白茅(ちがや)

白茅(ちがや)は、イネ科チガヤ属の多年草です。初夏に白い穂を出します。茅根(ぼうこん)とよばれる、白茅の根茎には利尿作用があるようです。また、花穂を乾燥させたものは強壮剤として用いられるようです。なお、茅や千萱、千茅と表記されることもあります。

自生環境は荒れ地など日当たりのよい空き地や、河原、道端、畑などに細い葉を一面に立てて群生します。単子葉植物です。

白茅(ちがや)の草丈は30~60cm。地下にしっかりした匍匐茎を伸ばし、地上には花茎以外にはほとんど葉だけが出ており、春や初夏に白い毛のある小さい花を穂のように多数付けます。この花穂の開花前の花序は「つばな」と呼ばれ、円柱状で葉より先につきます。地下茎は横に這い、所々から少数の葉をまとめて出します。有節で白色です。

葉には細くて硬い葉柄があり、長い広線形で、葉の裏表の差はあまりなく、葉の縁は多少ざらつきます。抱茎で互生します。

白茅の穂

白茅(ちがや)の穂は細長い円柱形で分枝はなく、白いの綿毛(小穂の基部から)に包まれていて、葉よりも高く伸び上がり、ほぼまっすぐに立ちます。開花前の花序は「ツバナ」と呼ばれ、噛むと淡い甘みがあります。花期には赤い雄蕊があり、色がついて見えますが、果期には白い綿毛がつくため白くなります。白い綿毛がついている時期のほうが目立ちます。

小穂

小穂は長さが4mm程度で、細い披針形をしており、花序の主軸から伸びる短い柄の上に、2つずつつき、長い柄と、短い柄が対になり、互いに寄り沿うようになっています。種子はこの綿毛に風を受けて遠くまで飛んでいきます。

茅根(ぼうこん)

白茅(ちがや)の根茎は、茅根(ぼうこん)と呼ばれ生薬に利用されます。薬効成分はトリテルペン(トリテルペノイド)のシリンドリン(cylindrin)などです。

白色有節の地下茎が横に這います。

チガヤの表記

チガヤは、白茅、茅、千萱と表記されますが、「茅」という字は、「チ」とも「カヤ」とも読むことができます。古くは茅葺屋根に利用されたようです。

学名:Imperata cylindrica

亀田氏選夏草七種

イネ科

Category:植物

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