莧(ひゆ)は、アジア原産の一年草です。ヒユナ、バイアム、ジャワほうれん草という名称などで栽培され、葉を食用にします。
ヒユ属の種分化は分類により約20種~約300種と非常に多様で、雑種も多く分類は難しいようです。
莧(ひゆ)も夏の七草です。
葉鶏頭(ハゲイトウ)
葉鶏頭(ハゲイトウ)、雁来紅は、ヒユ科ヒユ属の一年草です。アマランサス(Amaranthus)の1種で、主に食用品種をヒユ(莧)と呼ぶようです。ケイトウ (Celosia argentea) は同科別属です。鶏頭(けいとう)とは違い、花冠が鶏のとさかのようになっておらず、ハゲイトウは、「ケイトウに似て茎の頂の部分にある葉が特に美しいもの」という意味のようです。ケイトウはハゲイトウと同じヒユ科ですがケイトウ属です。
葉鶏頭(ハゲイトウ)は熱帯アジアが原産で、茎は堅く直立し、草丈は80cm~ 1.5mになります 。根はゴボウ状の直根です。葉は披針形で、初めは緑色で、夏の終わり頃から色づき、中心より赤・黄色・緑になり、寒くなるとさらに色鮮やかになります。葉が色づいてくるのは、花が葉肢にできた印です。葉の形や色は様々で、三色葉はよくあるようですが、黄と緑、紅と紫紅色などの二色葉、また、四色葉のものもあり、葉の細い細葉の種類もあるようです。
葉鶏頭(ハゲイトウ)の花は、葉の脇に小さくつくためあまり目立つことはありません。花は肉冠の形にはつかず、葉肢に密集してつき、茎の頂は着色した葉の集まりです。ハゲイトウは短日植物で、だいたい日照時間が12時間以下で花がつくようです。種は細いですが、発芽率は良いようです。花は目立たないものの、葉が特に美しくカラフルなため、観葉植物として栽培されるようです。
雁来紅(ガンライコウ)
新・秋の七草で、長谷川時雨氏は、「雁来紅」を選びましたが、この雁来紅は葉鶏頭(ハゲイトウ)の漢名のようです。
雁来紅という漢名は、雁が渡ってくる頃に、深い紅色となることからその名がついたようで、ハゲイトウが秋の彼岸の頃に雁の群れがよく見られる時期に、かぎや棹になり、葉の色が冴えてくることから「雁来紅」と書かれてきたようです。
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