アフォリズム 461-470
- 461.些細な動機づけ
- 462.面倒なことは淡々と終わらせる
- 463.花への感想
- 464.啓示への執著
- 465.感情の特性の利用
- 466.他人が考えていることの推測
- 467.相手が考えていることを知ったあと
- 468.空気感と向き
- 469.臥した時の思考と緊張
- 470.厳密な原因
461.些細な動機づけ
一度意識に情報が入るとそれを外に吐き出したくなるような特性がある。「知ったことを話したくなる」というようなものになるが、こうした特性を利用して学習や調査を進めることもできる。
462.面倒なことは淡々と終わらせる
面倒臭いと思うようなことは、面倒だからこそすぐに淡々と終わらせることができる。面倒だと思った瞬間に生じた多少の怒り、その勢いを行動の点火に利用することができる。
463.花への感想
花を見てキレイだと思った場合、花自体は無属性であり、キレイという感想が意識の中で起こったということになる。その感想は、花自体がキレイであるという属性を絶対的に持っているということを示さず、花自体は見る対象として現象であり、それを見たというところに留まる。
464.啓示への執著
何かしら天からの啓示のようなものがあったとしても、それが「意識が生み出した妄想」でない保証はどこにもない。
万が一、本当に何かしらの啓示であったとしても、それを聞き、意識の中で論理をまとめ上げるというプロセスがあるため、完全な純度であるということは成り立ち得ない。
もし、本当に何か意味のあること、本当のことであったとしても、それを絶対視できるような根拠は不足している。根拠が不足しているものを絶対視するということは、単に「我が見解」への執著となる。
465.感情の特性の利用
意識の向きを明るい方に向けておけば、様々な感情を落ち着かせることよりも、その感情の特性を利用することの方に頭が働きだす。
466.他人が考えていることの推測
「他人が何を考えているのかわからない」と思う場合は、その人何を考えているのかを考え、なぜそう考えるのかを考え、なぜそう考えるのかの要因を考え、その考えが何かこの心に関係があるのか、ということを考え、それに捉われるに足りることなのかを考えていけば、「他人が何を考えていようが構わない」というような気持ちが生じてくる。
467.相手が考えていることを知ったあと
その人が考えていることがある程度の精度でわかってくると、その考え自体に嫌悪感が生じたり、その考えを修正させたくなったり、その考えに基づく行動を予測して狼狽えたりといったことが起こる。
端的には、相手が何を考えているのかをわかったとしても、その後の対処がわからない、というような状況である。
その場合は、相手との関係性の到達点を中心に検討すると必要最低限の対処が見えてくる。
相手との関係性により、その場限りなのであれば「相手の見解を修正する必要はない」ということ見切ることもできるため、怒りは静まる。
相手との関係性を保つ意図がありつつも、相手の考えを受け入れられない場合は、受け入れられる範囲での譲歩条件を考えるようになるだろう。そうなれば、それを超える場合の対処の方法も見えてくる。
いずれにしても関係を意図しない場合、その場を去り、関係性を断絶すればたいていのことは問題ではなくなる。
468.空気感と向き
直接の働きかけはしないにしても、ある人や場所の空気感は、意識の向きを変化させる。
この向きの変化は、直接的ではないにしても、現象の縁を変化させる。
469.臥した時の思考と緊張
臥した時は、体に力を入れなくていい分、体は休まりやすいが、一方で姿勢を保つことなどが必要でなくなるため、思考が働きやすい。
この時、生存本能からの恐怖心発端の思考が始まると、力を入れる必要はなくなっても、意識的な影響で緊張が走る。
このため、床に臥しても休まらない。
臥すことによって思考による緊張が走るのであれば、座ったり立ったりしている方が、体にとっても幾分負担は軽いという逆説的構造がある。
470.厳密な原因
厳密な原因は、それがある時に生じ、無い時には生じないものである。
この身体が生じた最初の原因は、父と母によるものであるが、父と母が亡くなっても、この身体は無くならないように、刹那前に生きていたことが、この身体の今の原因となっている。
ある出来事が原因であっても、今の苦悩の原因はその出来事ではなく、その出来事に持つ印象という格好になっている。
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