アフォリズム 431-440
- 431.自然言語と意志
- 432.言いやすさ
- 433.飯のうまさ
- 434.動物との対話
- 435.無駄な動きの観察
- 436.ギアやクラッチ
- 437.存在や非存在
- 438.隠し通路
- 439.俗世間の評価の流動性
- 440.外界への依存
431.自然言語と意志
文法すら完全には解明されていない中、それでも自然言語を解析するというのはまあ結構だが、結局、表出された言語のみを扱い、奥にある意志を読み取れないという構造なのであれば、その言語の解析すら、中途半端なものにならざるをえないということは覚悟したまえ。
432.言いやすさ
言いやすいからといって、感情の矛先をそちらにばかり向けていても、一向に解決には向かわないよ。
「解決しなければ感情は落ち着かない」と思っているのなら、なおさらひとまずは冷静になりなさいよ。
433.飯のうまさ
飯のうまさは、それそのものの特性もさることながら、認識する働きである心がそちらにどれだけ向いているか、というようなものも大きく影響を与える。
434.動物との対話
動物と接してきた者は、伝えるということ、理解するということ、そして言語そのものがもたらす機能の限界をある程度理解しているはずである。
435.無駄な動きの観察
ぼんやりしている最中にも勝手に手が動く、足が動くという場合がある。こうしたものも、何かしら動かす意志があるからこそ動くという格好になっている。
そうした無駄な動きに気づき、抑制していると、意志の力は必要な部分にのみ集中するようになる。
436.ギアやクラッチ
ギアが合っていなかったり、クラッチがうまく繋がらず滑っていたりした場合、上手く動かないのは当たり前である。
いくら踏ん張ろうとも、空回りして吠えるだけになるか、エンストを起こすだろう。
437.存在や非存在
いたいとも思わなければ、いたくないとも思わない。
438.隠し通路
最上階の果てにゴールがあるわけではなく、途中の階に潜む隠し通路の先にゴールがある。
439.俗世間の評価の流動性
ただ単に共感性が欠如しており、人がためらうことを平気でやっているだけの者も、数字や肩書によって成功者と称される。それが俗世間である。
そうしたものは、何かがトラブルが起こると一部からは評価を失うが、利害を共にするものは評価をある程度継続する。そして、そうした事実を知らない者が、また数字や肩書によって評価を与える。
流動的であるが、構造上常に一部分が残るため、ある程度の地位を継続する。地位や数字にも波があるが、長期的に見て平均すれば、ある程度一定のものとなる。
440.外界への依存
どれだけ俗世間での能力を高め、環境を良くしても、外界への依存という構造が残っている限り、「揺るぎない安らぎ」は訪れない。
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