ロミオとジュリエット効果

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ロミオとジュリエット効果(Romeo and Juliet effect)とは、困難・障壁がある方が気持ちが燃えるという心理効果で、元はもちろんウィリアム・シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」から。

ロミオとジュリエット

ロミオとジュリエット

困難・障壁によって恋心は燃えやすくなる

ロミオとジュリエット効果は、特に恋愛において、困難・障壁がある方がかえって恋心が燃えやすいという効果であり、逆にそうした障壁が取り除かれると急に熱が冷めるという側面も持っている。

交際を誰かに邪魔されたり、反対されたりすると、当の本人たちは逆にそれを乗り越えようと燃え上がってしまうという錯覚である。

ロミオとジュリエット効果の代表例

ロミオとジュリエット効果の代表例は、遠距離恋愛であったり、交際を親が反対していたり、歳の差があったり、極端な所得・資産格差があったりというケースである。

恋敵がいる場合に恋敵を持つものがさらに奮闘したりするのもこれに該当するだろう。また、いわゆる不倫関係などもロミオとジュリエット効果をもたらすと考えられる。

「ロミオとジュリエット効果」は、主に恋愛・交際について語られるが、禁止や妨害があると逆に興味関心が高まるという点では、カリギュラ効果と同様である。そうした「困難を乗り越える系」においては、そうした錯覚が起こり、本質が本質以上に、価値が価値以上に高められてしまうということが起こる。

困難を乗り越えるという演出

ロミオとジュリエット効果は主に恋愛に関する心理効果であるため、恋愛に応用しようとする輩も存在するということに注意しなければならない。

「困難を乗り越えるという演出」によって、恣意的に相手の恋心を加速させようとするというケースがあるということになる。

カリギュラ効果の場合でも「禁止されていることに関心が湧く」という感じになるので、本来はもっと制限のないような形でいいようなものをあえて制限するという演出がある。

それと同じように、あたかも障壁があり困難があるという演出によって、それを乗り越えようとするような心理を逆手に取るという場合もあるということである。

錯覚要素がないか自己観察する

また、ロミオとジュリエット効果は、「価値が価値以上に評価されるという錯覚」の代表例であり、障壁や困難がさればその錯覚が解けてしまい、それに伴って恋心も冷めてしまうという点には注意を向けておくべきだろう。

特に恋愛におけるロミオとジュリエット効果に限定されたことではないが、意識の上では「未来に起こるであろう心地よい体感」をイメージすることがやる気を生み出す要因の一つとなっている。恋愛においては、本能的な快感があるため「心地よい体感」というのはすぐに想起することができる。そして「それを達成するために」はということでやる気が出る、所詮意識の上でのやる気などその程度のものでしかない。

障壁が無くなった時に消える「やる気」や「情熱」

そして同時に「達成してしまった場合は、やる気が無くなる」という構造も持っている。恋愛においては、慣れによる耐性というものもあるが、基本的には心地よい体感はある程度期間、ある程度の水準でキープされる。

しかしながら、「慣れによる飽き」によって心地よい体感のイメージは低下していく中、同時に障壁が無くなってしまった場合は一気にやる気がなくなっていく。遠距離恋愛の人が同棲を始めた場合などがわかりやすいだろう。

慈しみのような柔らかい愛なら消えることはない

ただ、これは「心地よい体感」が本能的なムラムラに限定されていた場合のケースである。その心地よさが慈しみのような柔らかい愛であったのならば、根本的にやる気自体が必要ない。

そういうわけで、あまりに恋の熱が激しい場合には、それを楽しむと同時にロミオとジュリエット効果としての錯覚要素がないか自己観察し、根本に承認欲求をはじめとした自尊心回復要素が入っていないかを確認しておくと無難である。

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Category:心理学

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