ストレチア・レギネ(極楽鳥花)

ストレチア・レギネ(極楽鳥花)

ストレチア・レギネ(極楽鳥花、ごくらくちょうか)は、バショウ科(分類体系によってはゴクラクチョウカ科)ストレリチア属の半耐寒性多年草です。英名でバード・オブ・パラダイス(bird of paradise)、バードオブパラダイスフラワーと呼ばれることから極楽鳥花と呼ばれます。もちろんその由来は、「花が極楽鳥に似ているから」という感じです。原作国は南アフリカです。

ストレチア・レギネ(極楽鳥花)2

ストレチア・レギネ(極楽鳥花)

オレンジと青紫の二色で構成された鳥のような鮮やかな花をつけます。

ストレチア・レギネ(極楽鳥花)

ストレチア・レギネ(極楽鳥花)

ストレチア・レギネ(極楽鳥花)の花

ストレチア・レギネ(極楽鳥花)の花

ストレチア・レギネ(極楽鳥花)の花

ストレチア・レギネ(極楽鳥花)の花は横に伸びる苞から立ち上がるように咲きます。3枚のオレンジの萼片の中に青紫の花弁をつけます。

ストレチア・レギネ(極楽鳥花)蕾

ストレチア・レギネ(極楽鳥花)蕾

ストレチア・レギネ(極楽鳥花)の葉

ストレチア・レギネ(極楽鳥花)の葉

ストレチア・レギネ(極楽鳥花)の葉

ストレチア・レギネ(極楽鳥花)の葉です。

学名:Strelitzia reginae

体重で作動する「生きた着陸装置」

ストレチアの花が鳥の形をしているのは、単に空を飛ぶ鳥に似ているからではありません。それは、本物の鳥を招き、着陸させるために計算され尽くした「滑走路」だからです。

南アフリカの原生地において、彼らのパートナーは「タイヨウチョウ(Sunbird)」という小さな鳥です。青い花弁(矢のような部分)は、鳥が止まるための止まり木になっています。驚くべきは、その仕掛けです。鳥がここに乗り、その体重がかかった瞬間、青い弁が左右に開き、隠されていた雄しべと雌しべがバネのように飛び出して、鳥の足やお腹に花粉を塗りつけます。特定の重さがかからないと開かない、体重感知式の自動ドアのようなシステム。あのユニークな形は、進化が生んだ精密機械なのです。

地下に潜む「陶器破り」の筋肉

地上部のスマートな姿からは想像もつきませんが、ストレチアを鉢植えで育てていると、ある日突然、鉢が割れていることがあります。これは彼らの根の仕業です。

土を掘り返すと、まるで白い大蛇か、あるいは巨大なニンジンのような、太くたくましい「肉質根(にくしつこん)」が現れます。この根には大量の水分が蓄えられており、乾燥したサバンナの気候に耐えうる貯水タンクの役割を果たしています。その成長圧力は凄まじく、プラスチックはもちろん、焼き締めの甘い陶器鉢なら内側から粉砕してしまいます。この地下の「暴力的なまでの生命力」こそが、彼らが過酷な環境を生き抜いてきた証であり、栽培者が畏敬の念を抱くポイントでもあります。

英国王妃への「捧げ物」

学名である Strelitzia reginae(ストレチア・レギネ)。この「レギネ」とは、ラテン語で「王妃の」という意味です。

18世紀、植物愛好家であった英国王ジョージ3世の王妃、シャーロット・オブ・メクレンバーグ=ストレリッツ(Charlotte of Mecklenburg-Strelitz)に献名されたものです。彼女の旧姓である「ストレリッツ家」と、「王妃(レギネ)」の名を組み合わせた、これ以上ない高貴な名前です。派手でエキゾチックな見た目ですが、そのルーツにはヨーロッパの宮廷文化と、王族への敬意が刻まれています。

オレンジと青の「補色」理論

ストレチアの花弁を芸術的な視点で見ると、自然界の色彩感覚に驚かされます。鮮やかな「オレンジ色」のガクと、深い「青色(紫)」の花弁。

この配色は、色相環において互いの色を最も引き立て合う「補色(反対色)」の関係にあります。ゴッホやフェルメールが好んだ配色のテクニックを、彼らは太古の昔から生存戦略として採用していました。強烈なコントラストは、遠くを飛ぶ鳥の目に留まるためのビーコン(標識)ですが、私たち人間にとっても、その配色は本能的に美しいと感じさせる黄金比のようなバランスを持っています。

「オーガスタ」との混同を正す

園芸店でよく見かける巨大な観葉植物「オーガスタ(ストレチア・ニコライ)」と、この「レギネ(極楽鳥花)」を混同しているケースが多々あります。

見分け方は簡単です。レギネは成長しても背丈は1〜2メートルほどで、オレンジ色の花を咲かせます。一方、ニコライ(オーガスタ)は野生下では10メートルにもなる巨木で、白い鳥のような花を咲かせます。レギネはあくまで「草花」の風情を残しますが、ニコライは「樹木」に近いスケール感を持ちます。部屋のサイズに合わせてどちらを招き入れるか、プロフェッショナルな選球眼が問われる場面です。

葉が割れるのは「仕様」です

美しい葉が風で裂けてしまうことを気にする方がいますが、これは決して病気や弱りではありません。

原生地の強い風を受け流すために、彼らの葉はあらかじめ裂けやすい構造になっています。バナナの葉と同じ原理です。あえて裂けることで、株ごと倒れるのを防いでいるのです。切れ込みが入った葉を「見苦しい」と嘆くのではなく、風と共に生きるための「機能美」として愛でること。それが、この植物と付き合う上での作法といえるでしょう。

Category:植物

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