君子蘭(クンシラン)

君子蘭(クンシラン)

君子蘭(クンシラン)は南アフリカ原産のヒガンバナ科クンシラン属の常緑性多年草です。ということで、名前に蘭(ラン)がついていますが、ラン科ではありません(ユリ科に含められることもあるようです)。葉は結構しっかりしていて、やや赤寄りのオレンジ色の花を咲かせます。

この君子蘭(クンシラン)は、学名からクリビア(Clivia)と呼ばれたりもします。一般的なクンシランは、花が上を向いて咲くウケザキクンシラン(学名:Clivia miniata クリビア・ミニアタ)を指します。元々はクリビア・ノビリス(Clivia nobilis)の和名が「君子蘭」だったようですが、ウケザキクンシランの普及に伴い、という感じのようです。なお、あまり葉と花茎が短めでギュッとなっている品種はダルマクンシランと呼ぶようです。

君子蘭 クンシラン

君子蘭 クンシラン

君子蘭(クンシラン)は、 葉が肉厚なので乾燥には強めですが、寒さには弱いようです。日陰でも育ちますが、日差しが強すぎると葉焼けするので、あまり強い日光には当てないほうが良いようです。葉の模様を楽しむことができる「斑入り種」や花の色が黄色の品種もあるようです。

君子蘭の花

クンシランの花

クンシランの花

鮮やかなオレンジが印象的な君子蘭(クンシラン)の花。太い花茎の先に半球状のオレンジの花が多数集まる形で咲きます。

アフリカ原産という感じがします。

クンシラン君も我が家の中では古株になりますが、いつまでも元気です。2015年には脇から出てきた息子も花を咲かせました。

君子蘭 クンシラン 花

君子蘭 クンシラン 花

2020年の開花の様子。

君子蘭 クンシラン 花2

君子蘭 クンシラン 花2

我が家ではほぼ毎年のように花をつけていますが、1度か2度ほど花をつけなかったことがあります。

君子蘭(クンシラン)の花

君子蘭(クンシラン)の花

クンシランくんは、気温10℃以下の環境にしばらくいないと花を咲かせないそうですが、あまりに寒すぎるとそれはそれで弱ってしまいます。冬場は玄関の中に移動してもらうのがベストでしょう。

君子蘭(クンシラン)の花

君子蘭(クンシラン)の花

なお、黄花(キバナクンシラン)や緑色花の品種もいるようです。

君子蘭の葉

君子蘭(クンシラン)の葉

君子蘭(クンシラン)の葉

アフリカ原産ということもあってか肉厚な君子蘭(クンシラン)の葉。なお、葉の模様を楽しむことができる「斑入り種」もあるようです。

君子蘭(クンシラン)の葉の付け根

君子蘭(クンシラン)の葉の付け根

このような感じで葉が密集しながら内側からどんどん出てきます。

強い直射日光は葉焼けの原因となるため、日差しの強い春から秋の間は半日陰に置いたほうが良いようです。

学名: Clivia

「蘭」の名を騙る、高貴な嘘

その名に「蘭」とついていますが、植物学的な出自を明かせば、クンシランは蘭の仲間ではありません。彼らはヒガンバナ科、つまりあの彼岸花やアマリリスの親戚にあたります。

しかし、この命名を誰も責めないのは、彼らの葉の重なりや佇まいが、本物の東洋蘭に匹敵する、あるいは凌駕するほどの品格(君子としての徳)を備えているからでしょう。蘭のような気難しさはなく、ヒガンバナ科特有の強靭な生命力を持つ。この「高貴な嘘」こそが、園芸初心者から玄人までを虜にする、クンシランの最大の魅力であり、したたかな生存戦略です。

土の中で窒息する「うどん」

クンシランを植え替えたことがある方なら、その異様な根の姿に驚いたはずです。鉢の中には、うどんのように太く、白く、多肉質な根がとぐろを巻いています。

この根は、水分を蓄えるタンクの役割を果たしていますが、同時に「呼吸」を強く求めています。プロフェッショナルが最も恐れるのは、水のやりすぎによる根腐れよりも、土の目が詰まって酸素が行き渡らなくなる「窒息」です。彼らの根は、土に埋まるというより、岩の隙間に挟まっているような通気性を好みます。だからこそ、普通の草花用培養土ではなく、軽石やバークチップを混ぜた、スカスカの土壌を用意してあげる優しさが必要です。

「寒さ」という名のスイッチ

暖房の効いたリビングで大切に育てているのに、なぜか花が咲かない。その原因のほとんどは「過保護」にあります。クンシランが花芽を作るためには、冬の間、約60日間にわたって5度〜10度という「低温」にさらされる必要があります。

この寒さという試練を与えられて初めて、彼らの体内で「春が来たら子孫を残さねば」という危機感(花芽分化)のスイッチが入ります。冬の間は暖房のない玄関や廊下に置き、寒さを肌で感じさせること。一見冷酷に見えるこの仕打ちこそが、春に豪華なオレンジ色の花冠を戴くための、避けては通れない儀式なのです。

「首が詰まる」悲劇を回避せよ

待ちに待った開花の時、花茎(ステム)が十分に伸びず、葉の間に埋もれるように窮屈に咲いてしまうことがあります。これを愛好家たちは「首が詰まる」と呼び、最も無念な失敗と捉えます。

この現象は、花芽が伸びようとするタイミングで水不足になったり、気温が低すぎたりした場合に起こります。特に、蕾が見えてからの水やりは、ポンプで水を吸い上げるように茎を伸ばすための動力源となります。寒さにあてる「厳しさ」と、蕾が見えたら水を与える「甘やかし」。この絶妙なアメとムチの使い分けこそが、スラリと首の伸びた美しい姿を完成させる鍵となります。

ペットよりも長い「半世紀」の旅

クンシランは、草花としては驚異的な長寿植物です。適切な管理をすれば、30年、40年、時には半世紀以上も生き続けます。

それはもはや、消費される園芸植物ではなく、人生を共にする伴侶、あるいは親から子へと受け継がれる「緑の家宝」です。株分けを繰り返し、増えた鉢を友人に分ける。その行為を通じて、あなたの育てたクンシランの遺伝子は、時間を超え、場所を超えて生き続けます。一枚の葉が増えるのに数ヶ月かかるスローな成長速度も、長い付き合いになることを思えば、心地よいリズムに感じられるはずです。

ヒガンバナ科

Category:植物

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