貧乏神(びんぼうがみ)妖怪

貧乏神(びんぼうがみ)妖怪ブロンズ像

貧乏神(びんぼうがみ)妖怪ブロンズ像

貧乏神(びんぼうがみ)妖怪ブロンズ像

家に居つくとその家が貧乏になるとされる貧乏神。

水木しげるの妖怪事典には貧乏神にまつわる次のような話が掲載されている。

文政四年頃、番長のある武家の用人が主命を受け下総の知行所に行った時のことである。江戸を出て草加の宿まで行った時、古い衣、白菅の笠、頭陀袋姿で身は痩せ衰えた四十歳くらいの法師と出会った。

用人は法師と話す仲となり、「貴僧はどこからどこへ」と聞いた。すると法師は気味悪く笑い「番町の某邸にいるが、越谷へ行く」と言った。

某邸は偶然にも用人のいる家であり、怪しんだ用人は、その邸にいるものだが、あなたを見たことはない、出家者は嘘をつかないと聞いているが、と笑った。

すると法師は「嘘はない。しかし見知らぬのも道理。愚僧は世にいう貧乏神である」という。

そして「恐れることはない、当代にて貧窮のどん底となったゆえもはやこの上用事もないから他家に移ろうと思う。今後は家に幸福が訪れ、借財も無くなる」と言ったという。

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