アフォリズム 151-160
- 151.こじらせ坊やの晩年
- 152.問題視と楽しみ
- 153.辛さと笑い
- 154.仕事という伝家の宝刀
- 155.殴られない前提とモテの放棄
- 156.杜撰さと過失
- 157.怒りに関する筋違いの論調
- 158.宗教的矛盾と解釈変更
- 159.専門家と狭い世界
- 160.全自動で動く世界を傍観する
151.こじらせ坊やの晩年
ゲーテに関しては、世間一般の名の通り方から偉人扱いする前に、青年としていかに異性に対してこじらせていたかということを知った上で、晩年の落ち着きを感じるべきである。
152.問題視と楽しみ
何かしらの専門家としてあまりに偏見を成熟させると、事あるごとに事が問題に映り、映画も楽曲も何もかも楽しめなくなるという意味で、かなりの損をしている。
153.辛さと笑い
辛さというものは、時に爆笑の対象となる。何のための辛さかというと笑うための辛さであったという場合も数多い。
154.仕事という伝家の宝刀
何かしらの理由付けとして「仕事」という言葉を伝家の宝刀のように振り翳す者も多いが、理由として成り立っていない場合がよく見受けられる。
155.殴られない前提とモテの放棄
モテを放棄すると、「殴られない前提」で横暴な主張をする者を素早く排除することができる。
156.杜撰さと過失
その物事が起こった奥にある杜撰さの要因を突き詰めると、雑さとはまた別の軽視が含まれていることがある。配慮が意識に浮かばないということは、故意ではないからといって、一切悪意が含まれていないというわけではない。
157.怒りに関する筋違いの論調
怒りを生じさせた者の言動を棚上げして、怒る者を抑制のない者かのように仕立て上げるかのごとく、「少し耐えれば落ち着く、怒りを抑制せよ」というような筋違いの論調を稀に見かける。
158.宗教的矛盾と解釈変更
都合の良い部分は確定的に語り、あれこれ真理という言葉を使うわりに、矛盾があれば概念の解釈変更ですり抜けるというのが宗教の常である。
159.専門家と狭い世界
専門家はその狭い世界以外を理解しておらず、専門家ではない場合は専門的な世界を理解していない、というような八方塞がり感が人を彷徨わせる。
160.全自動で動く世界を傍観する
両手を離して一切を放棄するように、全自動で動く世界をただ傍観していると、些細なことでも、また時に生ずる怒りにすらも、穏やかな喜びを感じるようになる。
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