ルソーに反対

われわれの文明は何かあわれむべきものそれ自体を持つということが真であるなら、ルソーとともに「このあわれむ文明はわれわれの劣った道徳に対して責任がある」と結論を続けるか、あるいはルソーに反対して次のように逆の結論を出すかは、諸君のお好み次第である。 「われわれのすぐれた道徳は文明のこれらあわれむべき状態に対して責任がある。善悪に関するわれわれの弱い―社会的な概念、心身に対する絶大な支配は―自主的な、独立的な、とらわれない人間を、すなわち強い文明の支柱を破壊してしまった。劣った道徳に現在なお出会う場合、これらの支柱の最

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現代人の皮肉

日下一切の大きな関心事を皮肉に取り扱うのが、ヨーロッパ人たちの流儀である。彼らはそれらの仕事に忙しいため、それらを真面目に考える暇がないからである。 曙光 162 現代人の皮肉ということで、京都人の皮肉やそうした京都における皮肉の本意などについて触れていきます。 先日、パスカルの「哲学をばかにすることこそ、真に哲学することである」という格言について触れましたが、ただ単に皮肉に取り扱う場合と、真に「ばかにする」ということは似て非なるものです。 これは宗教を無条件に批判することと、思考の結果、排斥する場合との違いに似て

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義務と権利の博物学のために

義務と聞くと嫌な響きがしますが、たまに義務を根拠に何かの意見を主張してくる人がいます。体育会系の上下関係など、世間で勝手に義務とされているようなことであり、「そんな義務はどこからきたのか?」ということをまず聞きますが、法律上でも私人間なら権利義務関係は契約という概念がないと原則生じません。つまり双方の意思表示の合致ですね。言い換えれば特に私人間だと合意がないとそんなものは発生しません。 いい年をこいて、「駅まで車で迎えに来るはお母さんの義務だ」と、決まってもいないのに、また履行しないからといって、他の誰かにどう主張

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客観性の賛美者に

子供のときその影響をうけて育った親類や知人たちの、種々様々な感情や強い感情は認めたが、知的な正しさに対する鋭い判断や喜びをほどんど認めたことがなく、したがって感情の教養不足を取り戻すために最上の力と時間を費やした人は、成人したときどんな新しいものでも、どんな新しい人間でも、たちどころに彼の心の中に愛好、嫌悪、嫉妬、軽蔑を換気することに気がつく。この経験から圧迫され、それに無力感を抱いて、彼は感覚の中立性あるいは「客観性」を、不思議なもののように、天才または稀な道徳の事柄として賛美する。そしてこれもやはり単に訓育と習

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お金を貯める増やすコツ

この「金融」テーマに関しては実は半年ぶりくらいの投稿になるようです。前回のお金を貸す人借りる人では、お金を借りに来る人の心理について触れましたが、やはり「お金テーマ」はみなさんの関心を引くのでしょうか、現段階で最も閲覧されている記事になっているようです。 インターネット空間でも、金融や投資・保険などは広告収入の単価が高いので、様々な記事が乱立していますが、記事を書いている人はほとんど素人です。株式の運用に関しては実際にトレードをしている人もいるでしょうが、広告目的のサイトはほとんどが素人です。あふれている情報を「ま

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逆らうもの

ある組織や主義などと同化し、共通の敵を作ることによってアイデンティティ(自己同一性)を形成しようとしている人がいます。しかしながら、何かの主張を「叫ぶこと」や誰かに対して嫌がらせをすることくらいしかできません。 啓発活動をしても結局は「お知らせ」しかできないから、それしかできていないわけですが、本当に「何かを変える」というのは、彼らの目的としては二の次です。啓発活動をしたり、何かの主義や主張を叫んでいる人たちにとっては、何かに「逆らっていること」に意義があります。 自分たちでは本当に何かを変えようとしていると主張し

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時代に適した美

時代に適した美ということで「平安美人」という言葉が、現代では侮蔑に使われることもあるように、時代時代で美しさの基準は変化していきます。ある程度の「調和」という意味で一定の傾向はあるものの、一応変化していきます。 つい先日も触れましたが、間違っても80年代だけは繰り返してはいけません。いつまでも美しいとされるようなものはたまにありますが、時代時代の流行りが組み込まれたものは、やはり扇動されていることは否めません。 目や顎の好み ところで、僕は昔から、男女ともに目がパッチリした人や多少顎が出ている系の美人とされる人をそ

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犠牲の道徳

犠牲に供することに応じて自らを測定する道徳は、未開の段階の道徳である。 曙光 221 一部抜粋 「犠牲の道徳」 このようなタイトルを見たことがある、と思って見直すと「生贄の道徳」でした。しかも曙光215です。 今回はバラバラに書いているため、すぐには気づきませんでしたが、国語の授業なら「一項目にまとめましょう」と先生に添削されるような書き方ですね。ニーチェもあとで思い返して追記したのでしょうか。「うーん、さっきは生贄だったから、ここは犠牲にしておくか」という具合でしょう。 この項目は先の215とまとめてもいいくらい

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威厳と恐怖心

儀式、職務と地位上の服装、真面目な顔つき、厳かな眼つき、ゆったりした足どり、曲がりくねった話しぶり、威厳とよばれるもののすべて、これは実際のところ恐怖心をもつ人々の偽装形式である。― 彼らはそれによって(自分を、あるいは彼らが代表するものを)恐怖を与えるものにしようとする。恐怖心をもたない人々、すなわち、もともといつも明らかに恐ろしいものをもっている人々は、威厳と儀式を必要としない。彼らは誇りとする恐ろしいものの徴候として、正直と言葉や挙動の率直さとが評判になり、その上排斥までされる。 曙光 220 坊主がやたらと

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決疑論的

どんな人の勇気や性格も耐えられないようなある悪辣(あくらつ)な二者択一がある。ある船に乗っていて、船長や船手が危険な誤ちを犯し、彼らよりも自分の方が航海の知識の点ですぐれていることを発見し、―そこで自分に次のように問う。どうだろう!おまえが彼らに対して暴動を起こし、彼ら二人を監禁してしまったら?おまえの優越はそうするように義務づけないか?だが一方彼らも、服従しないという理由でおまえを拘禁するのはもっともではないか?と。 曙光 436 前半抜粋 あらゆる選択をするときに指針となるのは、道徳・倫理・宗教上の戒律などです

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気づかれないままでは破壊しない

そもそもは認識の誤謬、錯覚というものから起こる悲劇ばかりですが、単純に日常のモヤモヤというものは、奥深くに眠っている「何か」が引っかかっていることがほとんどです。怒りの本音で触れましたね。錯覚がなくなればすべてがガラッと変わり、一気に消えますが、それは少しハードルが高いのかも知れません。 トラウマはそれが何かがわからないからトラウマと呼ぶのと同じように、無意識レベルでの心配事などなど、その奥にあるものがなかなか見えません。 理由が見えにくいモヤモヤ モヤモヤは自分が意識して思っている思い込みによるものもありますが、

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ワンテーマ B層

B層という言葉をたまに使いますが、類語は「ウェーイ」「おもんないグループ」です。念の為に寄せ集めておきます。ウェーイは、「ただのウェーイ」と、最高を最幸と書きたがる「自己啓発洗脳ウェーイ」などに分類されます。このサイトの常連さんは、B層ではないでしょう。 B層の研究 「絆」という言葉が苦手です。寒気がします。僕はB層のことを「ウェーイのやつ」と呼んでいます。震災の募金活動についても寒気がしていました。この違和感の理由を的確に論じてくださっていたのが「B層の研究」でした。 B層の研究 絆という言葉を金融機関までよく使

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ワンテーマ 「モテ」

モテに関しては関心のある方が多いようなので私的寄せ集めをしてみました。モテないが正しいです。ただ、モテるモテないの選択権は己にはありません。本当はありますが、それは世間で言われるようなモテテクを磨くことではありません。 モテる秘訣とモテない理屈 モテる秘訣とモテない理屈について 世間では様々なモテテクやモテるための条件、モテる秘訣、そしてモテない理由としての理屈が並べられています。世間で言うところのモテる男の条件とかモテる女の条件というものは、なぜか客観的・言語的データで語られていることがよくあります。 しかしなが

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ワンテーマ 養子のうさぎとインコたちとゆかいな動物たち

我が養子のうさぎと、インコたち、そしてゆかいな動物たちの記事です。人から教わったこともたくさんありますが、言語を介さずして彼らに教わったことも計り知れません。 動物はエライという境地 改 うちには現在、養子のうさぎがいます。 そして昔、うちにはインコがいました。セキセイインコを漢字で書けるほど(脊黄青鸚哥)、無類のインコ好きなのですが、最初に共同生活を始めたのは小学校2年生の時でした。 動物はエライという境地 改 インコとは心が通じるのか、すぐに仲良しになれます。家の前で迷いインコが肩に乗ってきたこともありました。

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ワンテーマ たられば的脅し

たらればの想像力を駆使して、スケベ心で「人を使おう」、「こいつをコントロールしてやろう」とする人たちの純情物語です。全ては「もしかしたら」という想像力などで相手の心を操作して、ぼったくってやろう、タダで使ってやろうとする「夜の商売」風の手口です。 たられば、かもしれない 以前、ある程度大きな会社の人に、 「もう少し仲良くなったら、○○さんを紹介してあげるよ」 というお言葉をいただいたことがあります。 いままでに何回かその手の切り口を聞いたことがあります。 どういう意味ですか? たられば、かもしれない どういう意味で

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ワンテーマ

先週くらいにふと「ひとこと」に記載しましたが、ハブページを作っていきます。 世間では「まとめ」という言葉をよく使いますが、僕はこの言葉になんだか好感が持てません。いや、この言葉が悪いわけではないのですが、まとめページを作るだけで、オリジナルページを作った人よりある意味で評価されていることに違和感を感じているからです。 確かにハブページというものの機能は良いかもしれませんが、ハブページばっかり上位表示されるのは変です。転載で新規に作るよりは良いですが、結局あまり変わりません。消費者が実際の供給者より評価され、それで知

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宝探し2015

みなさまいかがお過ごしでしょうか。 投稿数が450を超えました。ということで300回投稿記念くらいの時に考えていた宝探しゲームを行います。 このページの前のページ「お宝箱」はパスワード保護されています。 そのパスワードを一文字ずつ探して遊ぼうというものです。 全部で11文字、半角英字のみを使用しています。書庫カテゴリのものは除外していますが、全個別ページの中に以下の様な画像を組み込んであるページがあります(記事だけとは限りません)。もちろん、このページ以後のページには組み込みません。 すべて文末に組み込んであります

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