ネメシア・カエルレア(宿根ネメシア)

ネメシア・カエルレア(宿根ネメシア)

ネメシア・カエルレア(宿根ネメシア)は、ゴマノハグサ科ネメシア属の多年草です。白、紫に黄色が入る小さな花をたくさんつけます。その他ピンクや青など色合いを含む花もあるようです。

ネメシア・カエルレア(宿根ネメシア)2

ネメシア・カエルレア(宿根ネメシア)2

「ネメシア」の名を持つネメシア属は約60種存在するようで、一年草や多年草、亜灌木タイプなど様々な種類がいます。単にネメシアと呼ぶ時は、一年草の「ネメシア・ストルモサ(Nemesia strumosa)」を指すようです。だいたいのネメシアが南アフリカ原産など、アフリカ南部の固有属という感じのようです。

ネメシア・カエルレア(宿根ネメシア)

ネメシア・カエルレア(宿根ネメシア)

ネメシア・カエルレア(宿根ネメシア)は、茎が直立する形で生え、花茎が高く伸びます。宿根草かつ多年草ということで何年も生き、年数が経つと茎は若干木質化していくようですが、日本の環境下では持って数年という感じでそれまでの間に終わることが多いようです。

まあ長年生育し、木質化するようなタイプのネメシアは、亜灌木扱いされている種のネメシアということになるのでしょう。

ネメシア・カエルレアの花

ネメシア・カエルレア(宿根ネメシア)花

ネメシア・カエルレア(宿根ネメシア)花

ネメシア・カエルレア(宿根ネメシア)の花は唇形で、上側4枚、下側2枚の花びらで構成されています。

ネメシア・カエルレア(宿根ネメシア)花2

ネメシア・カエルレア(宿根ネメシア)花2

園芸品種においては、概ねこの上下の花弁は色が異なるようです。我が家のネメシア・カエルレア(宿根ネメシア)の花は、上4枚が紫系、下2枚が白系で真ん中が黄色という感じになっています。

ネメシア・カエルレアの葉

ネメシア・カエルレア(宿根ネメシア)葉

ネメシア・カエルレア(宿根ネメシア)葉

ネメシア・カエルレア(宿根ネメシア)の葉は先端が尖った長卵形ないし広披針形です。対生で鋸歯があります。

ネメシア・カエルレア(宿根ネメシア)葉2

ネメシア・カエルレア(宿根ネメシア)葉2

学名:Nemesia caerulea

ねめしあ・かえるれあ

「仮面」の裏にある秘密のポケット

ネメシアの愛らしい顔(花)を正面から見るだけでなく、ぜひ「横顔」や「後ろ姿」を観察してみてください。花の後ろ側に、角(ツノ)のように突き出した長い突起があることに気づくはずです。

これは植物学用語で「距(きょ)」と呼ばれる器官で、この袋の奥底に甘い蜜がたっぷりと貯蔵されています。ネメシアの花は、ただ可愛いから咲いているのではありません。正面の鮮やかな色は、空を飛ぶ虫たちへの看板であり、後ろの「距」は、訪れた者だけが味わえる報酬の隠し場所なのです。この立体的な構造美こそが、平面的な花にはないネメシアの造形的な深みです。

体重測定機能付きの「セキュリティ・ゲート」

ネメシアの花の形は、上下に唇(くちびる)が分かれた独特の形状をしています。下唇のぷっくりとした膨らみは、単なる飾りではありません。あれは、ハチが着陸するための「ランディング・パッド(着陸台)」なのです。

さらに驚くべきは、その開閉システムです。蜜への入り口は普段、固く閉ざされていますが、ハチが下唇に着陸し、その体重がかかった瞬間だけ、入り口がパカッと開く仕組みになっています。これは、花粉を運んでくれる特定の重さを持ったパートナー(ハチなど)だけを招き入れ、蜜だけを盗む小さなアリなどの侵入を防ぐための、厳重なセキュリティ・ゲートです。可憐に見えて、彼らは訪問者を厳しく選別しているのです。

記憶を呼び覚ます「お菓子」の香り

宿根ネメシア、特に白やピンク系の品種に顔を近づけると、花とは思えない香りに驚かされることがあります。それは、焼きたてのクッキーやバニラ、あるいはチョコレートを連想させる、甘く粉っぽい「お菓子(コンフェクショナリー)」の香りです。

バラやユリのようなフローラルな香りとは一線を画すこのグルマンな芳香は、人間の脳の深い部分にある、幼少期の甘い記憶を直接刺激します。視覚だけでなく、嗅覚を通しても幸福感を届けてくれる。それがネメシアという植物が持つ、他の草花にはない特殊な癒やしの力です。

「断髪」こそが再生へのポイント

日本の高温多湿な夏は、南アフリカ原産の彼らにとって過酷な試練です。梅雨入り前、まだ花が咲いている状態であっても、心を鬼にして草丈の半分、あるいは3分の1までバッサリと切り戻す「断髪」を行ってください。

初心者の方は「せっかく咲いているのにかわいそう」とハサミを入れるのを躊躇(ためら)いますが、その優しさこそが、夏に株を蒸れさせ、枯らしてしまう原因となります。葉を減らし、風通しを良くし、エネルギーを温存させる。この外科手術のような剪定こそが、秋に再び満開の花を見るための唯一の切符なのです。切ることは、植物を傷つけることではなく、次の季節へ命をつなぐための愛ある決断です。

一年草と宿根草、二つの生き方

園芸店には、鮮やかな原色に近い「一年草ネメシア」と、パステルカラーで優しい色合いの「宿根(しゅっこん)ネメシア」が並んでいます。これは単なる色の違いではなく、生き方の戦略の違いです。

一年草タイプは、短い命の中で爆発的に派手な花を咲かせ、種を残して燃え尽きる「短距離走者」です。一方、宿根タイプは、派手さを抑える代わりに、寒さや暑さに耐え、何年も生き続ける「長距離走者」です。あなたが庭に求めているのは、一瞬の熱狂的な色彩でしょうか、それとも季節ごとに再会できる穏やかな関係でしょうか。その答えによって、選ぶべきネメシアは変わってきます。

Category:植物

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