たちが花の上をまんべんなく歩き回ったという、勤勉さの証明書なのです。
「太郎」を捨て、「次郎」を愛する非情
イチゴは「ランナー(走出枝)」と呼ばれるつるを伸ばし、地面を這うようにして新しい株(クローン)を次々と作ります。このとき、親株から最初に伸びた株を「太郎」、その次を「次郎」、さらに「三郎」と呼びます。プロの農家は、最初の子供である「太郎株」を容赦なく切り捨てることがあります。
太郎株は親に近すぎて病気を受け継ぎやすかったり、生育が不安定だったりするためです。より若々しく健全な「次郎株」や「三郎株」を次世代のエースとして採用する。この「長子を捨てる」という非情な決断こそが、来シーズンの豊作を約束する鍵となります。血を分けたクローンであっても、そこには厳格な選別の目が向けられているのです。
洗うのは「ヘタ」を取る前か、後か
食卓における永遠の論争に、科学的な終止符を打ちましょう。イチゴを洗うときは、必ず「ヘタをつけたまま」洗ってください。ヘタを取ってから水に浸けると、その切断面から豊富なビタミンCが水に溶け出し、逆に水っぽさが果実内に入り込んでしまいます。
味が薄まり、栄養も逃げる。ヘタを先に取る行為にメリットは何一つありません。食べる直前に優しく水洗いし、口に入れるその瞬間にヘタを取る。そのわずかな手順の違いが、イチゴに対する敬意であり、そのポテンシャルを最大限に味わうための作法です。
バラ科
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