蟹坊主(かにぼうず)妖怪ブロンズ像
畳二畳サイズの大蟹の妖怪「蟹坊主(かにぼうず)」。夜に坊主の姿で出現し、寺に来ている坊主を池に誘い込み食べるという妖怪。
水木しげるの妖怪事典等によると、昔、甲斐国の東山梨郡岩下の里に一人の旅僧が、荒れ果てた寺に泊まったというところから蟹坊主の話が始まる。
この寺が荒れてしまっていた理由は、坊主が替わっても替わっても皆一晩で消えてしまい、ついに誰一人住むことが無くなってしまったからというものであった。旅僧は、最初訪れた村で一夜の宿を求めたが、断られ続けたので無住寺に泊まることにした。
夜も更けて寝ていた旅僧がざわざわした音で目が覚めると、真っ黒い坊主が立っていた。その坊主は難しいと問答をしかけてきた。坊主は何の気なしに「かんにん坊、かんにん坊」と三度連呼するとその僧は消えた。
翌朝、寺の裏にある池を確認すると怪しく、人を集めて水を抜くと、畳二畳式もある大蟹がいて、池の底には人間の骸骨が横たわっていたという。そして村人たちがその大蟹を退治した。その後寺に不思議は起こらなくなったという話がある。また別の話では、その坊主は「両足八足大足二足横行自在両眼大差」と問答をしかけ、旅僧は独鈷を手にし「それは蟹だ」といって坊主を刺すとそれは大きな蟹だったという話がある。この寺は俗にかに寺と呼ばれる。出現地は、甲斐(山梨県)。
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公開日:2020.07.25
最終更新日:
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