客観的に見るとだめなところもたくさんあるはずですが、アメリカはあらゆる面においてずっとトップです。勝手な定義ですが、アメリカが世界で一番であり続ける理由は、単にクリスマスに「It’s a Wonderful Life(素晴らしき哉、人生)」を放映しているからという理由だけだと思っています。
最初に観たときから、次に観るのは死ぬ直前にしようと勝手に決めていましたが、「うーんどうしようかな」と数ヶ月間迷った挙げ句、その禁を破り本日久々に一人で観てみました。
やはり嬉しいかな悲しいかな、1946年に公開されたこの映画を超えるものは他にはありません。
天使が出てくるためキリスト教的ではありますが根本的には仏教的です。そのあたりも含めて超えるものはない感じがします。
この映画は自分のために作られたものだと感じることができたら、それだけですぐに幸せであり、意識の方向が変わります。
自分の異なる人生、または、異なる人の人生を未来、現在、過去にわたって自由に移動するタイムラインというようなものがあります。ミルトン・エリクソン氏の手法です(その延長で具体化されたものは有効なこともありますが大したことがありません。解釈が入っているのでその解釈の分だけ限定的になります)。
共通項を取り出したり抽象的な体感に統合したりといろいろな方法がありますが、これは単に心理療法の域を超えています。
おそらく心理療法としか捉えられない人にとっては、その次元でしか見ることができません。
しかしながら、これはある意識の向きを変化させるという点においてそれ以上の構造を持っています。
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昨年から今年の春くらいにかけて、まさに「It’s a Wonderful Life(素晴らしき哉、人生)」のライン上をたどりたかっただけではないか、と思ったりしています。
一応辻褄自体は合っていますが、自我レベルでは意味不明な出来事がたくさん起こります。
その前にちょっとした出来事が起こることもありますが、出来事に荒らされずに意識を保っていると想像以上の結果になっていったりします。
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It’s a Wonderful Life(素晴らしき哉、人生)は、たくさんの名シーンがありますが、一番着目すべきは最後の少し前です。
主人公ジョージは、「自分が生まれてこなかった世界」を経て現実世界に戻り、現実の状況が変わったから意識の向きが変わったのではなく、意識の向きが変わってから状況が変化する結末に向かうという順序です。