高女(たかおんな)妖怪

高女(たかおんな)妖怪ブロンズ像

高女(たかおんな)妖怪ブロンズ像

高女(たかおんな)妖怪ブロンズ像

嫉妬深い醜女が化ける高女。下半身を伸ばし遊女屋などの二階をのぞいて歩く。鬼の一種であるという説もある。出現地は、和歌山県。体が自由に伸びる。

水木しげる 妖怪百物語によると、高女にまつわるお話は次のようなものになる。昔々、和歌山で木地屋(木地は木工品の材料)をしていた男が大阪の問屋の世話で女房をもらい、間に子供も二人生まれた。女房は働き者で、山奥に入っては木工品の材料をのこぎりで引き出したりしていた。

子供が五歳の時に行方不明になった。その時、元々いた30人ばかりの木地屋の使用人たちもひとり減り、二人減りと、やがて半分以下になった。

ある日、大阪の問屋がやってきて、「家の中になにか変わったことはないか」と聞いてきた。「別に変わったことはない」とこたえると、問屋は「そうか、ただ、気をつけるがよい」と言って帰って言った。

おかしなことを言うなぁと思っていたところ、山から女房が戻り、恐ろしい剣幕で「あの問屋はなにを聞きにきましたか」と聞いてきた。家の中になにか変わったことはないかと聞いてきた胸を伝えると女房はものすごい顔つきとなった。男は縮み上がり熱が出たと言って寝込んでしまった。

見知らぬものが枕元にやってきて「戻ってきた女房の様子がおかしかったら逃げなさい」と言ってきた。

やがて女房が帰ってきた時に寝たふりをしていると、女房は七尺ほどの鬼に変身した。外で着物脱いだ女房の裸は全身に灰色の毛が生えていた。井戸に飛び込むと、見違えるような美女となって出てきたが腰から下は井戸の中に浸しているようであった。

それを見た男は山に逃げ一命をとりとめた。
高女 妖怪ブロンズ像

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