土ころび(つちころび)妖怪ブロンズ像
ただ転がってくるだけで何も悪いことをしない妖怪「土ころび(つちころび)」。土転びと表記される。峠道を歩く旅人を守る神だという説もある。出現地は、中部地方、中国地方。
水木しげるの妖怪事典によると、中部地方の土ころびは、峠道に出現し、坂からコロコロ転がってついてくる妖怪で、毛むくじゃらで首のようなものがついている。また中国地方の土ころびは、山間部に出現し、土色で毛糸のマリのようであったとされる。
水木しげる 妖怪百物語によると、土ころびは中部地方の峠によく現れた妖怪で、次ような話があるという。旅人が峠を歩いていると後ろから何かが追いかけてくるような気がするので、慌てふためいて走り出すと、旅人よりも早く峠を転がり落ちて下で待っている。びっくりして旅人がその道を避けて通ってしまうと山の中に迷い込んでしまったという。これは土ころびの仕業ではあるが、ただ単に藁打ちのような形で転がってくるだけなので、そのまま通り過ぎればよいとされている。
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公開日:2020.07.25
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