手塚治虫氏の「ガラスの地球を救え 21世紀の君たちへ」
講演の記録なんかも掲載されている本です。
個人的には、65ページの命あるものの素晴らしさについてのくだりは、
なんだか少し違うような気がしました。
「同じ生命あるものとして生きていく予行演習」ではないと思います。
存命中なら文句を言いにいったかもしれません。
僕は殺されかけている蝉をみて、
いたずらに生命を弄んでいる「先輩」を殴りましたし、そうした行為は必要なことだとは思えません。
まあ結果的に心が育まれればいいという感じで論点的には、別にそれほど問題ではないと思いますし、
昆虫採集などをあまりしなかった世代的なギャップなのかもしれません。
手塚作品全般を見れば、生命の大切さ、尊さがよく描写されていると思いますし、
ミクロイドSなどの作中にはむしろ「虫側の気持ち」が描かれているのでそれと照らし合わせて読むのがちょうどいいという感じなのかもしれません。
1996年9月20日初版第一刷発行
ISBN978-4-334-72288-3
光文社 知恵の森文庫
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公開日:2018.11.12
最終更新日:
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