アフォリズム 301-310
- 301.年配者の無関心
- 302.記憶に対応した痛み
- 303.男性専用、女性専用の曲
- 304.社会的対象の空虚さ
- 305.「普通の言動」と幸福
- 306.気づいた時の脱力
- 307.自由という牢獄
- 308.略語としての活
- 309.今現在以外への意識
- 310.動作への集中
301.年配者の無関心
年配者というものは、プロセスにあまり関心がない。
これは自身でやることがないため、うまくいった時のプロセスを覚えておこうという気がないことによる。
302.記憶に対応した痛み
集中力を高めると、特定の対象や記憶に関連した体の痛みや凝りを発見することができる。その対象への怒りや不満、悲しみなど によって起こる緊張の形跡として。
303.男性専用、女性専用の曲
世の中には、男性専用の曲や女性専用の曲があり、異性が歌うことがふさわしくない曲がある。それを好きだからという理由で異性が歌うことは、根本的に相手のことを理解できておらず、ある側面しか見えず、見ようともしていない証である。
304.社会的対象の空虚さ
何かにつけて、周りが称賛するような社会的評価や金銭のようなものは、社会的な煩わしさを防ぐことに一役買うこともあるが、逆に足枷となることもある。少なくとも根本的な煩悩を取り除くものではない。
305.「普通の言動」と幸福
「誰しもが愚痴を言い合って精神的煩いを解消している」と思い、それを当然と思っているような者も多いが、そうした者の中で心底幸福そうな人物を確認したことはない。
306.気づいた時の脱力
力むことはいくらでもできる上に、よく起こる現象ではあるが、脱力することはあまり意図して行われない。
307.自由という牢獄
大半の人間にとって自由というものは牢獄である。
自由を求めつつも、本当に自由になってしばらくすると、とてつもない選択の疲れや閉塞感、力が出ない感覚、やりどころのない疲労感に襲われる。
308.略語としての活
略語として「活」が用いられるものは、意図してか、意図せずしてか、社会に飼われている側の者が必要とする空間となっている。
309.今現在以外への意識
煩い、悩みというものは、今現在以外に意識が向くことによって、まるでそれが実在するかのように振る舞う空虚なものである。
310.動作への集中
「これ以上遅くするのは不可能である」という程度にゆっくりと動作を行いながら、その動作をラベリングして確認すると、それ以外のこと、その体感と確認の言葉以外には注意が向かなくなる。
妄想が入り込みそうになっても、動作をラベリングする言葉で、それを押し出すことができる。
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